起業を考える方へ

Q1.10年勤めた会社を辞めて起業します。個人事業ですが、健康保険はどのようになりますか。

退職後の健康保険には3つの選択があります。
@これまでの健康保険を任意継続する
A国民健康保険に加入する
B扶養家族になる
これから本格的に仕事を始める場合は、@かAの選択です。どちらがより保険料の負担が少なくてすむかということで判断しましょう。

Q2.会社を辞めて自営業を始めますが、当初はそれほどの収入が見込めません。夫は会社員ですが、健康保険の扶養や第3号被保険者になれますか。

健康保険の扶養家族・第3号被保険者になるためには、今後の収入の見込みが130万円未満であることです。
パートなどで勤めている場合は、給与として受け取った金額すべてが対象ですが、自営業の場合は、売上げから経費を引いたものが130万円未満であれば該当します。 むずかしいのは、過去の収入ではなくて、これからの見込みであるということです。この1年、130万円を超える見込みがなければよいのです。次第に収入が増え、年間130万円を超えそうになったときに、扶養からはずせばよいということです。
夫が健康保険組合の場合は、各組合で確認してください。条件が異なることもあります。

Q3.個人事業主となると国民年金に加入しなければなりませんか

個人事業主は国民年金の第1号被保険者となります。(20歳以上60歳未満)
配偶者の扶養になる場合は別として、自営業として仕事を始めたら、自分で保険料を納めなければなりません。

Q4.事業を立ち上げた当初は金銭的に大変です。国民年金の保険料を払えないときはどうしたらいいでしょうか。

免除申請をしてみましょう。免除を受けるのには所得が一定以下であるなど、条件を満たしていなければなりませんが、未納にしておかないで、国民年金課で相談してください。
所得によって、4段階の免除がありますので、どの段階の免除に該当するか、また、複数の段階に該当する場合は、免除方法も選択できるので、よく相談してください。

Q5.自営業を始めますが、国民年金だけでは老後の年金が心配です。国民年金基金について教えてください。

国民年金基金は、国民年金の保険料を納めている人(第1号被保険者)のための公的な年金制度です。自営業者のための上乗せ年金だと言えます。
加入は口数制で、年金額や給付の型は自分で選択できます。毎月の掛金の上限は6万8千円です。国民年金基金のメリットは、掛金が全額社会保険料控除となり、節税効果が大きいことです。節税しながら老後の資金作りができると考えてください。ただし、国民年金の保険料を滞納したり、免除を受けている人は対象外です。

Q6.自営業者は小規模企業共済に加入できると聞きました。小規模企業共済について教えてください。

小規模企業共済は、小規模事業主のための退職金制度です。加入することができるのは、一定規模以下の個人事業主や小規模法人の役員です。
掛金は 1千円から7万円までで、500円刻みで設定します。掛金全部が小規模企業共済等掛金控除となるので、節税となります。

Q7.国民年金基金と小規模共済とは両方加入できますか?

両方に加入することはできます。それぞれ最大の掛金で加入すると、節税効果も上がります。

Q8.国民年金基金と小規模共済、どちらかを選ぶ場合は、どういう基準で選べばいいですか。

制度が異なるなので、自分の目的にあったものを選んでください。
近いうちに法人化したいという場合は、国民年金基金に加入してもすぐに辞めることになるので、今後の方向性を考えて選択しましょう。国民年金年金基金には脱退一時金というものはありませんが、掛金は、将来年金としてもらえますので、掛け捨てになるようなことはありません。

Q9.企業規模が大きくなっても小規模企業共済に加入を続けられますか。

事業が発展していくと、小規模企業共済の加入基準を超えることになりますが、加入を続けることでできます。逆に「小規模」に該当するうちに加入しておくと、この制度を活用することができます。

Q10.国民年金の付加年金とはどういうしくみですか

付加年金は第1号被保険者のための上乗せ制度です。
付加保険料は1月400円。現在13860円の保険料に400円を加えて納めることになります。
付加年金に加入することで、将来受け取る年金には、200円×付加保険料納付月数がプラスされます。 手続きは国民年金課で。年金手帳を持参し、付加年金に加入したいと申し出てください。

Q11.会社を辞めて起業しますが、法人を設立します。社会保険に加入しなければなりませんか。しばらくは加入せず、様子をみることはできますか。

法人の場合は、社長ひとりの会社であっても、社会保険へは強制加入です。法人を立ち上げたら、社会保険の加入手続きもしましょう。未加入は法律違反です。

Q12.20年間会社で働きました。自分で事業始めますが、当初は収入も少ないので、雇用保険の失業給付をもらいたいのですが、もらえますか。

失業給付はもらえません。収入が少ないといっても、自営業は失業状態ではありません。自営業を隠して受給すると、不正受給になりますので、あきらめてください。
ただし、再就職手当や助成金等に該当するケースもありますので、ハローワークで確認してください。

Q13.起業するにあたって、社会保険等で注意しておくことはどんなことですか。

労働保険・社会保険は、条件に該当する場合は強制加入だということです。1人でも人を雇った場合は、労働保険に加入しなければなりません。社会保険は法人の場合は強制加入です。個人事業の場合でも、強制加入となる場合もありますので、雇用内容や雇用する人数で確認してください。事業主負担分が大きいから入りたくないといわれることもありますが、事業主として当然の義務になりますので、最初から必要経費として資金計画に入れておくことが大切です。必要な保険に加入せず、事故などの問題が起きると、取り返しのつかない事態となります。必要な保険料は支払うという気持ちをもって事業にのぞんでください。

Q14.すぐに従業員を雇用したいのですが、ハローワークで求人を出すことはできますか。

事業を確認することができる書類を持っていくと、求人を受け付けてくれます。ただし、採用後は、必要な社会保険の手続きをしてください。

Q15.事業開始にあたり、利用できる助成金はありませんか。

助成金には事業の内容や地域になど、さまざまな要件があります。事業開始前に計画書を出しておかねればならないものなどあります。 まず、下記ホームページをご覧ください。
そのあとで、具体的なことは各県の助成金センターでご相談ください。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/koyouantei.html


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