海外に住む日本人の方へ

Q1.現在国民年金加入中。しばらく海外で暮らすことになりました。年金はどうなりますか。

住民票を移し海外に居住している間、国民年金は任意加入となります。引き続き加入を希望する場合は、任意加入の手続きをとりましょう。
加入は任意ですが、加入しなければ、その期間、将来受け取る年金が少なくなります。

Q2.国民年金の保険料は口座振替です。Q1のケースで、何も手続きしないで外国へ行っても口座から保険料が引き落とされることになりますが、そのままでもいいのですか。

海外に居住している期間は被保険者となりませんので、口座から引き落とされた保険料は後日還付となり、被保険者期間となりません。任意加入する場合は必ず手続きしてください。

Q3.10年海外で暮らし、帰国しました。もうすぐ60歳ですが、年金はもらえますか。海外に出る前、18年厚生年金加入期間があります。

海外に在住していた期間は、年金の受給資格(年金をもらえるかどうか)をみるとき、合算対象期間(カラ期間)として受給資格期間に加えることができます。保険料納付住期間18年、カラ期間10年、合計28年となり、受給資格に必要な25年を満たしているので、年金をもらう権利はあります。ただし、カラ期間は年金額にはつながりません。

Q4.海外に住んでいた期間はどのようにして証明できますか

次のうち、いずれかで、出国、入国の日があきらかになることが必要です。
■ 在外公館の証明書
■ 滞在国の日本領事館での在留資格証明書
■ パスポート

Q5.日本の大学生ですが、在籍のまま、短期間(1年)留学することになりました。現在、学生の納付特例を受けていますが、海外に留学している間はどうなりますか。

住民票を移せば、国民年金の任意加入期間となり、学生の納付特例には該当しません。

Q6.現在、海外で暮らしています。帰国したときのことを考えて国民年金に加入したいと思いますが、手続きはどうすればいいですか。

これから海外に転居する人は、現在のお住まいを管轄する年金事務所が窓口です。
現在、海外に居住されている方は、日本国内における最後の住所地を管轄する年金事務所が窓口です。
本人が日本国内に住所を有したことがないときは、千代田年金事務所が窓口です。

年金事務所へ連絡すれば、書類を送ってもらえます。

Q7.海外で年金を受け取ると、手数料はかかりますか。

原則として手数料はかかりません。日本年金機構から日本銀行など2ヵ所を経由して現地の受取銀行に送られます。手数料はかからないことになっていますが、最終的に現地の銀行によっては手数料が発生することもあります。
日本国内の銀行で受け取ることも可能です。口座があれば、その銀行で受け取ることができます。

Q8.会社員ですが、ドイツの支店に長期(2年の予定)赴任することになりました。年金はどうなりますか。

日本の会社に在籍し、海外赴任する場合、厚生年金の資格は喪失しません。しかし、赴任先の国の決まりによって、赴任先でも年金制度に加入しなければならない場合があります。
二重加入となりますが、社会保障協定のある国では、二重加入しなくてよいしくみになっています。
ドイツとは社会保障協定ありますので、働く期間が原則として5年以内であれば、ドイツの年金に加入しなくよいことになっています。(日独社会保障協定は平成12年2月1日より発行)
社会保障協定を締結する国は増えています。内容は各国で異なりますので、赴任先国との協定を確認してください。 くわしくは日本年金機構のHPを

Q9.上記のケースで、扶養している妻もいっしょにドイツで暮らす場合、妻の年金はどうなりますか。妻は現在専業主婦で、第3号被保険者です。

妻は第3号被保険者のままです。

Q10.海外で暮らしています。離婚を考えていますが、年金分割はこちらの(外国の)裁判所で決定すれば有効ですか。

外国の裁判所が日本の年金分割のしくみを理解しているとは考えられないので、合意が成立したら日本の公証人役場で公正証書を作成しなければなりません。

Q11.これから海外に居住しますが、家族が引き続き日本国内にいるので、住所変更の届出は必要ありませんか。

海外に居住する人(非居住者)に支払う年金については、国内に居住する人と課税方法が異なりますので、必ず、住所変更を行ってください。年金の受取は、引き続き日本の金融機関で受け取れます。

Q12.海外の金融機関で年金を受け取る場合、日本円での送金はできますか。

日本円を希望する場合は、日本国内の金融機関をしてして下さい。個々に希望する通貨により送金するような取扱いはありません。

Q13.USドルで年金を受け取りましたが、いつのレートで計算されているのですか。

送金日の午前中のレートで外貨に換金されます。

Q14.海外からの年金受取の手続きはどのようにすればよいでしょうか。

電話や文書で、年金事務所へ年金請求書の送付を請求してください。海外へも届けてもらえます。手続き書類は郵送できます。
日本に代理人をなってくれる人がいれば依頼されるのもよいでしょう。
添付書類にもよりますが、日本語でない場合は、翻訳が必要になりますので、あらかじめ、確認してください。



これから海外へ移住される方へ

Q15.定年後、数年間、海外で暮らすことになりました。年金を受給中ですが、出発する前にはどのような手続きをすればいいですか。

次の手順で手続きをしてください。
1、市区町村役場で転出の手続きをします。
2、次にもよりの年金事務所へ行き、住所変更の手続きをします。
運転免許証などの身分証明書、年金証書、認印を持参してください。転出先の住所をメモして持っていかれると便利です。
今後も日本の銀行で受取り希望であれば、そのまま受け取ることができます。海外の銀行での受取りを希望される場合は、変更することも可能です。

Q16.海外に移住後、必要な手続きはありますか。

毎年、「現況届」を提出してください。
国内にお住まいの間は、住基ネットの利用により、毎年の確認(現況届)を省略することができました。しかし、海外に転出されると、誕生月に現況届を提出しなければ年金はストップしてしまいますのでご注意ください。必要な書類は、毎年、誕生月までに転居先へ送られてきます。在留証明書などの証明書を添えて提出してください。



中国残留邦人等の方へ

平成20年1月より、新たな支援がスタートしています。

老齢基礎年金が満額支給されます。
対象者は、中国や樺太に残留された邦人の方で、次の要件に該当している方。
1、明治44年4月2日以後に生まれた方
2、昭和21年12月31日以前に生まれた方
昭和22年1月1日以後に生まれ、昭和21年12月31日以前に生まれた永住帰国した中国残留邦人等に準ずる事情のあるものとして、厚生労働大臣が認める60歳以上の方を含む
3、永住帰国した日から引続き1年以上、日本に住所を有している方
4、昭和36年4月以降に初めて永住帰国した方

受付は20年1月1日より始まっています。受付期間は5年間。
申請書は、厚生労働省中国孤児等対策室へ
電話 03-3595-2456

http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/12/dl/tp1228-2a.pdf


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