事例3 共働きの場合の加給年金は?

夫も妻も20年以上会社に勤めています。夫は60歳定年で退職。現在62歳です。妻はあと数ヶ月で60歳になり、仕事をつづけようか、退職しようか迷っています。妻が60歳になって年金の受給権が発生すると、夫の年金についている加給年金はなくなってしまうのでしょうか。

加給年金は、年金の家族手当の意味あいをもっています。厚生年金に20年以上(男性40歳以降15年、女性35歳以降15年以上)かけた人が特別支給の老齢厚生年金をもらえるようになり、配偶者がいるときに支給されます。(配偶者の所得制限あり)
ただし、配偶者のもらう厚生年金が20年以上(女性の場合は35歳以降15年以上)ある場合は支給停止になります。

この例では、夫婦とも20年以上厚生年金に加入していますので、妻が60歳になった時点で、夫についていた加給年金は支給停止となります。

ただし、妻が退職して雇用保険から失業給付をもらっている期間は、妻の年金は全額支給停止となっていますので、その間、夫の加給年金はもらえます。

また、妻が60歳以降も勤務する場合、給与が高くて年金が全額支給停止となれば、その間夫の加給年金はもらえます。一部でも妻が年金を支給されると、加給年金は支給停止となります。

この事例からわかったこと

 妻の厚生年金加入期間が20年以上あり、夫の年金についている加給年金が支給停止となる場合でも、妻の年金が全額支給停止になっている間は、加給年金は支給される。