事例26 離婚・再婚で、遺族年金は誰に支給されるか 

ふたりの子どもを引き取って離婚しました。会社員のである元夫から、毎月、養育費を受け取っています。(銀行口座振込)
元夫は再婚し子どもが生まれましたが、先月、事故で死亡しました。
養育費が入ってこないので、困っています。私の子どもたち(中学生と小学生)は遺族年金をもらえないのですか。


サラリーマンの夫が妻と子(18歳の年度末までの子)を残して死亡した場合(保険料納付要件は満たしているものとする)、遺族基礎年金、および遺族厚生年金の受給権が、妻と子に発生します。
このケースでは、再婚した妻とその子、別れた妻との間のふたりの子が受給権者となります。
生計維持関係が必要ですが、別れた妻との子には、毎月、養育費が送られていて、生計維持関係があったといえます。(銀行振込で確実に送金されていたので、生計維持関係を証明できます)

しかし、「受給権が発生すること=実際に年金を受け取ること」ではなりません。実際に遺族基礎年金と遺族厚生年金を受け取るのは、再婚した妻となります。妻が支給を受ける場合、子は支給停止とります。
別れた妻の子にも、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権が発生しますが、後妻が受給している限り、遺族年金を受給することはできません。(支給停止)
後妻が再婚するなどで、遺族基礎年金・遺族厚生年金の受給権が失権すれば、支給停止は解除となります。
支給停止が解除されることなく、子どもが18歳の年度末に到達すれば、そこで、遺族基礎年金・遺族厚生年金の権利は「失権」します。


この事例からわかったこと

@遺族基礎年金の受給権者、死亡当時死亡した被保険者によって生計維持していた妻又は子。
A妻と子、双方が遺族基礎年金・遺族厚生年金の受給権を取得する場合は、原則として妻に対して支給する。