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知っておきたい年金のはなし     第8号 2003年5月21日発行

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こんにちは!
今回は、ご質問の多かった、「いったい私は年金もらえるの?」が話題です。いろいろ言っても、もらう権利ができなかったら、どうしようもないですものね。

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第8号の話題は、老後の年金をもらうための条件!
★★★ あなたは年金をもらえますか? ★★★
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私にはとても悔しい思いをしていることがあります。実は私の親しい人が無年金者になっているのです。もう10年ぐらい前だったでしょうか、私が社会保険労務士の資格を取ったと知って、相談がありました。しかし、ときはすでに遅し。保険料を納めていない期間が長すぎたのです。現在、すでに70歳をこえた彼女には年金がありません。元気なのはいいことですが、収入源のない彼女は、今でも仕事をやめられません… 
もっと早くにアドバイスしてあげることができたら、今、年金をもらっていたのです。

●とにかく、25年の期間が必要です

とにかく、25年! 覚えておきましょうね。老後の年金をもらうには、25年の期間が必要なのです。条件にあう期間を25年分、しっかり用意しておかねばなりません。25年の期間がないと、年金という「私の家」は建ちません。

●そんなこと言ってもわからないよ、何が25年?

まず、保険料を納めた期間。これはあたりまえですよね。国民年金でもいいし、厚生年金、共済年金でもいいのです。どの制度に加入していてもいいのです。あなたは何年納めていますか?

●免除をうけた期間もOK!

会社などに勤めている場合、年金の保険料はお給料からいやおうなく引かれますよね。だから、滞納するということはありません。しかし、国民年金は自分で納めます。だから、生活が苦しいときは、滞納してしまうことだってあります。
そこで、国民年金の保険料には「免除」という制度があるのです。「今生活が苦しくて払えません」と届け出て、認められたら、その期間、保険料が「免除」されます。その免除をうけた期間は、年金をもらうのに必要な25年の中に入れることができるのです。学生が免除を受けた期間もOK。(学生の場合、正しくは「納付特例」といいます)
あなたには免除を受けた期間はありますか? あるとしたら、何年ありますか?

●それでも25年になりません…どうしよう…

ここで力を発揮するのが、「カラ期間」。その名のとおり、中身のないからっぽな期間ですが、年金をもらえるかどうかというところでは、力になります。
昭和36年4月から昭和61年3月までのサラリーマンの妻だった期間はありますか。サラリーマンの夫でもいいですよ。この間の保険料を納めていなかった期間を25年に含めることができます。
「カラ期間」はサラリーマンの配偶者だけに限らず、海外に住んでいた期間などいろいろありますので、よくわからない場合は相談してくださいね。
このカラ期間も含めて25年ありますか。あるなら、大丈夫。老後の年金をもらう条件はできました。

●例外もあります!

とはいっても、例外があります。生年月日によっては25年なくてもいいこともありますし、また、厚生年金や共済年金に加入している人には、生年月日によっては20年の加入期間があればよいということもあります。

●厚生年金15年で権利が発生することも!

45歳の男性。今まで国民年金の保険料は一度も払ったことがありません。今から60歳になるまで15年間、会社に勤めて厚生年金に加入したら、年金をもらう権利ができる… こんな特例もあるのです。ただし、すべての人にあてはまることではありません。生年月日で必ず確認しましょう。

●サラリーマンの妻(夫)の期間は?

第3号被保険者期間は、実際には保険料を払っていないけれど、保険料を納めた期間となります。ただし、この第3号の制度がはじまったのは昭和61年4月からなので、それからあとの期間ですよ。

●よかった! 25年あるから、もう年金やめてもいいね?

それは待って! 25年あれば、年金をもらう権利は発生します。
でも、25年しかなければ、老齢基礎年金を満額もらえません。25年あるから安心といって年金の保険料を滞納してしまえば、将来もらう年金額は減ってしまいます。小さな家になってしまいます。

●そうか、やはり途中でやめられないしくみですね!

そのとおり、うまく考えたものですね。

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原則どおり25年必要な人が、24年の期間しかないという場合は、1円の年金をもらうこともできません。ということは、24年分が無駄になってしまうというわけです。
無駄にならないようにするためにも、必要な期間を作らなければなりません。
若いときには「年金なんてなくてもいいや」と思うかもしれません。でも、実際に無年金になるのはつらいものです。こんなことなら保険料をきちんと納めていればよかったと、あとになって後悔しても、取り返しがつきません。
一度、自分の「期間」を確認してみませんか。