★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第12号 2003年7月1日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 7月になりました。 新聞紙上でも、年金の話題は多いですね。 6月29日には、「年金給付に下限を検討」という記事もありました。どんどん年金が下がれば若い人の年金離れがおこるだろうから、現役世代の手取り年収の50%をめどにという方向性でした。 でも、ここで注意したいのは、「モデル年金」で考えられていることです。モデルにあてはまらない人はたくさんいますものね。「モデル」で書いてあっても、「自分は?」と考えたほうがよさそうです。
…………………………………………………………………………………………… ●1階は797,000円
とにかく、保険料を納めた期間や、免除を受けた期間や、カラ期間が25年ないと、年金はもらえません。 ●カラ期間は、年金額にはつながりません カラ期間ってありましたよね。何もしてないけれど、年金をもらえるかどうかをみるときには、入れてあげようという期間。昭和36年4月から昭和61年3月までのサラリーマンの配偶者の期間や、海外にすんでいて加入していなかった期間など、いろいろあります。その期間は、年金額の計算をするときには、1円の年金にもなりません。だから、カラ期間の長い人は、年金はもらえるけれど、年金額が少なくなってしまうので、これは要注意! ●私は25年ちょうどしか、納めてないよ 年金、797,000円の「40分の25」の金額。50万円弱にしかなりません。 ●大学卒業後22歳から60歳まで働いていた場合は? 残念ながら、22歳から60歳まで38年間しかないので、1階の年金(老齢基礎年金)は満額の797,000円にはなりません。「40分の38」で、757,200円です。 ●私は国民年金の制度ができたときには30歳だったけれど
国民年金への加入は60歳まで。(60歳以降任意加入できますが) ●夏子さんと冬子さんは? ふたりは制度ができたときに23歳だったのですが、60歳まできちんと加入していたので、ふたりとも老齢基礎年金は満額です。797,000円です。 ●じゃあ、同じじゃない? なぜ、冬子さんのほうが少ないの?
答は、夏子さんの夫が会社員で、厚生年金に加入していたからです。 ●サラリーマンの妻のほうが、ここでもお得? 夏子さんも冬子さんも同じ専業主婦。夏子さんはサラリーマンと結婚したから1階の年金が多くなったのです。1階の年金が満額の797,000円以上になるのは、この振替加算がプラスされる場合のみです。 ●冬子さん、保険料のことでも怒っています
夏子さんも冬子さんも最初は自分で国民年金の保険料払っていました。でも、夏子さんは、昭和61年4月に第3号被保険者の制度ができて、サラリーマンに扶養されている妻は保険料を支払わなくても、支払ったことにしてあげるよということになってから、すぐに手続きして、それから60歳になるまで、保険料は払っていません。 ●夏子さんが離婚したら年金はどうなる?
熟年離婚も多いですが、夏子さんもそんなことを考えています。離婚したら、年金が少なくなるのではないかしらと心配です。でも、いったん夏子さんにプラスされた振替加算は、離婚したって、なくなりません。もう自分のものです。 ●ところで、夏子さんはいくらぐらい冬子さんより多いの?
1年間で、155,900円多いです。(平成15年度の金額) ……………………………………………………………………………………………
1階は満額797,000円。40年間きちんと保険料を支払ってない人は、これから減らされます。何年分支払っているか、また、免除を受けた期間がどれくらいあるかわかると、おおよその年金額、1階部分の計算はできます。 |