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知っておきたい年金のはなし    第28号 2003年12月11日発行

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街中のイルミネーションがきれいな時期になりました。
サンタクロースのプレゼントにわくわくしたのは、遠い昔の話です。
プレゼントには期待できず、自分に必要なものは自分で確保するなんて、ちょっと寂しい話です。
今日は、国民年金の第1号被保険者が、自分で2階を建てるというお話です。

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第28号 付加年金と国民年金基金
★★★ 自分で2階を建て増しする! ★★★
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厚生年金や共済年金に加入している人、つまり、第2号被保険者には、2階がありますね。そして、前回では、厚生年金基金に加入している人には、さらにその上があることをお話しました。
では、厚生年金や共済年金以外の人は? 2階がほしいと思ったら、どんなふうに準備したらいいのでしょうか。全部自分で考えなさいということなのでしょうか。国は何も考えてくれていないのでしょうか。

●付加年金を知っていますか

国民年金にだけ加入している人にも、実は2階が建てられるのです。付加年金は、国民年金の保険料を自分で支払っている第1号被保険者の、ほんとに小さな小さな2階です。
国民年金の保険料は、現在、毎月、13,300円です。付加保険料は、プラス400円です。

●小さな2階は意外にお得!

保険料は毎月400円、そして、年金をもらうときは、200円に支払った月数をかけた分。
つまり、こういう計算です。
付加保険料400円を1年間(12月分)支払ったとします。1年で4800円の保険料を払っています。65歳から老齢基礎年金をもらうときには、年額で2400円プラスされます。
つまり、元本だけで考えると、2年で「元をとれる」ということです。

●額は少ないが率はいい

2年で元本が戻ってくるなんていう、金融商品は、現在あるでしょうか。私は金融商品をくわしく知っているわけではありませんので、なんともいえませんが、2年で元がとれるなんていう率のよさは、めったにないでしょう。
付加年金は、金額にすると少ないですが、率にするとすばらしい! 長生きすればするほど、お得になります。
ただし、これは年金制度全般にいえることですが、「生きてもらう」ということが前提です。死んでしまったら、だめですね。

●でも、2階にしては少ないね

確かに、2階とはいえませんね。これで、金額がもっと大きければいうことないのですが。
もっと大きく2階を建て増ししたいという方には、国の制度として、国民年金基金があります。
国民年金の2階として誕生したのが、国民年金基金です。

●国民年金基金は、どんなしくみになっているの?

自分の計画にあわせて、設計できると考えてください。保険料に限度額はありますが、限度額の範囲なら、何口入るか、自分で設計できます。ただし、1口目は、終身年金を選ばなくてはなりません。80歳までの保障期間付か、保障期間なしか、どちらかを選びます。

●保障期間付とは、どういうこと?

「80歳までの保障期間付終身年金」とは、80歳までなら、いつ死んでも、80歳まで当然もらえる金額は、遺族に支給されるという意味です。保障期間なしの場合、死んでしまったら、そこでおしまい。
どちらにしても、終身ですから、自分が生きている限り、年金をもらうことができます。

●どれくらいの2階になるの?

20歳の男性が、1口づつ、全部の種類に加入したら、国民年金基金の保険料は1月、約18,000円。そして、65歳以降増える年金は、月に11万円。もちろん、ちゃんと60歳まで支払わなければなりません。
金利など考えずに、単純に計算してみれば、65歳から7年生きて年金をもらえば、元はとれるということになります。
これだけあれば、額としても、ちゃんとした2階になりそうです。屋根裏部屋でも、ネズミのすみかでもありません。

●税制上、有利です

国民年金基金の掛け金は、最高68000円までかけられます。支払った金額は、全部、社会保険料控除となるので、所得税や住民税の負担が少なくなります。(もともと所得税ゼロの人は別ですが)

●サラリーマンの配偶者は利用できません

第3号被保険者は、付加保険料も払えず、国民年金基金にも加入できません。つまり、自分で国民年金の保険料を払ってないから、公的な上乗せ制度は利用できないと、シャットアウトされているのです。
上乗せがほしかったら、「自分でみつけてきてね」ということです。

●2階を建てるなら、ちょっと覚悟を!

国民年金基金は、一度入ると、自由にやめることはできません。
「もう払うのがいやになったからやめておこう」という選択はできないのです。やめられるのは、サラリーマンになったとか、他県にひっこしたとか、一定の条件の場合です。

●国民年金を納めることが条件

本来の国民年金は免除をうけて、国民年金基金だけにお金を払うということはできません。きちんと、国民年金の保険料を支払うことが条件です。

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どんなことであってもすべての人に「ベスト」だというものはないと思います。それぞれ、みんな事情が違うし、人にとってはいいものでも、自分によっては、それほどよくないってこともありますからね。
しかし、自営業者など、国民年金に加入している人の上乗せとして、付加年金も国民年金基金も検討の価値はあると思います。ただし、国民年金基金に加入した場合は、付加保険料を支払うことができません。
自分にとってどれを利用するのが一番いいのか、よく考えてみましょう。
そのためにも「知る」ということ、大事です。

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