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知っておきたい年金のはなし    第33号 2004年2月1日発行

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風邪ひいていませんか?
1月の後半は寒かったですね。ここ福岡でも、雪が毎日降り、冬眠したいような気分でした。
ところで、加給年金については、たくさんのメールをいただきました。
加給年金特集、いつか、します。
今日は、話題をかえてみました。

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第33号 年金はあと払い
★★★ 未支給年金ってなんだ? ★★★
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和子さんは、年金をもらっているおかあさんといっしょに暮らしていました。和子さんには、兄が2人いるけれど、どちらも、おかあさんとお嫁さんの折り合いが悪く、結局、娘の和子さんがおかあさんのめんどうをみていました。
ヘルパーさんにきてもらいながら、痴呆のすすんだおかあさんの介護をしていましたが、昨年12月末、急におかあさんは亡くなりました。
年金をもらっていたので、社会保険事務所にどういう手続きをしたらよいか電話してみました。すると、死亡届を出すと当時に、「未支給年金」の請求もしてくださいとのこと。どういうことなのか、よくわかりませんでした。
それに、兄2人に黙って自分がもらっていいものかと気になりました。おかあさんの残したわずかな財産をめぐって、もめているときです。
では、「未支給年金」とはなんでしょう。

●年金は後払い

和子さんのおかあさんは、少ないけれど、老齢厚生年金と老齢基礎年金をもらっていました。昨年の12月15日に銀行口座に振り込まれた年金は、10月分と11月分です。
年金は偶数月に、それぞれの前月までの2ヵ月分が振り込まれます。
つまり、後払いなのですね。

●年金はいつの分までもらえるの?

和子さんのおかあさんは12月の末に亡くなりました。年金は亡くなった月まで、つまり12月分までもらえます。
ということは、ご本人は亡くなってしまったけれど、12月分の年金は当然もらえるはずのものでした。

●未支給の年金がある

年金は後払いなので、このような場合、必ず、まだもらっていない年金が残ります。これを「未支給年金」というのです。「未支給年金」という名前の年金があるのではなく、本来国が支払うはずの年金が「まだ支給されずに残っています」ということなのです。

●亡くなった人は、もう、もらえない

和子さんのおかあさんは12月分の年金をもらう権利があるのですが、すでに亡くなった人には、年金は支給されません。なぜなら、その人は、もうこの世にいないからです。
どう考えても、あの世の人は、受け取れませんよね。

●では、誰がもらうの?

未支給になった年金は、残された遺族がもらいます。誰でもいいわけではありません。条件があります。
未支給の年金を請求できるのは、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。そして、「生計同一」という条件がつきます。どういうことかと簡単にいうと、「同じサイフで暮らしていた人」。

●おにいさんたちはどうなるの?

未支給の年金を請求できるのは、この場合は、和子さんになります。おにいさんたちは、おかあさんに対してお金を送っていたわけではありませんでした。冷たいというわけではなく、一番上のおにいさんは、自営業で資金繰りが大変だったし、2番目のお兄さんは、子どもの教育費でまったくゆとりがありませんでした。
和子さんがめんどうもみていたし、おかあさんの生活費も出していたので、この場合は、和子さん自身が年金を請求することになります。

●どうやって手続きするの?

和子さんの名前で未支給年金の請求書を出します。振込み口座も和子さんの口座。
おかあさんのかわりにもらうのではなくて、和子さん自身がもらうのです。

●亡くなった人の口座に年金が振り込まれてしまったら?

和子さんのおかあさんの場合は、12月末に亡くなったので、すぐに、手続きすればいいのですが、例えば2月はじめに亡くなったような場合。2月15日に振り込まれる年金は、手続きがまにあわなくて、亡くなった人の口座に振り込まれてしまうこともありますね。
そのときは、社会保険事務所で相談を。
死亡届をずっと出ざすに、数回振り込まれてしまっても、「ほんとはもらえない年金だった」とあとで必ずわかるので、余分に振り込まれた分は、返すことになります。

●原則として勝手にお金は引き出せません

死亡した人の口座から、相続人のひとりが勝手にお金を引き出したり、口座を解約したりすることはできません。
あわててお葬式代を出したなんていう話も聞きますが、法定相続人の印鑑がないと、お金は出せないことになっているはず。(すべての銀行の対応を知っているわけではありませんので、一般的な話です)
だから、未支給年金がある場合は、きちんと手続きして、未支給年金がもらえる人の口座に振り込まれるようにするのがいいでしょう。

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「黙っていたら得をする」ということはないのが、年金のしくみ。
死亡届を出さずに、そのまま死亡したことがわからなければ、年金は振り込まれてしまいます。
(生きていますよという現況届は毎年1回出すことになっていますので、それから提出されない場合は、年金の振込みはストップされますが)
でも、まちがって支給された年金は必ず返すことになります。「使ってしまったのでもうないよ」といっても、そのままにはなりません。
何かあればまず手続き、これが年金の基本でしょう。
ただ、「未支給の年金」があるなんて、なかなか気がつかないことです。「遺族」の立場にならないと、わからないかもしれません。
(未支給年金請求書と死亡届は、セットになっています)

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