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知っておきたい年金のはなし    第35号 2004年2月21日発行

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2月10日に年金改革関連法案が閣議決定されました。「社会経済と調和した持続可能は制度の構築と制度に対する信頼の確保」「生き方、働き方の多様化に対応した制度の構築」と、とてもきれいな言葉ですが、保険料の引き上げと給付水準の引き下げが中心です。これで、年金制度への信頼が確保できるとは思えません。 概要については、HPに掲載しています。詳細については、わかりしだいお伝えしたいと思います。
さて、今日は、国民年金の任意加入のお話をしましょう。

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第35号 老齢基礎年金を満額もらうための方法
★★★ 任意加入はお得? ★★★
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「20歳になったら国民年金」というポスターをみかけたことがありました。
国民年金への加入は20歳から60歳になるまで。
一郎さんは若いころから実家の店を手伝ってきました。現在は個人事業主。ずっと国民年金です。国民年金の保険料を支払いだしたのは、25歳のときからで、現在59歳。自分の年金額を調べてみました。
70万円にも満たない年金でした。保険料を5年分支払っていないので、その分年金が少なくなっているという説明がありました。60歳以降任意加入して年金を増やすことができるという説明もありました。
でも、一郎さんには、よくわかりませんでした。任意加入というのは、どういうことなのか、加入したほうがいいのか、しなくてもいいのか、どうすればいいのでしょうか。

●老齢基礎年金は40年間保険料を支払って満額になる

これはとても勘違いの多いところです。25年の年金への加入で「年金をもらえる権利」はできます。しかし、老齢基礎年金を満額もらうのには、40年間、1月も欠けることなく、保険料を支払っていなければなりません。
ただし、25年や40年というのは、原則です。生年月日やその他の条件によって、期間が短縮されるなど、違いがありますので、必ず自分はどうなのかを確認します。ここでは原則でお話します。

●1月でも欠けると

満額の老齢基礎年金は現在797,000円。480月でこの金額。1月あたりは約1660円。1月でもかけると、1660円少ない年金額になってしまいます。
詳しくはメルマガ第12号をごらんください。

●一郎さんの場合は

35年しか保険料を納めていませんので、約70万円弱の年金。

●満額の年金に近づける方法

これが60歳以降の国民年金に任意加入という方法です。 国民年金は60歳になればおわり。正確に言うと、誕生日の前日が属する前月までとなります。例えば今年の4月1日に60歳の誕生日をむかえる人は、誕生日の前日が3月31日となるので、2月までが国民年金の加入期間となります。
それ以降は強制ではありませんが、年金額を増やすために、自分の意志で国民年金の保険料を支払えるというしくみです。

●65歳までの5年間

一郎さんはあと5年です。
60歳から65歳になるまで、5年間国民年金の保険料を納めたら、あわせて40年。満額の老齢基礎年金をもらうことができます。

●年金額をふやすための任意加入は65歳になるときまで

年金をもらう権利がない人は、70歳まで加入できますが、すでに年金をもらう権利があって、年金額を増やしたいための加入は65歳になるまで。そこでストップです。

●任意加入したほうがいいの?

一郎さんが60歳から65歳になるまでちょうど5年間任意加入したとしましょう。
保険料のアップが年金制度改革案に入っていますが、計算が大変なので、アップは考えないものとして、13,300円の保険料を5年間支払うことにします。
5年で約80万円近い保険料を払います。そして、ふえる年金は、約10万円。
保険料のアップや給付水準の引き下げを考えないとすると、単純に計算して、元をとるのには、8年かかります。
つまり、65歳からもらいはじめ、73歳までもらってはじめて元が取れる、それより長生きしたら、どんどんプラスになっていくというしくみです。
さて、一郎さんはどうすると思いますか。

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わからないのが人の寿命。
任意加入したほうがいいのかどうかということは、結果としてしか言えません。
誰にも自分の寿命はわからないですものね。
長生きしたら、任意加入しておいてよかったなと思うでしょう。
でも、元を取る前に亡くなってしまうことだったあるのです。子どもはすでに独立し、妻も妻自身の老齢基礎年金をもらっていると考えると、遺族給付には関係ないし、何も得することはありません。
どちらを選ぶか、それは自分の選択です。
私は思うのですよ。年金は長生きにそなえるものだと。長生きもリスクなのです。
今の日本の社会で長生きするということは、それだけお金もかかるということです。老後のめんどうを国がみてくれるわけではありません。医療費も必要、介護保険だって一割負担。賃金の引き下げや残業代のカットなど、きびしい条件で働く子どもたちに、金銭的援助も求められないことのほうが多いでしょう。
そんな社会だから、長生きしたときのためにと考えることが必要です。絶対に長生きしないという人、他にお金は充分あるという人は別でしょうけれど。

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