★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第37号 2004年3月11日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 「知っておきたい年金のはなし」配信を続けてちょうど1年。 読者のみなさま、どうもありがとうございます! 相談や励ましのメールがうれしくて、だからこそ、1月3回、休まずに続けてこられたのだと思います。 オールアバウトジャパンの「スーパーおすすめサイト2004」のメルマガ部門に、この「知っておきたい年金のはなし」が入ったことも、1年目の私にとってはうれしいことでした。(よかったら投票もしてみてください) くわしくは、こちらをどうぞ→ http://allabout.co.jp/super/ また、ウィークリーまぐまぐ[総合版] 2004/03/03 号に「おすすめメルマガ」として紹介されています。 1年後は「殿堂入り」をめざします! 殿堂入りとは→ http://www.mag2.com/ さて、今回は、前回に続いて年金制度改革案(国会に出された政府案)についてです。前回お話しなかったことをお話しましょう。 何回も言いますが、これは決定ではありません。今から国会で審議されます。今後の審議でどうなるか、注目したいですね。 …………………………………………………………………………………………… 第37号 政府案の内容は?(その2) ★★★ これから年金をもらう世代にとって ★★★ …………………………………………………………………………………………… 美津子さんは共働きの会社員。子育てをしながら、仕事を続けています。2月1日に40歳になりました。 2月の給与明細をみてびっくり。1月分の給料から「介護保険料」が引かれていたのです。 「私の誕生日は2月1日よ。どうして、1月分から引かれるの?」 と聞いてこられました。 法律上満年齢になるのは、誕生日の前日。2月1日に40歳の誕生日を迎えた美津子さんは1月31日に満40歳になったのです。だから、1月分から介護保険料を支払うことになります。 美津子さんには付け加えて説明しました。 「今年の3月分から、つまり4月にもらう給料から、介護保険料が上がります」 美津子さんはまた聞かれました。 「厚生年金の保険料も上がるのではないですか」 そうです、今回の年金制度改革案では、厚生年金の保険料もだんだん上がることになっています。 まだ年金をもらっていない若い世代にとっても、今回の改革で、目の前の負担がせまっています。一番影響を受けるのは、若い世代なのです。保険料を支払っても、今もらっている人たちより、「年金額を少なくするよ」という案なのですから。 ●厚生年金の保険料は毎年上がる 現在の厚生年金の保険料は13.58%。 30万円の給料(標準報酬月額)なら、厚生年金の保険料は40740円。 それを会社と働いている人が半分ずつ負担するので、給料から引かれるのは、20370円。 今年の10月から毎年0.354%ずつ保険料を上げるという案です。 ●どのくらい負担が増えるの? 30万円の給料で計算すると、1062円の増加。働いている人の負担はその半分だから531円。これが毎月。そして、ボーナスからも引かれます。 ●最終的には18.3% 厚生年金の保険料が18.3%まで上がった場合、30万円の給料の人で考えると、現在40740円の保険料が54900円にもなるのです。 毎年少しずつとはいいながら、最終的にはこんなにも増えます。 ●国民年金の人は280円ずつのアップ 現在13,300円の保険料が来年の4月以降、280円アップします。 13,300円でも高いといわれている保険料。収入の多い人にとってはなんでもないかもしれませんが、手取りが少ない人にとっては苦しい金額。アルバイトしている若い世代からは「とても払えないよ」という声がよく聞かれます。 ●どこまで上がる保険料? 毎年280円ずつ上がっていく国民年金保険料は16900円でストップということになっています。 (影の声…ほんとにストップするのかな?そのころになったらまた変わらない?) ●ほんとにもらえるの? 老後の年金 もらえる年金が現役世代の50%を下回らないようにするというのは、あくまでも、モデル年金での話。(くわしいことはメルマガ34号をみてください) 共働きや独身世帯では、50%には達しません。30%〜40%台になってしまうでしょう。 きちんと保険料を支払っていれば、全くもらえないことはありません。でも、もらえる金額が問題ですね。 ●ポイント制ってなんだ? 最近どこのお店でもポイントカード、ありますね。利用すればポイントがたまっていくというカード。 あのイメージですね。保険料の納付状況をポイントで表して、たまったポイントによって年金額を計算できるようなしくみです。 お店のポイントカードと違うところは、ポイントは「自分の年金の状況がわかるようにするためにもの」で、「お得なポイント」ではないということです。お店のポイントカードは、たまったポイントで商品の購入ができたり、特典がありますね。 年金のポイント制にはそういうことはありません。 ●国民年金保険料をきびしく徴収! 国民年金の保険料を納めていない人が約4割。そんな状況です。 そこで、しっかり保険料を納めてもらおうと、よりきびしい督促の方法が考えられています。電話や郵便での督促や、各家庭への訪問などです。あなたのところにも、現れるようになるかもしれませんよ。 ●国民年金の保険料を納めるのが大変な人へ 現在、国民年金の保険料の免除は2種類。全額免除と半額免除。この2種類しかない免除制度を、所得によって種類を増やすということです。 少しでも保険料を納めてもらおうというのが、心のうちでしょう。 ●障害年金をもらいながら働いている人 障害基礎年金や障害厚生年金をもらいながら会社に勤めている人も、厚生年金に加入しなければなりません。その人が、60歳以降老齢厚生年金の権利が発生したらどうなるか。 障害による年金と老後の年金、ふたつはもらえません。どちらかを選択します。 たとえば障害基礎年金をもらっている人が老齢厚生年金をもらえるようになっても、どちらかを選択。障害基礎年金が多いなら、自分で働いて支払った老齢厚生年金部分は「掛け捨て」になってしまいます。 そういったことをなくすために、障害基礎年金と老齢厚生年金の組み合わせでも年金がもらえるようにしようという内容です。 …………………………………………………………………………………………… どんどん負担はふえて給付の減る年金制度。 こんな話をしたら、もう払いたくない! 加入しなくてもいいのではないかという気持ちになるでしょうね。 でも、私は、年金は、生活設計の土台になるものだと思います。セカンドライフ(老後の生活)を考えるとき、やっぱり生きているかぎりもらえる年金は魅力です。障害の状態になったときのこと、死亡したときのこと、特に子どもがまだ小さい方はしっかり保険料を払う必要があります。遺族年金は、もらうようになるとありがたいものなのです。 制度が悪くなるから加入しない、払わないというのではなく、年金制度がどうすればほんとに安心して暮らしていける生活のベースになるのか、もっとみんなで考えましょう。そして声を出すことだと思います。 こんなふうになっては困るよ、もっとこうしたらいいのではないかと、難しいことはわからなくたって、毎日の生活で感じることを出せばいいのです。 そんな声が、改悪ではなく、改正につながっていくのだと、私は思っています。 …………………………………………………………………………………………… ★ 1周年によせて ★ 昨年の2月、福岡で活動中のファイナンシャルプランナー、陣内恭子さんが主催するオフィスJの交流会に参加しました。 そこで、熊本在住の中小企業診断士、北岡敏郎さんと出会いました。はじめてお会いしたのですが、「菅野さん、メルマガ出してみたら。まぐまぐで簡単に発行できますよ」とのアドバイス。 それがこのメルマガのきっかけでした。 メルマガ発行のためには、紹介用のHPが必要でした。それは簡単にできました。すでにHPを立ち上げていたので、追加の1ページは問題なくできました。 「どのようにしてHPを作っていますか」という質問をよくされますが、私のHP立ち上げにあたって、知識ゼロの私に、一から指導して下さったのが、Webデザイナーの貞好健志さんです。 そういう出会いがなければ、この3月、メルマガ1周年はなかったと思います。 そして何よりも、読者のみなさまからのたくさんのメールに励まされました。 みなさまに支えていただいての1年でした。感謝とお礼を申しあげます。 若い頃の私がめざした夢は、社会保険労務士でもファイナンシャルプランナーでもなく、「作家」。いずれは芥川賞・直木賞だと、小説を書いて投稿していた一時期もありました。同人誌にいくつもの作品を発表しました。 その夢はまだどこかで暖めていますが、このメルマガを書くことで、私の夢を違った形で実現させているように思います。 これからも、おつきあいください。どうぞ、よろしくお願いします。 …………………………………………………………………………………………… ■□■ おすすめコーナー ■□■ 「1周年に寄せて」で登場された3人の方のHPをご紹介します。 ★ 陣内恭子さん オフィスJ http://www.officej.jp/ 毎日更新の日記を楽しみに読んでいます。「子どもの金銭教育」に関心のある方はぜひごらん下さい。 ★ 北岡敏郎さん 北岡事務所 http://www.small-kigyou.com/index.html メルマガ「起業コンサルタントのネタ帳」では、なるほどと思うネタが毎回登場。 起業を考えている方、はじめた方へおすすめ。 ★ 貞好健志さん 釣りと魚と料理のページ http://home.highway.ne.jp/bird/ 現在更新はお休みですが、とてもおしゃれなページで、私の目標です。 |