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知っておきたい年金のはなし    第39号 2004年4月1日発行

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私の街では桜がきれいに咲いています。今度の土日は、お花見でにぎわうことでしょう。
ところで、女優の江角マキコさんが国民年金の保険料を滞納していたということが話題になっています。週刊誌にも「許せない」という感じで、大きく取り上げられていました。
今日は、この話題をさぐっていきます。

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第39号 最近の話題から
★★★ 国民年金保険料を滞納すれば・・・ ★★★
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江角マキコさんは、国民年金保険料の納付をよびかけるポスターに登場しています。その江角さんが、実は、国民年金の保険料を滞納していたとわかって、問題になりました。保険料を納めましょうと呼びかけている本人が納めていなかったなんて、やはり、おかしな話です。
江角さんは、過去2年分の保険料を納めた報道されています。
「過去2年分の保険料を納付」
ここを読んだとき、私は思いました。江角さんは、きっと2年以上保険料を滞納していだんだと。
そんなことがみえてくるのです。さて、どうしてでしょう?

●国民年金はいつまでに支払うの?

国民年金は、翌月の末日までに支払うことになっています。
つまり、4月分なら5月の末が納付期限です。口座振替を利用していれば、忘れる心配はありませんが、納付書でおさめている場合は、うっかり忘れてしまうこともありますね。

●期限までに納めることができなかったら?

納付期限までに納めるということは当然のことですが、納付期限がすぎても納められないということではありません。2年間にかぎって、納めていなかった保険料を納めることができるのです。

●5年ほど支払っていないけれど

過去にさかのぼって保険料を納めることができるのは、2年分です。5年のうち2年間については保険料を支払えるけれど、それ以前の3年については、「お金があるから支払いたいよ」といっても、支払うことはできません。
●江角さんの場合

過去2年間について保険料を支払ったということは、2年以上滞納があったかもしれないということです。
ちょうどぴったり2年間滞納していたのかもしれません。しかし、2年以上滞納していても、2年分しか納めることができないのです。
これを知らないでみると、2年間滞納していて、全部納めたようにみえるけれど、 まだまだ滞納期間がたくさんある場合も考えられます。

●国民年金の保険料を支払うのが大変なときは

黙ってそのままにしておくのが、一番あぶない!
認められるかどうかはわかりませんが、保険料免除という制度があります。

●全額免除と半額免除

申請免除にはこのふたつがあります。
全額免除は、その名のとおり、国民年金の保険料が全部免除されます。半額免除では、半分だけ保険料を支払えばいいことになっています。

●免除を受けたら何かいいことがあるの?

老後の年金をもらうのに、原則25年(生年月日によっては25年なくても可)という期間が必要です。年金をもらえるかどうかを判断するときに、免除期間は有効です。
また、老齢基礎年金を計算するときに、全額免除は3分の1、半額免除は3分の2、保険料を納めたものとして、計算してくれます。
●免除の基準


免除になるかどうかは、収入やその他の条件によって判定されます。 江角さんのように、たくさん収入のある人は、免除にはなりませんが、仕事がなくて大変とか、収入が減って困っているという場合は、とにかく相談してみましょう。
相談先は、住民票のある市区町村役場の国民年金課です。

●あとで納めるのもOK

免除が認められた期間は、あとで、保険料を納めることもできます。
この場合は、10年の間に納めればいいことになっています。
ただし、2年以上前の保険料は、当時の金額ではありません。
これは、「あとで納めなければならない」ということではありません。
「年金は多い方がいい、お金もできたし、支払っておこう」という場合に、10年に限って、納めることができるというしくみです。

●年金改革で

この免除制度についても、年金改革案では、改定される予定です。現在は全額免除と半額免除の2段階しかありませんが、この段階を増やすというものです。
具体的には4分の3免除、4分の1免除を導入するという案です。

●これだけは

一番よくないのが、支払えないからといって、何もしないこと。免除の申請をしても、結果として認められない場合もありますが、できるかどうか、やってみましょう。
他のことは忘れても、これだけは心にとめておいてくださいね。

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江角さんの話で、私がほんとに気になったのは、保険料滞納のことではありません。
ニュースには、こう書いてありました。
「広告は黄金週間のある昨年11月にテレビコマーシャルのほか、新聞や雑誌などにも掲載。広告費約6億2千万円は、国民年金保険料から賄われた」
6億円以上のお金が、国民年金の保険料から?
保険料の使い道で気になることはこれまでもありましたが、6億あれば、何人分の保険料になるでしょう。 1人1年で約16万円の保険料。ざっと計算すると、4000人以上の1年分の保険料を使ってしまったことになります。
今年の4月から老齢基礎年金をはじめとして、年金額が下がります。老齢基礎年金の満額は794,500円。現在よりも、2500円下がります。
財政が厳しいというけれど、こんなことがわかると、不信感がつのりますね。

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メルマガ第36号で、年金分割のお話をしました。
その中で「妻が働いて厚生年金に加入していた場合、その間妻の給料が少なくて、夫婦の年金額に差があっても、妻が第2号被保険者であった期間は、分割の対象にはなりません」と書きました。
年金分割については、第3号被保険者期間が対象ですが、離婚時に限っては、第2号被保険者期間も分割の対象にするという案になっていました。夫と妻の給与に差があるときは、その差が年金分割の対象になるという案です。夫の年金を半分もらえるということではありませんし、給与に差がない厚生年金加入の共働きの場合は、事実上は分割でもらえないと考えてください。
しかし、これは、まだ決まったことではありませんし、今後どうなるかはわかりません。現在国会に提出されている案ではそうなっていて、36号でお話した内容は不十分で、申し訳ありませんでした。
法案決定後、くわしくお伝えしたいと思います。
共済年金はどうなるのかというご質問もよくありますが、現在の段階では、情報が入っていませんので、なんとも言えません。

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