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知っておきたい年金のはなし    第43号 2004年5月11日発行

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最近、議員年金のことが、話題になっていますね。
閣僚の未納問題から、辞職にまで発展しました。議員年金ってなんだろうと、普段気にしなかったこと、気になってきました。
遺族年金の続きは後回しにして、議員年金にせまってみましょう。

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第43号 議員年金ってどんなもの?
★★★ 国会議員も国民年金に入るの? ★★★
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国民年金を滞納していた言い訳をまず、聞いてみましょうね。
私が直接インタビューしたわけではないのですが、新聞などの報道からです。
「手続きミス」
「共済組合加入で不要と勘違いした」
「制度が複雑でわかいにくい」
自覚がなく悪かったという反省の言葉もありますが、だんだん問題になるにつれて、制度が複雑だからしかたなかったというふうに「言い訳」しているように聞こえました。
新聞をみていても、未納を問題にしているけれど、複雑な制度に問題点があるというふうに、彼らをかばっているような表現もみえました。
さて、これはどういうことなのでしょう。

●議員といっても

国会議員と、市会議員や町会議員などの地方議会議員とは、年金においても異なります。
国会議員の年金は、地方議会議員とは別なのです。

●地方議会議員は

地方公務員共済組合法に基づく年金です。
公的年金には、国民年金、厚生年金、共済年金がありましたね。
そのひとつ、共済年金なのです。

●国会議員の年金は?

これは、「国会議員互助年金法」で定められたものです。
そんなこと、言ってもわからないよといわれそうですね。
つまり、地方議会議員とは違って、公務員の共済年金ではないのです。
公的年金とは別の制度として存在しています。
退職金制度という意味合いもあります。

●国民年金に加入

未納のひとり、福田康夫氏の言葉としてこんなふうに報道されていました。
「共済年金に保険料が天引きされているため、国民年金に加入する必要はないという思い違いだった」
ここでいう「共済年金」とは、「国家公務員互助年金」のことで、公務員が加入する共済年金のことではありません。
国民年金への加入が必要だったのです。

●国会議員の年金、お金を出すのは?


でも、互助年金といっても、国もお金を出しているのです。
議員年金の掛け金の扱いは国の一般会計。年金給付は総務省の「恩給費」から支出されています。

●議員年金は有利なの?

在職10年で年金をもらう権利ができます。
10年以内で国会議員をやめてしまった場合は、在職3年以上であれば、掛け金の8割が戻ってきます。
国民年金は、年金をもらう権利ができなかったといって、もどってくることなんてありません。まして、10年では、年金をもらえませんよね。

● ずばり、年金額はどうなっているの? ある試算では、小泉さんが今引退したら、もらえる年金額は月額48万円とありました。 10年在職で412万円。在職1年ごとに約8万2千円ずつ増額となっています。 確かに、保険料も月額10万円以上は支払っていますけれどね。 ●廃止という声も

国会議員には「廃止」を唱える人もいます。
公的年金の上乗せということなら、国民年金基金に加入してもいいわけですから、必要ないという意見もあります。
しかし、互助年金は廃止にして、かわりに多額の退職金制度を作るということになると、目先の批判をかわしただけということになります。
しっかりみておきたいところです。

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複雑でわかりにくいから勘違いしたといわれていますが、私にもどうしてもわからないことがあるのです。
ある人は、厚生年金の資格を喪失したあと、共済年金に加入したと勘違いしていたと言っていました。しかし、厚生年金の資格を喪失すれば国民年金に加入となるので、そのうち、国民年金の納付書が届いたはずです。それでも納めなかったら、何度か、催促の文書が届くはずです。
それをみていなかったのでしょうか。
勘違いしていても、納付書がきたら、気がついてもよさそうなものですね。
まあ、それだけ、関心がなかったということでしょう。 他でたくさんの年金が入るのであれば、国民年金は、たいした金額ではないのでしょう。私も含めて、一般庶民にとっては、老後の生活に重要な年金なのですけれど。
それにしても、ある特別の仕事に就いている人だけ年金の割増しがある、それが公平なのか、不公平なのか、もっと論議がいるでしょう。

参考までに
【国会法】 
第36条  議員は、別に定めるところにより、退職金を受けることができる。
【国会議員互助年金法】
(互助年金等) 第1条  この法律は、互助の精神に則り、国会議員の退職により受ける年金等に関して、国会法 (昭和二十二年法律第七十九号)第三十六条 の規定に基き定めるものとする。

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