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知っておきたい年金のはなし    第49号 2004年7月11日発行

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今日は、まず、お知らせです。
このメールマガジン、「知っておきたい年金のはなし」が本になります。

女性に贈るみわ子さんの年金絵本
「年金、もっと知りたいな」

発行は、(株)ビーケーシー 発売は7月末予定です。
もちろん、男性にも、ぜひ、読んでいただきたい本です。
イラストが入っていて、絵本のように、やさしく、誰にでも読めます。
全国の書店で注文できますので、今、しばらく、お待ちください。
(HP「女性のための年金相談室」からも注文できます)
私の本、もうすぐ町の本屋さんに並びますが、本屋さんには、実にたくさんの年金の本がありますね。
そのタイトルをみると、特徴があります。
「年金で得する」「年金で損をしない」「わかりやすい」
ところで、年金で得をする方法とは、あるのでしょうか。
損をしないための方法はどうでしょうか。

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第49号 年金で得をする・損しない
★★★ そのための方法は? ★★★
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鮎子さん、63歳になりました。
結婚するまでの3年間、小学校の教師をしていました。
その後、しばらく働いていませんでしたが、子どもが大きくなって、会社に勤めました。
そして20年、定年になりました。
女性は60歳から年金が全部もらえるよと教えてもらったので、社会保険事務所で手続きをしました。そのときは、教師として働いていた期間のことなど、とりたてて考えもしませんでした。
最近「もらい忘れの年金」の話を聞いて、昔の教師時代に加入していた期間はどうなっているのだろうと思いました。
鮎子さんは、社会保険事務所では手続きをしていましたが、共済組合には手続きをしていませんでした。
しかし、鮎子さんは、退職共済年金と老齢厚生年金と両方もらえる人です。
鮎子さんは、共済組合で年金の手続きをすることによって、昔加入していた共済年金をもらえるのです。
もし、このまま手続きをしなかったら、損をするところでした。

●年金は手続きしないともらえません

年金は黙っていてはもらえません。自分で手続きをしなければなりません。
60歳になったら、自動的に年金が振り込まれるものではありません。

●鮎子さんは厚生年金と共済年金、両方手続きなの?

そうなのです。社会保険事務所に手続きしても、共済組合の分まではしてくれません。

●忘れていると損するね!

このもらい忘れは「年金で損をする」の一番多い例。
年金で損をしないためには、きちんと手続きをするということです。

●でも気がつかないこともあるかもしれないね

「損をしない」ために、一番大切なことは、「知る」、そして「気がつく」ということでしょう。
●「もらい忘れ」には、他にどんなことがあるの?

厚生年金基金に加入していた場合も、よくある「もらい忘れ」の例です。
これも、社会保険事務所での手続きだけではだめです。厚生年金基金にも手続きが必要です。
手続きしないと、その分もらえず、損してしまいますよ。

●では、年金で得する方法は?

う〜ん、これがむずかしい!
あたりまえだけれど、一番大切なことは、「長生き」すること。
長生きしないと、年金では得しません。
年金を早くもらったほうがいいか、遅くもらったほうがいいか、よく質問されますが、何歳まで生きるかが問題です。

●年金額を増やす方法

少ない年金額を少しでも増やすための方法はあります。
1階の老齢年金を満額もらえない人は、60歳をすぎても、自分で加入するとか、また、老齢基礎年金を66歳以降に繰下げてもらうなどです。

●人の寿命はわからない

計算上、お得な方法だと思っても、死んでしまえば、そこでおしまい。
老齢基礎年金を増やすために70歳になってからもらおうと、待っていて、
もらいはじめて数ヵ月で死亡すれば、実際に手にした年金総額は少ないものになってしまいます。
でも、先のことは誰にもわからないし、結果でしかないのです。

●じゃあ、どうすればいいの?

長きもリスクと考えます。
長生きしたときに、どう困らないようにするか、そう考えて準備したいものです。

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年金で得できるかどうか、それは、人生の最後にならないとわかりません。
しかし、少なくとも、もらえる年金をもらわずに、損をしたくありません。
年金で損をしないためには、「正しく知る」「きちんと手続き」これにつきると思うのです。
これは鮎子さんの友人の話。ずっと教師を続け、退職後、民間の会社に勤めた人が、年金の手続きに行ったときのことです。
社会保険事務所の年金相談手続きコーナーは、たくさんの人。2時間待ちました。やっと順番がまわってきたと思うと、この窓口ではありませんと、他の窓口を教えられました。
そして、そこで待つこと30分。また言われました。「ここではありません」
さっき2時間待ったところでよかったのです。
しかたないので、そこへ行くと、
「もう4時半です。今日の受付は終わりました。明日来てください」
日頃、おとなしい人も、さすがに怒りました。
すると他の人が出てきて、さっと手続きしてくれました。
確かに、年金受付窓口は、場所によっては長い待ち時間です。
そうあることではないと思いますが、こんな目にあうと、いやになってしまいますね。
でも、やっぱり、面倒でも、大変でも、手続きしないと、年金はもらえません。