★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第81号 2005年6月11日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ ?年前のことになりますが、子どもが保育園に通っていたころ、子育てしながら仕事をするということは、やはり大変でした。仕事が忙しいときに子どもが熱を出したらどうしようと、はらはらしたものでした。 当時は、育児休業もない時代で、看護休暇なんていうものは夢のような話でした。 そのころに比べると、今は、子育てしながら働くことを応援するしくみができたと思います。 育児休業も条件つきですが、1歳6ヵ月までとなりましたし、子どもの病気やケガで、看護休暇も取得できるようになりました。 そして年金のしくみも、子育てしながら働く人を応援するようになっています。 今年の4月からさらに有利なしくみがスタートしましたが、実はとても複雑です。手続き忘れで損をしないように注意したいものです。 …………………………………………………………………………………………… 第81号 育児休業と年金 ★★★ 子育てを応援するよ! ★★★ …………………………………………………………………………………………… 恵子さんは産前休暇に入ってほっと一息つきました。 妊娠中の恵子さんに、まわりの人たちはよくしてくれたのですが、大きなお腹で大変な毎日でした。 恵子さんは育児休業を取るつもりです。初めての子育てに不安もあるし、せっかく利用できるしくみなので、利用したいと思っています。 復帰後も、近所に子どもの世話を頼める人はいないし、保育園だけが頼りなので、残業はできないなあと思います。子どもが3歳になるまでは勤務時間を短くできるというしくみが会社にはあるので、その制度を利用して働きたいと思っています。 今年の4月から、子どもが1歳6ヵ月になるまで育児休業を取れるようになったと聞きました。恵子さんは、私も1歳半まで育児休業できるのだろうかと、ふと考えました。 また、恵子さんは、育児休業後、勤務時間が短くなって給料が少なくなっても年金では損をしないようなしくみになったということも聞きました。私にもあてはまるのかしらと思いました。 さて、どのように変わったのでしょうか。 ●育児休業は1歳6ヵ月まで 今年の4月から、育児休業期間は1歳6ヵ月まで可能となりましたが、1歳以降は条件付きです。保育所に空きがなくて入れないとか、配偶者が病気になったりして育児できないとか、そんな事情のある場合、育児休業は1歳6ヵ月まで認められます。 もちろん、会社の就業規則で、無条件に1歳6ヵ月までと定めることには問題ありません。 ●育児休業中は社会保険料免除 育児休業を取っている人に、会社は給料を出す必要はありません。無給で問題ありません。 しかし、無給なのに社会保険料(健康保険・厚生年金・該当者は介護保険)を負担するのは大変ですね。 そこで、育児休業中の社会保険料は、本人負担分も会社負担分もどちらも免除ということになっています。2005年4月から、その免除の期間が、1歳から3歳までへと延長されることになりました。 ●3年間育児休業を取ったら、その間保険料を払わなくてもいいの? そうです。ただし、3年間も育児休業できるかどうか、そのほうが問題ですね。 3歳まで育児休業を認めなさいという法律ではありませんから。 ●保険料を払わない期間については、将来もらう年金はどうなるの? 払ったものとして計算されます。不利益にはなりません。 ●育児休業後、時間を短くして働く予定だけれど・・・ 時間を短くしたら、給料も減りますね。 しかし、それでも不利益にならないように、年金は、育児休業前の高い標準報酬で保険料を納めたものとして、計算されます。「標準報酬月額の特例」です。 ●育児休業前の標準報酬は20万円で、休業後は16万円の場合 実際には納めるのは16万円の給料に対する保険料だけれど、年金の計算は20万円に対して保険料が納められていたものとして計算されます。 ●これはお得ですね 子育てを応援するということです。これ以上子どもが減っていくと困るので、年金というしくみで子育てを支援するのです。 ●夫はどうなる? 夫も時短とまではいかないけれど、保育園のお迎えを分担するので、残業を少なくして早く帰るということもあります。残業代が減ると、夫の給料も少なくなりますね。 このように、夫婦とも育児のために給料が少なくなるという場合は、夫婦ともこの特例を利用することができます。 ●「妻が専業主婦」という夫は? 夫も子育てをしているのなら、特例に該当します。 …………………………………………………………………………………………… 恵子さんの同僚の美子さんは、一足先に育児休業をとりました。現在、子どもは1歳と6ヵ月。美子さんも育児時短のしくみを利用して、1時間早く帰っています。 給料は1時間分少ない計算です。 美子さんは、「これから育児休業する人はいいなあ」とうらやましがっています。 しかし、美子さんも「標準報酬月額の特例」の対象となります。 すでに、育児休業を終わっている人であっても、子どもが3歳未満ならこの特例の申出をすることができます。 この特例を申し出ても、保険料が変わるわけではないので、実感がわかないと思いますが、将来受け取る年金は増えますので、該当する人は必ず手続きしてください。 会社を通じて手続きしますので、会社の人事担当者にも知っておいてほしいことです。 教えてくれなかったので、年金が少なくなったと、あとでうらまれないように! …………………………………………………………………………………………… ■□■ おすすめコーナー ■□■ ★ しーず・うみ 女性セミナー「女性と年金」 6月23日(木)10:30〜12:30 第1回「年金のしくみを知ろう」 7月2日(土)13:30〜15:30 第2回「年金プランはライフプラン」 会場は、福岡県粕屋郡宇美町 働く婦人の家「しーず・うみ」 ★宗像市男女共同参画推進センターゆい主催のセミナー「どうする 女性と年金」 7月15日(金) 14:00〜16:00 第1回「サラリーマンの妻と年金」 7月23日(土) 14:00〜16:00 第2回「働く女性と年金」 会場は、メイトム宗像 (福岡県宗像市) http://www.city.munakata.fukuoka.jp/sisetu/sisetu19_1.html ★福岡高齢期雇用就業支援センターの職業生活設計セミナー 老後の生活設計(ライフプラン実践編) 年金、保険、介護、相続、ローンなど、具体的に役立つお話をします 日時:7月26日(火)10:00〜12:00 会場は、福岡市博多区博多駅前 問い合わせは、092-433-1068 以上のセミナー講師は、菅野美和子が担当します。 |