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知っておきたい年金のはなし    第82号 2005年6月21日発行

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気がつけば21日。メルマガ発行日でした。
配信の時間が遅くなってしまいましたが、お休みはしません!

さて、法律が改正され、60歳定年が延長されます。(ここでは詳しい話はしませんので、ご了解ください)
考えてみれば年金の支給開始はだんだん遅くなり、60歳からもらえない人も出てくるのに、いつまでも、定年が60歳というのも変な話です。
今後は、60歳以降も働く人が増えていきます。
そういう世の中に合わせて、年金のしくみも変更されます。良くなるか、悪くなるかは別として・・・

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第82号 70歳以降も年金カットの対象に
★★★ いつまでたってももらえない社長 ★★★
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信一さんは現在67歳です。
自分で立ち上げた会社で、現役の社長です。まだまだ働くつもりです。
会社は順調に利益をあげ、信一さんの役員報酬も多いです。
そんな信一さんが悔しく思うのは、年金がもらえないこと。
65歳まではまったくもらえませんでした。65歳からは老齢基礎年金をもらっていますが、年金制度の2階に該当する老齢厚生年金は、全額支給停止になっています。
確かに、収入があるので、年金がなくても暮らしていけますが、今までずいぶん保険料を払ってきたのになあと思います。
保険料は現在の最高額で、本人負担は月に約43000円。会社負担分を入れると、86000円以上です。
年金は積立金ではないとわかっていますが、割り切れない気分です。
しかし、70歳になったら、もらえるようになると信一さんは思っています。
ところが、2007年4月以降は変わるのです。
信一さんはいつになったら年金を全部もらえるのでしょうか。

●60歳以降厚生年金に加入している人は年金カットの対象

在職老齢年金とは、働いているのなら収入があれば年金は全部必要ないというしくみです。
60歳以降、厚生年金に加入していると、年金はカットの対象になります。
詳しくはメルマガ第77号をごらんください。(バックナンバーはHPからどうぞ)

●65歳以降はしくみが変わる

65歳以降も厚生年金に加入していると年金はカットの対象になります。
しかし、計算式は65歳未満とはまた別です。
どんなに給料(報酬)が多くても、老齢基礎年金と経過的加算はもらうことができます。
経過的加算とは、65歳で1階の年金の計算式が変わるので、その差額分だと考えてください。

●年金カットは70歳まで

70歳になれば、どんなに給料が多くても、年金カットのしくみはそこで終わり。
70歳以降は年金を全額もらうことができます。ただし、今だけの話です。

●2007年4月以降は?

70歳以降も65歳以降と同じように、年金がカットされるようになります。
信一さんが70歳になるときには、すでにこのしくみが始まっています。
このまま報酬が多いと、引き続きもらえません。

●いつになったらもらえるの?

会社を辞めるときです。非常勤になるなど、厚生年金に入らなくてよくなったときです。現役の社長をリタイアしない限り、いつまでたっても年金はもらえません。

●保険料はどうなるの?

厚生年金の保険料を払うのは70歳になるまで。70歳以降は必要ありません。
保険料は払わなくていいけれど、年金カットのしくみは続くということです。

●年金額はどうなるの?

信一さんが70歳になれば、年金額は再計算されます。つまり、65歳から70歳までの厚生年金加入に応じて、年金額が増えることになります。必ず、増えます。
しかし、全額支給停止だと、結局はもらえませんね。

●報酬の高い人は損みたい!

厚生年金に加入しながら働いているけれど、もともと給料が少なくて、全額年金をもらえる場合は何も心配ないですね。給料の高い人が影響を受けるのです。

●社長に冷たい年金?

70歳以降も年金がカットされるというのは、信一さんのようなケースが多いでしょう。報酬の多い経営者や会社の役員などですね。
普通のサラリーマンには少ないかもしれませんが・・・

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年金がカットされるぐらい給料が多いならいいなあと思う人もいるでしょう。しかし、カットされる人にとっては、「その分たくさん保険料を払ってきたのに!」と、納得できない気持ちでしょう。
たとえ年金がカットされても、それだけ収入が多ければいいと考えるのか、たくさん保険料を払ってきたのに、損だと考えるのか。
考え方の問題でしょうか。
年金は元を取れるか取れないかで、考えるものではありません。保険というしくみですから。
しかし、さらに、払う保険料に比べて割りが合わないようなしくみになっていくと、年金への不信や、年金離れが起こってきます。
それもまた困ったものです。

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