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知っておきたい年金のはなし    第86号 2005年8月1日発行

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会社に勤めていて健康保険に加入している人が、病気やケガで働けず給料も出ないときに給付されるのが、傷病手当金です。
厚生労働省は、その傷病手当金の見直しをするようです。今より減額する方向です。
あれもこれもと減額になっていくと、ほんとに、今後の生活はきびしいものになっていきます。
社会保障制度は、困ったときに助けてくれるものであってほしいですね。
一部に不正受給する人がいるからといって、ほんとに困っている人が助けられないのは、おかしな話です。
年金もそうです。年金で老後の生活を安心して送りたいものですが、これもまたきびしいです。

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第86号 むずかしい! 年金の計算
★★★ どの計算式を使ったらいいの? ★★★
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由美さんは現在、ファイナンシャルプランナーの勉強中です。
銀行に勤めていますので、窓口でお客様にいろいろ聞かれることも多く、ファイナンシャルプランナーの勉強を始めることにしました。
日頃の業務に関係のあることは理解しやすいです。
由美さんは、ファイナンシャルプランナーの勉強をしていて、これは仕事だけではなく、自分自身に必要なことだとよくわかってきました。
誰だって、一度は勉強しておいたほうがいいなあと思いました。
しかし、その中でむずかしいのが年金です。
複雑すぎて、頭の中が整理できません。
2004年に法改正があって、年金額が変わったとテキストには書いてあります。
老齢基礎年金は、780,900円になったと書いてあります。ところが、今年の年金額は、794,500円となっています。
いったいどうして? 
厚生年金の計算式もいろいろ出てきて、いったいどの計算式で計算したらよいのか、よくわかりません。 由美さんは困ってしまいました。

●1階の年金額は?

1階の年金、つまり、老齢基礎年金額は、2004年の法改定で、法律上は780,900円になりました。

●794,500円ではないの?

もともと年金額は804,200円。年金額は物価の上げリ下がりによって、毎年自動的に変更されてきました。
2004年度は、物価スライド率が0.988でした。
804200×0.988という計算で、794,500円になっていました。
ところが、過去に、物価が下がったのに、特別に年金額を下げなかった期間が3年間ありました。
その3年間に物価は1.7%下がり、それに従って、年金も下がっていたことになります。しかし、そのとき「特別に」下げていなかったので、法律上で、まとめて下げたというのです。

●まとめて下げると、780,900円!

その期間を加えると、物価スライドは合計で、0.971。
804,200円×0.971で、年金額は780,900円です。
780,900円とは、今まで特別に下げなかった分を下げて計算した金額です。
法律改定後の老齢基礎年金額となったのです。

●でも変わっていないよ!

法律を変更することによって、いきなり年金額が下がると、誰だって困りますね。
今年については、従前額を保障するということになっていますので、法律は変わったけれど、実際には変わらないということになっています。

●2階の年金も変わっていない?

すでに年金をもらっている人の2階の年金(報酬比例部分)も、昨年と今年では変わっていません。
ただし、変わっていないとっても、2階の年金はもっと複雑になっています。

●計算式は複数あった!

2004年の改定前も、すでに複数の計算式がありました。新しい計算式と、古い計算式(従前額保障)で計算してみて、多い方となります。実際、古い計算式のほうが有利なので、新しい計算式は使われていません。

●またまた登場、新しい計算式!

そんな状態だったのに、また法律が変わって、さらに新しい計算式が加わりました。
結局、今のところ、一番古い計算式が得なのです。

●変わったけれど、変わらない

そんなふうに計算式ばかり追加になったけれど、古い計算式で計算するので、見かけは何も変わらないように見えます。

●変わっていないけれど、変わっている

しかし、年金が減るというしくみは、すでに導入されているのです。
何もかわらないようにみえて、実はちゃんと減額のしくみが始まっています。
怖いことですね。

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これからのライフプランをたてるときに、将来の年金額を予想して、不足分を準備しておきましょうというのは、そのとおり。
しかし、年金額を計算するのはむずかしいです。
「だいたいでいいから、年金額を知りたい」とよく言われます。でも、これがむずかしいのです。
55歳未満の場合は、いくらお願いしても、社会保険事務所では見込み額を教えてくれません。
一番知りたい「年金はいくらぐらい?」ということに、簡単には答えられないぐらい、日本の年金制度は複雑になりすぎているのです。
年金の計算式を知っていても、計算できないくらいになっているのです。
さて、由美さんの勉強では、必ず、年金見込み額が必要になってきますが、若い人のライフプランを考えるときは、新しい計算式でした方がいいですね。将来年金が少なくなるということを考えて、ライフプランをたてましょう。ちょっと寂しい話ですが。

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