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知っておきたい年金のはなし    第93号 2005年10月11日発行

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一度はまってしまうとやめられないのが、「韓国ドラマ」です。
「冬のソナタ」からはじまって、毎週土曜日の夜は、韓国ドラマを観ています。飲み会があっても11:10までには、家に帰ります。「ビデオ、撮っておいたらいいじゃないの?」と言われるけれど、そのときに観たいのです。
韓国ドラマのおもしろさは、ストーリーの展開です。音楽もすてきだし、映像もきれいだだと思いますが、なんといっても、ストーリーです。次々にいろいろな事が起こって、これからどうなるのかと、目を離せなくなるのですね。
私も、次はどうなるのだろうと、どきどきして読みたくなるようなメルマガを書きたいなと思います。
年金はやわらかい話ではありません、法律用語を並べてテキストのように書くことはできますが、それでは読みたくなりませんものね。

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第93号 離婚時の年金分割、実施まであと1年半
★★★ 離婚もしたい! 遺族年金もほしい! ★★★
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清子さんは現在55歳です。
離婚時の年金分割の実施を待っているひとりです。
子育て、自分自身の病気、親の介護と続き、ずっと専業主婦でした。サラリーマンの夫の収入は多い方だと思います。夫ひとりの給料で生活できたし、家も買いました。子どもも大学を卒業しました。
しかし、清子さんは、離婚を決意しています。もうすぐ定年退職する夫とずっと生活していく気持ちにはなれません。
ただし、専業主婦である清子さんには、月に6万円ほどの国民年金しかありません。財産分与もあてになるとは思えないので、年金分割がたよりです。
あとしばらくの辛抱と思っています。
ところが、最近、友達の夫が亡くなるということがありました。友達は、遺族年金がこれからの生活の支えになると話していました。
それを聞いて、清子さんは考えました。
離婚を待っている今、夫が死亡したら、年金はどうなるのだろう。
離婚して、年金分割が成立しないうちに夫が死亡したらどうなるのだろう。
年金分割してすぐに夫が死亡したらどうなるのだろう。
何が起こるかわからないのです。清子さんは、ちょっと心配になってきました。

●離婚するまでは

どんなに仲が悪くて、毎日けんかばかりとしていても、いっしょに生活しているサラリーマンの夫が死亡すれば、妻は遺族厚生年金をもらえます。
仲がいいとか、悪いとか、離婚を考えているとかは、関係ありません。

●ただし、条件を確認して!

死亡した夫の保険料納付要件が問われます。数年サラリーマンであったという夫については、在職中の死亡であれば、保険料納付要件を満たしていますので、妻は遺族厚生年金をもらえると考えていいでしょう。
現在の法律では、死亡以前の直近1年間(死亡日の前々月までの1年間)に保険料の滞納期間がなければ問題ありません。

●40歳以上の妻の場合

清子さんの子どもは成人していますので、遺族基礎年金(遺族年金の1階部分)はもらえません。
清子さんは、現在55歳ですので、サラリーマンの夫が死亡すれば、最初から中高齢寡婦加算というプラスのついた遺族厚生年金をもらえることになります。

●中高齢寡婦加算はお得なプラス!

実は、遺族厚生年金では、この中高齢寡婦加算がたよりになるのです。
遺族厚生年金は夫の報酬比例部分(遺族年金の2階部分)の4分の3です。それも、これまでの給料やボーナスによって決まりますので、給料やボーナスが少なければ、年金も少なくなります。
ただし、在職中の死亡であれば、妻が40歳〜65歳未満の間、中高齢寡婦加算596,000円がプラスされます。(退職後の死亡でも該当することがありますので、詳しいことは必ず個別に確認してください。)

●離婚しなければ

現在専業主婦である清子さんは、離婚していなければ遺族厚生年金をもらえます。
すでに別居して事実上の離婚と同じで、経済的な援助もなく、生計維持関係が認められないとなれば別ですが、いっしょに暮らしているのであれば、たとえ離婚を考えていても、妻である清子さんは遺族年金をもらえます。

●離婚していれば

もうもらえません。理由は、夫の死亡当時、妻でないからです。

●離婚時の年金分割と遺族年金を比べてみると

年金分割は最大でも夫の報酬比例部分の2分の1。しかも婚姻期間だけが対象です。
夫の年金額が多くても、婚姻期間が短ければ、分割したとしても少ない金額になります。
ところが、遺族厚生年金は、報酬比例部分の4分の3。これには、婚姻期間のみを対象にするなどということはありません。しかも、条件に該当すれば、中高齢寡婦加算がプラスされます。

●離婚後すぐに夫が死亡しても

離婚後は妻ではありません。「もう少し離婚を遅らせていたら、遺族年金をもらえたのに!」と思っても、どうにもなりません。
ただ、何らかの事情で、戸籍上離婚したけれど実質的には夫婦であるという場合はまた違ってきますので、個別に確認してください。
年金では、事実婚でも夫婦とみなされますが、夫婦であるという証明が必要です。

●分割された年金は、元夫の死亡でどうなる?

年金分割してしまえば、夫の生死にはかかわりなく、妻は分割された年金をもらえることになります。死亡したからもらえなくなるということはありません。

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離婚時の年金分割と遺族厚生年金を比べてみるのは、おかしな話かもしれませんが、離婚を考えている人であっても、離婚しない限りは妻なのです。
もし、夫が死亡したらどうなるか、それが離婚より前か後であるかで、大きな違いになるので、気になるところです。
離婚した後に夫が死亡したら、遺族年金はもらえないと考えて、生活設計をたてましょう。
元夫が死亡したとき、年金分割の話し合い中だったら、年金分割はどうなるのか、これは、私にはまだわかりません。
そういう問題も出てくるでしょう。裁判所に申立てている間に、夫が死亡してしまったら、離婚時の年金分割はどうなるか、これも、今後、問題になるでしょう。
離婚時の年金分割について、より詳しいことは今後になります。

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