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知っておきたい年金のはなし    第94号 2005年10月21日発行

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10月1日から厚生年金基金連合会が「企業年金連合会」に変わりました。
これまでは、厚生年金基金だけを対象としていましたが、昨年法律が改定され、厚生年金基金・確定給付企業年金・確定拠出年金といった企業年金間の年金通算事業を行うようになりました。
離婚時の年金分割の話題などに圧倒されてしまいましたが、企業年金間のポータビリティなど、企業年金に関する改定が、今年の10月から実施されています。
こんなふうに書くと、なんのことだかよくわからないと言われそうですね。
その説明はさておいて、厚生年金基金など、企業年金に加入しているのに、いったいなんのことだか、さっぱりわからないという話もよく聞きます。
今回登場する百合さんもそうです。

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第94号 確定拠出年金
★★★ いったいどういうしくみなの? ★★★
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百合さんは25歳のOLです。
勤めている会社は厚生年金基金に加入していましたが、代行返上して、確定拠出型の企業年金に移りました。
最近、その説明会がありました。商品の説明があって、「自分で選びなさい」と言われたけれど、いったいどうしていいのやら、わかりません。
だいたい、厚生年金基金も、確定拠出年金も、さっぱり意味がわからないのです。

●厚生年金基金は国の年金を代行している

本来は国が行う厚生年金の一部を企業が代行している、これが厚生年金基金の大きな特徴です。他の企業年金には、国の年金を代わって行うというしくみはありません。

●だんだん荷物になってきた!

厚生年金基金は、運用がうまくいかなくても、約束した年金を支給しなくてはなりません。
その意味では、加入している人にとっては有利なのですが。
しかし、企業側にしてみれば本来は国がやればいいこと、企業がそこまで負担するのは大変だ!となってきて、代行返上となります。

●厚生年金基金との違い

企業年金にもいろいろな種類があって、確定拠出年金とはその企業年金のひとつ。
厚生年金基金が代行返上して、確定拠出年金へ移行するケースも目立ちます。
確定拠出企業年金が厚生年金基金と違うのは、年金額がいくらになるのかは、自分の運用しだいだということです。
基金は、これだけの年金を用意しますと、約束します。
しかし、確定拠出年金は、自分の運用しだいで年金額が増えたり減ったりします。会社が運用するわけではありません。そこが大きな違いです。

●運用は自己責任

掛け金を出すのは会社です。そして、どの商品で運用するかは、自分で決定します。
会社は「投資教育」をしなければなりませんが、「この商品がいいよ」とすすめることはできません。

●元本割れすることもある?

もちろん、運用ですからそのようこともあります。そのときは会社の責任ではなく、自分の責任です。

●そんなこと、急に言われてもわからないよ

だから会社には「投資教育」を行う責任があります。百合さんが受けたセミナーもその投資教育だったのです。

●基金のままでもいいのに

基金は運用がうまくいかなくても、あらかじめ約束しているので、運用のマイナス分は、結局、企業が穴埋めすることになります。
しかし、確定拠出年金では、企業が穴埋めする必要はありません。投資教育やいろいろな手間はありますが、運用の責任を取る必要がなく、それだけ企業にとって負担のない制度です。

●どうしたらいいの?

それは自分で考えないといけません。

●わからないから定期預金を選んでもいい?

運用商品の中に定期預金も入っていたりします。わからないから、わかっている定期預金を選ぼうというケースもけっこうあるようです。
でも、この低金利時代、定期預金では増えません。
手数料を会社で負担してくれるのならいいのですが、手数料を負担したら、増えた利息より手数料が多くて、結局、マイナスになっていたというようなこともあるのです。

●72の法則を知っていますか

お金が倍になるのに何年かかるかというものです。
金利が6%であれば、72を6で割って、答は12年。12年で倍になります。
100万円を6%の金利で定期預金にしておければ、12年で200万円になるということです。
ところが、0.1%であれば、72を0.1で割って、答は720年。お金が倍になるのに、720年もかかります。とんでもない話ですね。

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企業年金間のポータビリティ。せっかく企業年金のある会社に勤めていても、転職することもあるわけです。
何度か転職すればその都度企業年金を脱退ということになり、思うように年金を増やせません。そこで、転職先へそれまでにたまった資産を持っていき、そこで継続していけるようになったのです。
ただし、転職先に、受け入れ可能な企業年金がないことには話になりません。
また、移し換えるときに、事務手数料もかかるようです。これについては、各企業年金で確認してください。
企業年金は、公的年金の上乗せ。有利なしくみです。3階分の年金がもらえるのです。
2階だけでは不十分ですものね。
だから、少しでも有利になるように、わからないからとそのままにしないで、勉強して、せっかくある制度を自分の未来に生かしましょう。百合さんもね!
企業年金も退職金制度もない会社、たくさんあるのです。

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