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知っておきたい年金のはなし    第97号 2005年11月21日発行

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「日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の人」は国民年金へ強制加入です。
入りたい、入りたくないという自分の気持ちには関係ありません。
会社勤めのサラリーマンの場合、「厚生年金には加入しているけれど、国民年金には加入していない」と思っている人が多いですが、厚生年金と同時に国民年金にも加入しているのです。国民年金の第2号被保険者(原則として65歳未満の人)です。
法律では「日本国内に住所を有する」となっているので、外国籍であっても日本に住んでいる人は加入しなければなりません。
日本国内に住んでいても、皇族には住民票がないので、国民年金法でいう「日本国内に住所を有する」にはあてはまらないのですね。
でも民間人となったら、強制加入。36歳で国民年金に加入すれば、60歳まで加入したとして、24年です。これで年金をもらう権利ができるのかと思いますが、皇族であった期間は「カラ期間」となるようですね。
厚生労働省の見解を新聞で読みました。通常の年金相談では、こういう事例は考えなくてもよいものですから・・・
黒田清子さんの年収見込みが130万円未満なら第3号被保険者です。収入のない専業主婦であるなら、結婚したときから第3号被保険者になりますが、黒田さんの場合は、どうでしょうか。
第1号被保険者と第3号被保険者、まず、保険料に大きな差がありますが、他にも違いはあります。
そのひとつ、国民年金基金に加入できるのは、第1号被保険者のみです。

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第97号 国民年金基金と小規模企業共済
★★★ 年金の上乗せ、プラス節税効果あり! ★★★
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亜由美さんは35歳、フリーのライターです。
出版社で編集の仕事をしていきましたが、独立しました。独立して4年目。
仕事も順調に増えてきました。
現在はひとり暮らしです。これからもシングルで生きていくことになるかもしれないので、働けるときに、老後の資金を準備しておきたいと思っています。
国民年金だけでは不十分なので、民間の生命保険会社の個人年金と国民年金基金に加入しています。
収入も増えてきたので、さらに、もう少し上乗せを準備しておきたいと考えました。
収入が増えると支払う所得税や住民税、それから国民健康保険料も高くなるので、節税を考えています。
「小規模企業共済への加入も検討したら?」と、同じライター仲間に言われましたが、さて、どのように考えたらいいのでしょうか。

●国民年金基金とは?

自営業者には2階の年金がありません。ですから、第1号被保険者の上乗せ年金として国民年金基金があります。
国民年金基金は、国が準備している自営業者のための2階の年金だと考えてください。
(バックナンバー28号もごらんください)
http://homepage2.nifty.com/miming2/magazin-top.html

●国の制度だから節税効果あり!

節税という点でもお得です。
国民年金基金の場合、毎月68000円までの掛金(年額816000円)は社会保険料控除を受けられます。
民間の個人年金の場合、1年間で10万円以上保険料を払って、生命保険料控除は5万円。

●どれほどの効果?

816000円の掛金を払っている場合、税率10%の人は、まったく加入していないときに比べて、81600円所得税が少なくなるということです。(定率減税分は計算に入れていません)
もちろん、収入が少なくて、所得税がもともとゼロだという人には関係ありませんよ。

●保険料を滞納するとだめ!

ただし、国民年金の保険料を滞納しないということが条件です。
国民年金の保険料を払わず、国民年金基金にだけ入りたいということはできません。

●自由に脱退することはできません

いったん入ると、「やっぱりやめよう」というふうに、任意に脱退することはできません。
亜由美さんが自営業を法人化して再び厚生年金に加入したり、他県へ引っ越した場合は脱退となりますが、自由に脱退できません。

●小規模企業共済はどんな制度?

一定規模以下の中小企業の経営者や個人事業主のための退職金制度であると考えてください。

●掛金はどうなるの?

無理のない範囲で設定できるというところが魅力です。
毎月の掛金は、1000円から7万円まで。500円単位で選択することができます。
途中で増額もできますし、経営が悪くなったとの理由で、減額することもできます。

●小規模企業共済掛金控除で節税!

税法上、掛金の全額を「小規模企業共済等掛金控除」として課税対象となる所得から控除することができます。 国民年金基金とは別枠で控除の対象となります。

●二つの枠を使う

国民年金基金、小規模企業共済、それぞれの控除枠を使えば、さらに節税になります。
生命保険料控除と合わせると3つの枠になりますね。
もちろん、それぞれ、老後の上乗せ年金として期待できます。

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国民年金基金、小規模企業共済、個人年金、どれが一番いいかというのは自分しだい。
それぞれの特徴をよく知って、自分に合うものを選ぶ、これがポイントです。
節税対策も大切ですが、トータル的に考えるということが基本です。
亜由美さんは、毎月の国民年金保険料、国民年金基金掛金、個人年金保険料とあわせるとかなりの保険料を払っていますので、あらたに支払いを増やした場合、今後も払い続けることができるのかどうか、検討が必要ですね。
今はそれなりの収入があるのでいいですが、これからもずっと払える金額であるかどうかも考えて、加入することが大切です。

小規模企業共済の共済金の受取は、事業を廃業したときばかりではなく、65歳以上で15年以上掛金を払っている場合、請求すれば受け取ることができます。
その他、任意で解約することもできますが、任意解約の場合、納付した掛金に対して100%以上の解約手当金を受け取れるのは、掛金納付月数が240か月以上の場合です。短い期間で解約すると、掛金分はもどってきません。

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