★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

知っておきたい年金のはなし    第105号 2005年2月11日発行

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

毎年のことながら、サラリーマン川柳、おもしろいですね。
今年も第一生命のサラリーマン川柳コンクールがあります。
http://event.dai-ichi-life.co.jp/senryu/2006_best100.html

年金を話題にしたものもあり、するどいなあと思わず感心してしまいました。
「年金は いらない人が 制度決め」
「年金の 出る頃妻は 家を出る」
あなたなら、どれを選びますか。

年金制度は、複雑になりすぎていますが、雇用保険と年金の調整もそのひとつ。
ほんとに複雑です。
今日は60歳で定年退職したばかりの和彦さんが登場します。

……………………………………………………………………………………………
第105号 雇用保険と年金の調整
★★★ いつからいつまで? ★★★
……………………………………………………………………………………………

和彦さんは、昨年12月末で定年退職しました。誕生日は12月15日ですが、定年は月末となっているので、12月31日で退職となりました。
年末年始はゆっくりすごしましたが、年が明けて、仕事に行かないのは変な気分です。再就職先はこれから探します。今までいそがしすぎたので、時間にゆとりの持てる仕事をみつけたいと思っています。
しかし、まず、退職後の健康保険や雇用保険の手続をしなくはなりません。
健康保険は任意継続を希望していたので、年明けてすぐに社会保険事務所へ行きました。
1月の中旬に会社から「離職票」が送られてきました。
そこで、ハローワークへは1月20日に手続に行きました。
年金と雇用保険、両方もらえないということは知っていましたが、雇用保険からの給付の方が年金より多いし、仕事探しをするので、ハローワークへ手続きにいきました。
和彦さんは、ふと思いました。
雇用保険からの基本手当と年金、両方もらえないというのはわかっているけれど、実際にはいつからいつまで年金がもらえないのでしょうか。

●和彦さんの老齢厚生年金は?

60歳から報酬比例部分の年金、つまり、2階の年金をもらえます。
12月15日が60歳の誕生日の和彦さんは、1月分からです。

●雇用保険はどうなるの?

1月にハローワークで手続した和彦さん。
40年近く会社で働き、定年で退職したので、雇用保険からの基本手当は150日分です。

●定年退職には給付制限なし

自分の都合で会社を辞めた人は、基本手当の給付開始まで3ヶ月待たねばなりません、これを給付制限といいます。
定年退職の場合には、この給付制限はありません。

●待期期間は誰にでもある

ハローワークに求職の申し込みに行った日から7日間は待期期間といって、この間は、どんな理由で辞めても、待たねばならない期間です。
1月20日に手続にいった和彦さんは、20日から26日までが待期期間です。
1月27日から150日間、失業していると認められれば基本手当がもらえます。
連続して失業しているとすれば、ちょうど、6月25日で150日となります。ここで基本手当は終了です。

●年金 支給停止のはじまりは?

ハローワークに求職の申込みをした月の翌月からです。
和彦さんは1月20日にハローワークで手続したので、2月分から支給停止です。

●いつまで?

基本手当を受け終わった日の月までです。
6月25日まで基本手当をもらえば、6月分まで年金はストップされます。

●もう少しあとでハローワークへ行ったとしたら?

たとえば、1月27日に手続に行ったとします。
その場合であっても、年金の支給停止は2月分からです。
そして150日経過すれば、すでに7月に入っています。
ということは、7月は2日分しか雇用保険からの給付がないのに、年金は7月分まで全額支給停止となります。

●ただし、事後精算があります

ハローワークへ手続に行くタイミングによって1月分の差がでるのは不合理です。
そこで、事後精算ということをします。
基本手当をもらった期間と比べて、年金が過剰に支給停止にならないように、調整が行われます。
和彦さんのように150日基本手当をもらえる人が、実際に150日分(5ヶ月)もらった場合、5ヶ月を超えて支給停止になった年金は、事後精算で支給停止が解除されるということになります。
事後精算は、停止しすぎた場合に、停止しすぎた年金を返すというしくみです。

……………………………………………………………………………………………
注意していただきたいことは、基本手当とは、仕事を探しているけれど、仕事が決まらないからもらえるものだということです。
仕事をする気がないのにもらうのは正しいことではありませんし、また、損得でもらうものでもありません。
しかし、少しでも有利にもらいたいというのもわかりますね。
失業の認定を受けた日数や手続のタイミングにより、本来より1ヶ月少ない支給停止になることもありますので、気になる場合は、個別に確認してください。
これは一例です。
和彦さんが2月1日にハローワークへ手続に行ったとします。
そして、7月1日に再就職したとします。
すると、2月8日から6月30日まで143日分基本手当を受けていますが、7月は支給停止対象外なので、支給停止月は3月から6月までの4ヶ月となります。
しかし、せっかくもらえる年金も、再就職先の給料が多ければ、在職老齢年金のしくみで、また支給停止になってしまいますので、ほんとに複雑です。
こんなふうに考えると、頭が混乱しますね。

……………………………………………………………………………………………
女性に贈るみわ子さんの年金絵本 「年金、もっと知りたいな。」
全国の書店で好評発売中! 
ネット書店も便利です。送料無料で利用できるものもありますので、ご利用ください。
詳しくはこちらから → http://homepage2.nifty.com/miming2