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知っておきたい年金のはなし    第107号 2005年3月1日発行

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4月からの老齢基礎年金の満額は、794500円から792100円に下がります。
これは1月に発表された厚生労働省のHPです。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/01/h0127-7.html

これをみて、ちょっと不思議に思いませんか。
どうして、年金の金額を月額で書いているのでしょうか。月額66,008円とありますが、
なぜ、年額で書いてないのだろうかと不思議に思いませんか。
66,008円を12月で掛け算すると、792,096円となり、いったい老齢基礎年金の満額はいくらなのか、これだけではすっきりわかりません。
厚生労働省に電話をして聞いてみました。どうして、年額で書かないのですかと。
答は「月額のほうがわかりやすいから」でした。もちろん、これは電話に出た担当者の考えかもしれませんが、私には、年額2400円減額というよりは、月額200円のほうが少ない感じがするからというふうに思えてなりません。
考えすぎでしょうか?
年金は下がる、保険料は上がるで、ますます年金不信が広がっていくかもしれません。

今日は、第3号被保険者になれる条件についてお話しましょう。第3号被保険者になれば保険料を払わずに、払ったのと同じだけの年金をもらえるのです。厳しいときの救い主になってくれる場合もあります。

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第107号 第3号になれる、なれない?
★★★ 失業給付を受けているとき ★★★ ……………………………………………………………………………………………

美希さんは30歳。子どものいない共働き夫婦です。考えるところがあって会社を辞めることにしました。また、新しい仕事を探すつもりですが、その間は夫の扶養に入りたいと思っています。
収入がないのに、任意継続の健康保険料や国民年金の保険料は高いし、夫が会社員なら扶養になるのが一番いいと考えました。
しかし、会社の人事部の人から言われました。
「雇用保険から給付金をもらっていたら、扶養家族に入れませんよ。給付金が終わってからですよ」
健康保険の被扶養者(扶養家族)になる、第3号被保険者になるためには、年収130万円未満(60歳未満の場合)という条件があります。この場合の収入とは、年金や雇用保険からの給付金も含めます。
「あら、でも、私は90日分しかもらえないのよ。1日分が5000円としても合計で45万円ですよ。130万円未満なら扶養に入れるっていうじゃないですか」と美希さん。 会社の担当者が間違っていると思い、社会保険事務所へ行きましたが、やはり、扶養にはなれないと言われたのです。
雇用保険からの給付金(基本手当)が1日分3612円以上ある場合は、給付を受けている期間は、健康保険の被扶養者にも第3号被保険者にもなれません。
「いったいどういうこと?」と美希さんは納得できません。

●健康保険の被扶養者・第3号被保険者になるためには

障害の状態にもない60歳未満の人には130万円未満という収入条件があります。
過去の収入ではなく、今後の収入の見込みが130万円未満だということです。

●収入とは

年金も雇用保険に全部含めます。非課税扱いの通勤手当であっても収入です。
でも、美希さんは5,000円の基本手当を90日もらうだけ。合計しても45万円。他に収入の見込みはありません。

●130万円未満になるのでは?

ところがだめです。130万円以上とみなされます。どう考えても130万円もらうことはないと言ってもだめなのです。

●1日分の金額で判断

給付日数は関係ありません。基本手当1日分を180日(半年)もらうものとして考えます。
5000円を180日もらうとすれば90万円。半年で65万円という基準を超えていますので、1年で130万円以上になるという見込みがあることになり、第3号被保険者にはなれません。

●基本手当3611円以下ならよい

3611円に180日をかけると、65万円未満
3612円に180日をかけると、65万円以上
ですから、雇用保険からの失業給付である基本手当が1日3611円と3612円が分かれ目です。

●美希さんはどうすればいい?

失業給付を受けるのなら、基本手当を受けている間は、第3号被保険者にはなれず、第1号被保険者になります。
ただし、美希さんは自己都合で退職したので、基本手当を受けるのには、3ヶ月の給付制限があります。 その3ヶ月間は、何も収入がないので、第3号被保険者になれます

●どの都度、手続するの?

そうです。まず、第3号になり、給付が始まったら第1号になり、給付が終わったら第3号になるということです。

●健康保険に注意

健康保険についても、失業給付を受けている間は国民健康保険になります。保険料に注意してください。あらかじめ、保険料を調べておきましょう。
こんなに高い保険料を払うなら、最初から扶養にならず、任意継続にした方がよかったなんてことにもなりかねません。
任意継続は退職後20日以内に手続しなければなりません。

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なんだか、納得できないしくみですね。
雇用保険の給付金が90日しかないとわかっているのに、180日として計算されるのですからね。
確かに、職業訓練に通うと訓練延長給付があり、実際には給付期間が延長されることもありますので、しかたないことなのでしょうか。
でも、美希さんはやはりすっきりしません。
早く仕事をみつけて、次の会社で社会保険に加入するのが一番いいような気がしてきました。
※ 今回の内容において、健康保険組合の方はご注意ください。失業給付の給付制限期間中、健康保険の扶養家族になれなかったという例もあります。それぞれの健康保険組合で確認してください。

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