★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

知っておきたい年金のはなし    第146号 2007年5月1日発行

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

さて、問題です。
学生が申請するだけで保証がある制度ってなんでしょう?

申請するだけって、タダってこと?
そんなのあったけ?
ヒントは?

病気やケガで障害が残っても、一生保証があります。
保険料も後払いできるので、老後の年金の目減りもふせげます。

実は、これは社会保険事務所で見かけたポスターです。
答は「学生の納付特例」なのです。
わかりましたか?

確かにこのとおりなのですが、ちょっと違うような気もします。
後払い(追納)できるのはそのとおりですが、2年を超えると割増がつくし、払わなければ、結局老後の年金は少なくなります。
タダでお得というのは、ちょっと違う気がします。
払えるのなら、払っておいた方がいいのです。

……………………………………………………………………………………………
第146号 保険料は払ったのに!
★★★ もらえない障害基礎年金 ★★★
……………………………………………………………………………………………

孝雄さんは21歳です。現在、フリーター。
そろそろ、正社員の仕事に就きたいと思っていますが、なかなか、いい仕事がみつかりません。
収入の安定しない孝雄さんは国民年金の保険料を払っていません。
年金なんて関係ないと思っていました。

そんなとき、友人が交通事故に遭いました。後遺症が残りそうですが、国民年金の保険料を滞納していたので、障害年金はもらえないということがわかったのです。
それを知った孝雄さんは、国民年金の保険料を払うことが大切なのだとわかりました。いつまでも親に頼るのはいやだったのですが、お父さんが1年分の保険料を出してくれることになりました。
1年分をまとめて払うと安くなるということがわかったので、前納しました。

今、孝雄さんが事故にあっても、障害年金は大丈夫でしょうか?

●障害年金をもらうためには

国民年金加入中の人が障害年金をもらうための条件として、「保険料をきちんと納めていること」という条件があります。

●滞納期間が3分の1以上ないこと

「きちんと」とはどういうことかというと、まず、これまで当然国民年金に加入すべき期間について、3分の1以上滞納がないということです。

●3分の1以上滞納していると絶対にもらえないの?

それはあんまりだということで、救済措置があります。簡単にいうと、直近の1年間、滞納がなければよいということです。

●具体的には?

3月分の保険料は4月末日(休日の場合はそのあとになります)までが納付期間。
5月にケガをしたという場合、昨年の4月から今年の3月分まで滞納がなければよいということです。
4月分の保険料は5月末が納付期限です。たとえば、5月20日に事故にあい、その時点で4月分の保険料を納付していなくても、4月分は滞納ではありません。

●孝雄さんは?

20歳になってから一度も保険料を払っていないし、免除を受けるなど、何の手続きもしていません。
だから、ずっと滞納期間です。

●でも、1年分払ったよ

孝雄さんが払ったのは、今年の4月からの1年分。
過去の滞納はそのままです。
ですから、この状態では、障害年金はもらえないのです。
前納するよりも、過去の滞納分を先に収めたほうがよいのです。

●過去の分は少しずつ払っていこうと思うけれど・・・

それではまにあいません。条件を満たすだけ払った後ならいいですが、少ししか払わないうちに事故にあえば、結局障害年金はもらえないのです。

●若年者納付猶予制度もある

孝雄さんのように収入の安定しない若者(30歳未満)のために、学生の納付特例と似た「若年者納付猶予制度」があります。
結婚していない人は、本人の所得が基準以下であれば、この制度を利用できます。
こういった制度を利用すると、滞納期間とはならず、障害年金につながります。

●申請するだけでタダの制度?

障害年金はタダでもらえることになります。
しかし、タダより怖いものはない!
あとで払わないと、老後の年金は少なくなってしまいます。
タダはやはり、タダなのです。
障害には対応できても、老後には対応できません。

……………………………………………………………………………………………
「年金保険料免除 文書でお知らせ」というニュースをみました。
 社会保険庁は、国民年金の保険料が免除になる低所得者に対し今年12月から、免除の申請を促す文書を送ることに決めたということです。
免除対象者に、本人の氏名、生年月日、基礎年金番号をあらかじめ記した申請書が送付されるので、家族の所得や電話番号を記入して返送すれば、手続きできるようになるとか。
免除の制度を知ってもらうということはいいのですが、免除にもリスクがあるということを、もっと広報してもいいではないでしょうか。
払うことができるのなら、払っておいた方がいいと私は思います。
払えない場合は、年金のしくみをしっかりわかった上で、免除制度などを利用しましょう。

……………………………………………………………………………………………
「妻も年金 夫の年金」全国の書店で好評発売中!
株式会社 企業年金研究所発行 1470円

セブンアンドワイ http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31804411
アマゾン http://www.amazon.co.jp/gp/product/4906454151/
楽天ブックス http://item.rakuten.co.jp/book/4219758/
書店にない場合は、こちらからご注文ください。
→ http://homepage2.nifty.com/miming2 

……………………………………………………………………………………………
女性に贈るみわ子さんの年金絵本 「年金、もっと知りたいな。」
全国の書店で好評発売中! オンライン書店も便利です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4939051285/qid%3D1097655426/250-3166099-6622634
年金の基本を知りたいという人に、おすすめします。