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知っておきたい年金のはなし    第159号 2007年9月21日発行

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「女性のための年金相談室」では、先月のホームページ更新後、まとまった時間が取れず、大きな更新はできていないのですが、「プライベートルーム」を開設して、社労士日記や過去のエッセイ、昔書いた小説などを掲載しています。
というのは、やはり私の夢は、年金をテーマにした小説を書くことだからです。

年金の解説を書ける人はたくさんいます。小説を書ける人もたくさんいます。しかし、年金をテーマにおもしろい小説を書ける人は、そういないかもしれませんね。
いつになるかわからないけれど、そんな私の作品をホームページで発表できればいいなと思って、このページを始めました。

私は、ライフプランセミナーで「まず自分の夢を大切にすること、それがライフプランづくりの基本」だとお話しています。
だから、私の夢を大切にして、あきらめることなく、追いかけたいと思います。
そうです、年金小説ですよ!

さて、今日は、障害年金についてのお話です。

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第159号 障害基礎年金
★★★ 子ども時代の病気で ★★★
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玲子さんは、介護事業所で管理者の仕事をしています。デイサービスには毎日高齢者の方が通ってこられて、1日を過ごしています。
玲子さんはその高齢者のケアをしながら、経営は大変だけれど、仕事は楽しいと感じています。
そんなとき、思いがけない出会いから、障害を持つ玉枝さん(40歳)が働くことになりました。
玉枝さんは、あまり無理ができないので、フルタイムでは働けませんが、パートタイマーとして、週に2日ほど、働くことになりました。

そんなとき、玲子さんは玉枝さんから質問を受けました。
「昨年から障害年金をもらっているのですが、働いて給料をもらっても年金は大丈夫ですか」
障害年金をもらうようになって少し安心できるようになったという玉枝さん。
働いて収入を得ることとで、生活はさらに安定するでしょうけれど、そのために、障害年金がもらえなくなったら困ると心配になって、玲子さんに相談しました。
さて、どうなのでしょう。

●年金の種類は?

玉枝さんは障害基礎年金2級をもらっています。
障害厚生年金はもらっていません。

●初診日はいつ?

子ども時代の病気が原因です。
子どものときからずっと病気で、その病気が悪化して、障害基礎年金をもらうようになりました。

●いつからもらっているの?

昨年、39歳の時からです。
玉枝さんは障害基礎年金がもらえるということを知りませんでした。
あるとき、もらえるかもしれないから申請してみたらというアドバイスを受け、手続きしたところ、障害基礎年金2級に該当しました。
子ども時代から同じ病院でみてもらっていたので、証明を書いてもらうことができたのです。

●20歳前障害

玉枝さんは、20歳前障害に該当します。
障害基礎年金をもらうための条件として、「初診日が国民年金被保険者期間中にあること」がありますが、20歳前、つまり国民年金の強制加入となる前に初診日がある場合も、20歳前障害として対象となります。

●事後重症

玉枝さんは、だんだん病気が悪くなっていったのです。
子ども時代の病気が原因で、20歳時点でにすでに2級の状態になっていれば、その時から障害基礎年金をもらうことができたのですが、当時は、まだそれほど悪くなかったようです。
その後、だんだん悪くなって、障害等級2級に該当するようになりました。これを事後重症といいます。

●手続きしたときから

39歳で手続きをして年金をもらっている玉枝さん。ほんとはもっと早く手続きをすれば、もらえていたかもしれません。しかし、事後重症による年金には、さかのぼってもらうことはできません。
請求月の翌月からとなります。

●働いても年金カットはない?

障害年金には、在職老齢年金のようなしくみはありません。
基本的には、働いて収入があっても、年金が減額されることはありません。

●20歳前障害には所得制限あり!

ただし、20歳前障害には所得制限があります。
所得によって、2分の1停止、全部停止となります。
玉枝さんのような少ないパートの収入では、心配はありませんが。

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「障害年金をもらっている。働くと年金は減額されるのか」というような質問を受けた場合、どのような年金をもらっているのか、正しい情報で判断することが大切です。
最近障害年金をもらい始めたと言っても、20歳前障害による障害基礎年金であれば、所得制限があります。
20前障害でなければ、障害基礎年金や障害厚生年金には、所得による制限はありません。
安心して働けるということです。

玉枝さんも自分が年金をもられるなんて思わなかったのですが、もらえる年金をもらっていないという人も多いでしょう。
20歳前の病気が障害年金につながることを知らない人もいるでしょう。
実は障害年金に該当しているのに手続きしていなかったという場合、時効は5年ということに注意してください。
もちろん、事後重症の場合はさかのぼりはありませんが、事後重症ではなく、障害認定日にさかのぼって年金を請求する場合は、5年を過ぎてしまうと、その過ぎてしまった期間についての年金はもらえません。
「時効の撤廃」というのは、あくまでも、年金記録の訂正があった場合に限られます。手続きを忘れていた、知らなかったという場合は、5年の時効がありますので、間違えないようにしましょう。
該当するかもしれないと思ったら、早めに相談してみることです。

※ 障害共済年金は異なりますが、ここでは省略しています。
該当する人は個別に確認してください。

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■□■ お知らせ ■□■ 
●セミナー 50歳からのお金のはなし
「女性のセカンドライフプラン」 離婚で損をしないために
9月27日(木)10:00〜11:30
福岡県宗像市 赤間西コミュニティセンター
参加費無料 お問い合わせは 0940-38-9506
講師は菅野美和子です。

●日本FP協会福岡支部主催のFP継続研修
「FPとして知っておきた社会保険の動向と改正点」
10月20日(土)13:30〜16:45 北九州市毎日西部会館
講師は菅野美和子です
参加は日本FP協会の会員に限ります。申し込みは日本FP協会福岡支部へ

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