★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第160号 2007年10月1日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 専業主婦にとっては、バラの花束のように言われて登場した離婚時の年金分割制度。 確かに、1階の年金(老齢基礎年金)しかない妻が離婚する場合には、上乗せ年金となる分割制度は、よい仕組みであると言えます。 しかし、思ったほど、あてにはなりません。 ないよりある方がよいとは言えるけれど、それだけを頼りにはできません。 離婚時の年金分割は、もともとそんなに多くない年金をどのように分かるかという分け方の問題なのです。 年金でお得な方法というのは、結局、夫婦で仲良く元気に長生きするということなのでしょう。 ただし、年金では「絶対にこれで100%お得!」とは、どのしくみについても、言えないようです。 結果がどうなるか、わかりません。 何が起こるかわからない人生。年金もその都度、変わっていきます。 そのような年金制度ですが、基本を知って、節目節目に対応していきたいものです。 …………………………………………………………………………………………… 第160号 付加年金 ★★★ その力は100%発揮できる? ★★★ …………………………………………………………………………………………… 妙子さんは遺族厚生年金を受給しています。 会社員の夫が死亡し、そのあと、ふたりの子どもを育ててきました。遺族年金があって、ほんとに助かりました。 妙子さんは夫が死亡したあとは、パートの仕事など、何度か転職しましたが、現在は、近所のクリニックで受付や事務をしてます。小さなクリニックなので、社会保険には該当しません。ですから、妙子さんは国民健康保険・国民年金です。 これまで、生活が苦しいときも、国民年金保険料の免除はあえて受けませんでした。 免除を受けると将来もらう年金が少なくなるからです。 保険料を払えるときは払っておこう、それが老後の安心につながるのだからと妙子さんは思います。 そして、合わせて、付加年金の保険料も払っています。付加年金はとても有利な年金だと聞いたからです。 ●付加年金とは? 第1号被保険者のみが対象です。1階の年金(老齢基礎年金)の小さな小さな上乗せです。 ●保険料は? 保険料はプラス400円です。 物価スライドもなく、当面、保険料が変わる予定はありません。 ●年金はどのくらい増えるの? 200円×納付した月数です。 ●加入はいつからでもOK いつからでも加入できます。 また、いつ止めても問題ありません。 加入した月数だけ、加算されます。 ●入れない人もいる 第1号被保険者であっても、免除を受けている人、滞納している人、国民年金基金に加入している人は付加保険料を納付することはできません。 ●60歳から65歳未満の任意加入被保険者 年金をもらう権利がない人、あるいは年金額を増やしたい人は、60歳以降65歳未満の期間、国民年金に任意加入できますが、そのとき、付加年金にも入ることができます。 ただし、65歳以上で年金をもらう権利がなく、国民年金に任意加入する人は、入れません。 ●お得な年金 付加年金は1月400円の保険料が、1月当たり200円の年金として計算されるので、2年で元が取れるというしくみです。 お得な年金だといえます。 ●遺族年金をもらっていても 妙子さんは現在遺族厚生年金を受給中ですが、65歳以降は、自分の老齢基礎年金と遺族厚生年金を受給することになります。 付加年金は老齢基礎年金に上乗せされる年金ですから、付加年金も問題なく受け取れます。 ●障害年金をもらうことになったら? もし、65歳までに障害基礎年金をもらうことになれば、妙子さんは、これまで払った付加保険料は無駄になります。 障害基礎年金に付加年金は加算されません。 障害基礎年金を選択すれば、付加年金はもらえません。 ●遺族基礎年金 妙子さんには関係ありませんが、65歳以降も18歳年度末の子どもがいて、遺族基礎年金に該当し、遺族基礎年金を選択すれば、その間は、やはり付加年金はもらえません。 …………………………………………………………………………………………… これからどのようなことが待ち受けているか、予測はつきません。 老後に備えて付加年金に加入しても、障害基礎年金をもらい続けるようなことになれば、納付した付加保険料が生かされないということになります。 お金を払って生かされないというのはもったいないことですが、年金が保険である以上やむをえません。 付加年金に入らない方がいいと言っているのではないのですよ。 そんな年金のしくみを知っておいてほしいということです。 私自身は、付加保険料も払っています。 元気で長生きすることに備えているのです。 …………………………………………………………………………………………… ■□■ お知らせ ■□■ ●日本FP協会福岡支部主催のFP継続研修 「FPとして知っておきた社会保険の動向と改正点」 雇用保険改正、医療保険制度、年金制度についてお話しする予定です。 10月20日(土)13:30〜16:45 北九州市毎日西部会館 講師は菅野美和子です 参加は日本FP協会の会員に限ります。申し込みは日本FP協会福岡支部へ ※詳しくは、FPジャーナル9月号をみてください。 ●筑豊労働福祉事務所 女性のためのステップアップセミナー 第1回は10月10日〜第5回12月5日まで 時間は19時〜21時 第3回は11月7日。菅野美和子が担当します 「これからの働き方を考える」ライフプランづくりは、お金、健康、生きがいから イイヅカコミュニティセンター(福岡県飯塚市) 連絡先:福岡県筑豊労働福祉事務所 TEL0948-22-1149 FAX0948-22-4118 |