★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第175号 2008年3月11日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 日経トレンディネットに記事を書きました。 ねんきん特別便はあなたにも必ず届く 何をどう見る? 損をしないための準備 http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080226/1007474/ さて、引き続き、第3号被保険者の話題です。 今回は先日、受けた質問をヒントに書いてみました。 知らずに損をしている人も多いのです。 …………………………………………………………………………………………… 第175号 離婚したらどうなる? ★★★ 事実婚と第3号被保険者 ★★★ …………………………………………………………………………………………… 和子さんは結婚し出産したのちも、看護師として働いてきました。どころが、2年前、病気のために退職しました。 退職後は、治療に専念していました。健康保険も夫の扶養家族になり、国民年金は第3号被保険者です。 その後、いろいろなことがあり、今月、離婚しました。 しかし、しばらくは同居生活を続けます。今年の8月に子どもが留学のために家を出ることが決まっています。 それまでは同居を続けます。夫が生活費を出すことになっています。 和子さんは、これから、仕事と家を探す予定です。 和子さんには心配なことがあります。健康保険と年金です。 離婚したけれど、健康保険の扶養家族になっていてもいいのでしょうか。第3号被保険者のままでいいのでしょうか。 会社に離婚したことを届けないといけないのでしょうか。 夫は会社には知られたくないと言いますし、和子さんも、離婚したことは人に言いたくありません。 このままでいいのでしょうか。 ●第3号被保険者の要件 健康保険の扶養家族も第3号被保険者も、法律上の夫婦でなければならないという規定はありません。 ●事実婚でも大丈夫 事実婚でも、健康保険の扶養家族にも第3号被保険者にもなれます。 和子さんの場合は離婚したといってもまだいっしょに暮らしているのですから、法律婚から事実婚になっただけだと言えます。 ●届出は必要? 何も必要はありません。 第3号被保険者としては、「法律上の妻」も「事実上の妻」も同じ第3号被保険者であり、区分があるわけではありません。 ●名前が変わる場合は? 離婚により姓を変更するのなら、氏名変更届が必要です。 和子さんはこれまでの姓を名乗りますので、変更届は必要ありません。 ●事実婚の証明 事実婚で第3号被保険者として認定されるのには、証明が必要です。 その証明は住民票です。住民票の続柄を「未届の妻」、「未届の夫」としておくことです。 住民票を別々にしたり、続柄を「同居人」にすると、事実婚の確認ができない状態になるので、第3号被保険者として認定されないことになります。 ●その他には? 税法上、事実婚では、配偶者控除を受けられませんから、和子さんの夫は扶養控除申告書を出し直す必要があります。 別に、理由を書く必要はありません。 新しい用紙に記入して、出せばよいのです。 ●会社に言わなくていい? 結婚、離婚などは個人的なことです。 税法上、社会保険法上、変更がない限り、報告する義務はないでしょう。 …………………………………………………………………………………………… 離婚したことをまわりの人に知られたくない、会社にも知られたくないということはよくあります。 結婚は「おめでとう」でいいのですが、離婚の場合は、たとえ「おめでとう」というべき離婚であっても、当事者は傷ついています。 傷ついているとき、まわりから、いろいろと言われたくないし、そっとしておいてほしいものです。 和子さんの夫も会社に報告する義務はありません。 和子さんは第3号被保険者に引続きなれますので、そのままでよいのです。 戸籍は問題ではありません。 また、子連れで再婚したような場合、事実婚であっても妻は第3号被保険者になれますし、妻の子は夫と養子縁組をしなくても、健康保険の被扶養者にもなれます。 このようなことは、知らずにいる人も多いですね。 第3号被保険者になれるのなら、なったほうがよいのです。 第1号被保険者として保険料を納付しても、第3号被保険者として保険料を納付しなくても、将来もられる年金額は同じだからです。 ただ、いつまでも続く仕組みではないでしょう。 4月から始まる後期高齢者医療制度のように、「健康保険の扶養になれない」という制度が思わぬところで作られるかもしれません。 …………………………………………………………………………………………… ■□■ お知らせ ■□■ ●あなたに贈る年金のはなし「年金、もっと知りたいな。」 3月26日(水)18:30〜20:30 広島県福山市 広島県民文化センターふくやまホール 講師は菅野美和子です。 年金のことをもっと知ってほしいという想いが講演に! 参加チケットは900円です 菅野美和子の著書付きです。本が手に入り、話も聞ける! 主催 ソブラエティ toyota1124@soleil.ocn.ne.jp ●高齢者就業支援セミナー 「これからどうなる? 60歳以後のくらし、働きかた、社会保険!」 講師は菅野美和子です。 3月14日(金)13:30〜16:00 福岡市中央区 あいれふ 主催:福岡労働福祉事務所、福岡市(経済振興局産業政策部) 申し込みは福岡労働福祉事務所 092-735-6150 ●アサヒSR年金研究会からのお知らせ 年金相談研修 「年金相談(老齢編)の手順」」 4月13日(日)福岡市中央区 中央市民センター会議室 これからますます増える年金相談の研修です。 講師は、社会保険労務士 小林賢介氏(大阪府社会保険労務士会 会員) 社会保険労務士、FPの方へおすすめします。 → お問い合わせは、アサヒSR年金研究会 info@asahi-sr.com |