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知っておきたい年金のはなし    第189号 2008年8月1日発行

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暑中お見舞い申し上げます。
うんざりするくらい暑い毎日が続きます。ひどい夕立も続いています。

前回のメルマガで体調が悪いと書いてしまい、ご心配をかけました。
メールをいただきまして、ありがとうございました。
「家事はできなくていいが、仕事ができないで困る」と書いたところ、
夫に言われました。
「もともと、家事はしていないよ」
そんなことはないのですけれどね・・・

さて、今日は国民年金の免除について考えてみます。

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第189号 障害年金と法定免除
★★★ 免除はほんとにお得? ★★★
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40歳の和夫さんは病気がひどくなり、障害基礎年金を受給することになりました。
仕事はやめましたので、これからは障害基礎年金と妻の収入で生活していくことになります。
生活はきびしくなるので、国民年金保険料の支払いをどうしようかと思っています。
14,410円は大きな負担です。

和夫さんは障害基礎年金をもらっている人は国民年金保険料の免除ができると聞きました。
免除を受けられるのなら免除を受けたいけれど、何か不利になることはないのか、少し心配です。
さて、どうでしょうか。

●法定免除に該当!

障害基礎年金1級、2級を受給している人は、法定免除に該当します。
法定免除とは、届出をすると、所得などを確認することなく、保険料が全額免除になるというしくみです。

●障害基礎年金と法定免除

障害基礎年金は、その障害の状態に該当する限りもらい続けることができます。
障害基礎年金をもらっている人が65歳になると、同時に老齢基礎年金の権利も発生します。
しかし、両方はもらえません。
両方もらえないとわかって保険料を負担するのもつらいですね。
だから、障害基礎年金をもらっている人は、免除されるというしくみを作ったのでしょう。

●手続に期限はある?

法定免除の場合は、届出をすると、障害基礎年金を受けている期間は法定免除期間となります。
生活保護を受けている期間も同じです。
いつまでに手続をしないといけないというようなことはありません。
手続が遅れても過去にさかのぼります。

●免除した方がいい?

仮に40年間国民年金保険料を払ったとすれば、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れます。
しかし、障害基礎年金2級は、老齢基礎年金の満額と同じです。1級は25%割増です。
障害基礎年金を選択すれば、老齢基礎年金はもらえないので、自分で払った保険料が意味のないものになります。

●やはり免除だね!

ずっと障害の状態がかわらず、回復することがなければ、一生、障害基礎年金をもらうと考えて、免除でいいでしょう。
ところが、障害の状態が良くなれば?
当然障害基礎年金はもらえません。

●そうなると、老後の年金も必要だね

そうですね。
障害基礎年金をもらう続けることを前提として保険料の免除を受けても、障害の状態がよくなれば障害基礎年金はもらえなくなります。
免除期間の長い人ほど、老齢基礎年金は少なくなります。
免除を受けた期間に対する老齢基礎年金額は3分の1です。
そこをよく考えて決めてください。

●それは困る!

では、国民年金の保険料を払ったほうがいい?
しかし、そうとも言えません。障害年金をもらい続けることができれば、無駄になる・・・
卵が先か、にわとりが先かを考えるのと同じです。
繰り返し考えてもしかたないですね。
何をリスクとして考えるかだと思います。

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遺族年金をもらっている人が免除を受けている場合もあります。
遺族年金を受け取っていている人は法定免除ではありませんが、所得が少なければ申請免除に該当します。
遺族年金があるから、免除申請しておくという人もいます。
しかし、保険料の免除を受けていると、65歳以降の老齢基礎年金が少なくなり、結果として、少ない年金になってしまいます。

確かに免除は必要な制度です。
しかし、免除を受けることがどのような結果をもたらすかということをよく理解して選択してください。
失業し、年金の手続に行ったら、免除申請の用紙を出されたという話も聞きます。
未納を防ぐという意味でしょうけれど、免除がどういうことなのか、もっとしっかり説明してほしいですね。

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■□■ お知らせ ■□■
●インフォシーク 経済・時事コラムを書きました。
新しい少子化対策の子育て支援制度
http://www.loanginza.com/infoseek/column/trend/080722trend.cgi?mid=19

●8月のセミナー(福岡市)
8月26日10:00〜12:00 退職後の生活設計(実践編)
福岡県高齢者障害者雇用支援協会就業支援コーナー
http://www.f-shien.org/seminarInfo/index.html

8月30日 日本FP協会福岡支部継続研修「社会保険の改正点」
後期高齢者医療制度、年金記録問題など
対象者は、日本FP協会福岡支部会員です。