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知っておきたい年金のはなし    第193号 2008年9月22日発行

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厚生年金の標準報酬月額の改ざん問題。
今後、さらに問題は大きくなりそうです。

会社としての厚生年金への加入は、要件を満たすと強制です。法人の場合、たとえ社長ひとりであったとしても、厚生年金に加入しなければなりません。
事業を廃止すれば当然厚生年金から脱退しますが、保険料を滞納したら強制脱退などとは法律のどこを見ても書いてありません。

今でこそ、強制脱退をさせるということはないと思いますが、少し前まではありました。
保険料を滞納しているから強制的に脱退させられるということが。

今回問題になった標準報酬月額の改ざんも、保険料滞納事業所を脱退させるときに、起こっているようです。

改ざんも問題ですが、社会保険事務所による強制脱退も、問題として取り上げられてもよいのではないかと思います。

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第193号 国民年金の記録
★★★ もう一度よく見よう! ★★★
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久子さんは「ねんきん特別便」を受け取りました。
しかし、どうみてもよくわかりません。
厚生年金の記録は間違いないと思いますが、国民年金の記録については理解できません。

久子さんは、20代で結婚。夫はサラリーマンでしたが、国民年金には3年間任意加入しました。領収書もあります。
しかし、子どもが生まれていろいろとお金が必要になり、途中で、任意加入をやめました。

その後、法律が変わって、昭和61年4月から第3号被保険者となっています。
夫は同じ会社で、何度か支店間を転勤しているので、夫の年金記録にはいくつかの会社が書いてあります。
しかし、久子さんはずっと扶養されている妻でした。

久子さんの年金記録をみると、国民年金の未納期間が4年ほどあることになっています。
未納はしていないはずだけれど、どうしてこんなことになっているのでしょうか。

●国民年金は昭和36年4月から

昭和36年4月から20歳以上60歳未満の日本に住む国民が年金制度に加入できるように、国民年金が始まりました。
しかし、サラリーマンの妻は、いわば、取り残されていたような状態です。

●サラリーマンの妻は?

昭和61年4月、現在の2階建て年金制度がスタートするまで、サラリーマンの妻は国民年金へは任意加入でした。
入ってもよい、入らなくてもよい、どちらでもよいということです。
国民皆年金といわれながら、実質的には、皆年金にはなっていなかったのです。

●久子さんの加入記録

昭和61年3月までに久子さんには3年間の国民年金加入期間がありますが、途中で途切れていて、そのあとは何も書いてありません。
任意加入を止めたので、止めたときから61年3月までは年金の加入記録がないのです。

●昭和61年4月から

サラリーマンの妻は第3号被保険者となりました。
第3号被保険者は保険料を納付することなく、国民年金の保険料納付済期間となります。
しかし、第3号被保険者としての届出が必要です。

●届出を忘れることが多かった

健康保険の手続は会社でしますが、国民年金の手続は自分でしなければならない時代でした。
忘れていると第3号被保険者にはなれません。

●久子さんの記録

任意加入の期間と昭和61年4月以降の期間、すべて保険料納付済期間となっているはずなのに、記録上では滞納期間がどこかにあります。
なぜ、こんなことになっているのでしょうか。

●国民年金の加入記録

国民年金の加入記録を見ないとわかりませんが、任意加入したのに、間違いが生じて保険料納付済となっていないのか、あるいは、第3号被保険者の手続ができていなかったのでしょう。
久子さんは、ずっと夫の扶養家族だったのですが、夫が転勤するときに、第3号の手続をしていなかったのかもしれません。

●わかりにくい特別便

特別便ではこのようなことがわからないのです。
だから、ますます混乱するのだと思います。
国民年金については、加入月数だけではなく、滞納期間がどこに存在するのか、わかるように書いておくべきだったでしょう。
今から言ってもおそいのですが・・・

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私たちが気をつけるべきこととして、国民年金の加入月数と納付月数があわない場合は、どこで滞納しているのか、確認しておくことです。
特に、久子さんのように、「夫の扶養家族だった。第3号被保険者だった」と思いこんでいても、第3号被保険者の手続ができていないで、未納期間となっていることもあります。
しかし、そういったことは特別便ではわかりません。

第3号被保険者の届出漏れの場合は、今からでも届出できますし、健康保険の扶養家族となっていたのなら、簡単に手続できます。

国民年金の第1号被保険者や第3号被保険者の方には、今から特別便が届くと思います。
よく確認してくださいね。
社会保険事務所で国民年金の記録を出してもらうことも大切です。

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