★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第196号 2008年11月4日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 寒くなってきましたね。 寒くなると暑い方がよいと思ってしまいます。人間って、勝手なものですね。 さて、介護労働者の労働条件を改善するために、介護報酬を上げるという案が出ましたが、介護保険料アップもいっしょです。 1年目は保険料を据え置き、2年目からは2分の1据え置き、そして3年目からは介護保険に加入している人たちが全額負担するというものです。 後期高齢者医療制度と同じですね。 これから、どのようになっていくか、注目しておきたいところです。 さて、今日は、障害年金についてのお話です。 …………………………………………………………………………………………… 第196号 障害年金の併合・選択 ★★★ ふたつの障害で年金はどうなる? ★★★ …………………………………………………………………………………………… 58歳の花子さんは、精神的な障害のため、障害厚生年金3級をもらっています。 つらい症状が続いて、仕事もできなくなりました。 そんなとき障害厚生年金3級に該当することがわかり、年金をもらえるようになりました。 働けなくなっていた花子さんにとっては、少ないながらも、障害年金にはたすけられています。 ところが、その後、不幸なことに、花子さんは交通事故に遭いました。赤信号で、信号待ちをしていた車に乗っていて、後ろから追突されたのです。 そのときの事故が原因で、だんだん症状がひどくなり、身体の麻痺のために、歩行困難になってきました。 花子さんは思いました。身体が不自由になってきたので、3級の障害年金が2級や1級にならないのだろうかと。 現在は日常生活も不自由な状態で、これからは介護も必要になるでしょう。 年金は少しでも多い方がよいのです。 花子さんは60歳からの老齢厚生年金は障害者の特例に該当し、60歳から1階の年金(定額部分)と2階の年金(報酬比例部分)がもらえますが、それでも、多くはありません。 花子さんの年金はどうなるのでしょうか。 ●ふたつの障害 花子さんのように、ふたつの障害がある場合、最初の障害と後の障害を併せて障害等級を決定するというしくみがあります。 ただし、とても複雑ですので、ここでは、花子さんのケースで説明します。 ●最初の障害 花子さんは精神的な障害で、障害厚生年金3級に該当しています。 厚生年金加入中に初診日があり、1年6ヵ月後の障害認定日で、障害年金の請求をして3級と決定されました。 ●後の障害 交通事故は、仕事をやめた後、国民年金加入中のことでした。 受給できるとしても、障害基礎年金のみです。障害厚生年金には該当しません。 ですから、2級以上に該当しないともらえません。 ●障害厚生年金3級と障害基礎年金2級 花子さんの交通事故による障害が2級に該当すれば、障害厚生年金3級と障害基礎年金2級の権利を持つことになります。 ●初めて2級 2つ以上の障害を併せて、初めて障害等級2級以上に該当することになった場合は、「初めて2級」となります。 併合して2級以上になれば、新しい等級での障害年金がもらえます。 障害厚生年金3級と障害基礎年金2級では、障害基礎年金の1級になります。 ●では花子さんは障害基礎年金1級をもらえるの? ところが、3級と2級を併せて1級になる事例には条件があり、花子さんの最初の障害が精神的な障害ですから、「初めて2級」には該当しません。 ●花子さんはどうなるの? 交通事故による後からの障害年金を請求して、その障害年金を選択することになります。 障害基礎年金2級に該当すれば、792,100円です。現在の障害厚生年金3級よりは多いので、後で請求した障害基礎年金2級を選択します。 ●交通事故では要注意 花子さんの場合は、赤信号で止まっていた車に乗っていて、追突されたのですから、花子さんに過失はありません。 相手方に損害賠償責任があるわけですが、花子さんが損害賠償を受け取ると、最長で2年間、障害年金が支給停止になるという調整があります。 (個々のケースについては社会保険事務所でご確認ください) ●60歳からは3つの年金 後の障害が2級に該当した場合、花子さんには障害厚生年金3級、障害基礎年金2級、障害者特例による特別支給の老齢厚生年金(60歳以降)の3つの権利が発生することになります。 …………………………………………………………………………………………… 花子さんが交通事故にあったのは、国民年金加入中でしたら、実は、そのとき、国民年金保険料を滞納していました。 病気で働けず、国民年金の保険料を負担するのが大変でした。その後、免除の手続をしましたが、ちょうど滞納期間中の事故でした。 花子さんは、当然加入すべき期間のうち3分の1以上の滞納がなかったので、保険料納付要件には該当しましたが、実は、若いころの滞納が影響して、ぎりぎりだったのです。 もう少し、滞納期間が多ければ、障害基礎年金を請求することはできません。 こんなケースをみると、国民年金保険料の納付・免除等の手続は大切です。 さて、これからの花子さん、 2級に該当するかどうかわかりませんが、障害基礎年金の請求を行い、少しでも多い年金を選択することがプラスになります。 …………………………………………………………………………………………… ■□■ お知らせ ■□■ ● 地域団塊世代雇用支援セミナー 11月15日(土) 福岡市博多駅前2-10-19 福岡ファッションビル 「退職後の生活設計・実践編」 (10:00〜12:00) 講師は菅野美和子です。 個別相談あり。午後からは再就職お役立ち情報等のセミナーもあります。 45歳以上64歳位の方を対象としています。 参加費無料。 申込み 福岡県高齢者・障害者雇用支援協会 「地域団塊世代雇用支援コーナー」 電話 092-451-4150 FAX 092-474-1737 ● FPフォーラム2008 (福岡) お気軽にご参加ください! 11月9日(日)10:00〜17:00 アクロス福岡(福岡市中央区天神) 保険、年金、ライフプラン、金融、資産運用、相続などのセミナーを開催! 私の担当は「よくわかる年金記録の見方&公的年金の活用法」 10:15〜11:45の時間帯です。ぜひお越しください。 お問い合わせ 0120-725-012 日本FP協会福岡支部 すでに満席となっている場合もありますので、お問い合わせはお電話で。 |