★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第200号 2008年12月11日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 「知っておきたい年金のはなし」も200号を迎えました。 同じような話もあったでしょうけれど、200回も書いたのだなあと、あらためて感じます。 おつきあいいただき、ありがとうございます。 これからは、もっと難しいなと感じています。 新しい、気がつかない、そして役に立つ情報をどれだけお届けできるか。 とりあえず、コツコツ続けますので、これからもよろしくお願いします。 さて、先日、60歳の男性約80人を対象に、セミナーをさせていただきました。 年金については関心があるようで、とても熱心に聴いていただきました。 質問もたくさんありました。 加給年金の話もしましたが、夫婦の年の差と年金額について話題になりました。 …………………………………………………………………………………………… 第200号 夫婦の年の差と年金額 ★★★ 年下の妻ならお得? ★★★ …………………………………………………………………………………………… 秋男さんと冬彦さんは、来年、60歳になります。 これからも働き続けるのですが、60歳の定年以後は賃金が下がるので、実際に年金がいくらぐらいもらえるのか、気になっています。 社会保険庁から、年金見込額のお知らせを受け取っていますが、22歳から働いてきたふたりは同じような金額でした。 「これでは少ない」と思いました。しかし、会社の同僚などに聞いてみても、同じようなもので、間違ってはいないようです。 しかし、あるとき、社会保険庁で出された年金見込額のお知らせには、加給年金が入っていないと聞きました。 加給年金はいつからいつまでどのくらい加算されるのでしょうか。 秋男さんの妻は秋男さんと同い年です。誕生月も同じです。 冬彦さんの妻は12歳年下です。 「若い奥さんでうらやましい」と、よく言われました。 ふたりが受け取る年金額はどのようになるのでしょうか。 ●加給年金 加給年金とは、厚生年金から支給される家族手当というべきものです。18歳の年度末までの子(障害ある場合は20歳未満)や65歳未満の配偶者があれば加算されます。 (原則20年以上厚生年金加入、対象者の年収850万円未満が要件) ●妻に対する加算 妻には特別加算があり、昭和18年4月2日以降に生まれた人に、対象となる妻があれば、加給年金額は396,000円です。 これは大きいですね。 ●65歳未満の妻 ここでもう一度、妻の要件を確認します。65歳未満の妻が対象です。 ●いつから加算? 秋男さんと冬彦さんは、60歳から報酬比例部分の老齢厚生年金をもらい、65歳から老齢基礎年金をもらいます。加給年金額が加算されるのは65歳からです。 ●妻も65歳! 秋男さんが65歳になって、やれやれ、やっと加給年金額が加算されるというとき、妻も65歳になるので、秋男さんは、一度も加給年金をもらうことができません。 ●年下の妻 冬彦さんの妻は12歳年下です。冬彦さんが65歳になったとき、妻は53歳です。あと、12年加給年金額が加算されるわけです。 約40万円が12年分で約480万円です。 一度も加算されない秋男さんとは、こんなに年金額が違ってくるのです。 ●年下はお得? 加給年金額は加算されますが、冬彦さんが65歳になると、冬彦さんの妻は、第3号被保険者にはなれません。 65歳以降も引き続きお勤めして厚生年金に加入しても、妻は第3号被保険者にはなれません。 そうなると、第1号被保険者として国民年金の保険料を支払うことになります。 ●差引きすると 40万円の加給年金がもらえる。しかし、妻は、約17万円の国民年金を支払う。 40万円がまるまるお得になるということではないのです。 ●秋男さんの妻は? 秋男さんの妻はすでに、60歳を超えていますので、国民年金の保険料とは関係ありません。 秋男さんは、加給年金を一度ももらえませんが、65歳になった妻には振替加算が加算されます。 ●振替加算 冬彦さんの妻も65歳になれば振替加算がつきますが、若い人ほど振替加算は少なくなっていきます。もし、妻が65歳になるまえに、夫が死亡すると、振替加算もありません。 ●損得はわかりませんね! そうですね。 考え出すと、きりがありません。 今わかっている自分の年金額で生活設計をたてていくしかありません。 …………………………………………………………………………………………… 夫婦の年金は複雑です。 加給年金は、今後も必要でしょうか。 もらえたり、もらえなかったりで気をもむよりも、いっそのこと、家族手当という考え方をなくしてしまえば、どうでしょうか。 ただし、誰もがもらえる基礎部分を増やすという条件付きでです。 年金は世帯単位から個人単位へとしていく方が、わかりやすいのではないかと思います。 そして、安心して暮らしていける金額を保証してほしいものですね。 …………………………………………………………………………………………… ■□■ お知らせ ■□■ ●FPらぼ 通学セミナー(FP継続単位取得できます) 12月21日(日)福岡市中央区天神 都久志会館 「5時間でわかる公的年金の相談実務 〜年金達人FPになるために」 年金記録の見方を中心に相談事例から学びます。 講師:菅野美和子 http://61.126.30.194/school/school922_nenkinseido_apply.html ●2009年1月のセミナー予定(菅野美和子が講師を担当します) 21日 職業生活設計セミナー「退職後の生活設計(実践編)」 福岡市博多区 福岡県高齢者障害者雇用支援協会 24日 福岡県生活協同組合連合会主催 ライフプランセミナー (福岡県の生活協同組合で働く方が対象) 28日 エフコープ主催 北九州市 ウェル戸畑 「見落としていませんか? あなたの年金記録」 31日 ぐらんざ年金セミナー 福岡市中央区 ぐらんざ編集部会議室 |