★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第203号 2009年1月13日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 2009年は、事業縮小、人員整理、派遣切りなど、雇用不安で始まりました。 雇用の確保が最優先課題でしょう。 たまにあることですが、従業員の方から「解雇してほしい」と会社へお願いされることがあります。 「解雇してほしいと言ってきていますが、どう対応すればいいですか」と事業主さんから質問されます。 退職届に「解雇希望」と書いてあったこともあります。 解雇は希望するものでもなく、お願いするものでもなく、やむをえず、会社が決断するものです。 なぜこういうことが起きるのかというと、雇用保険の受給のしくみが原因です。 解雇なら、退職後すぐに給付金がもらえるし、給付日数も多い。 だから、退職後の生活を考えると解雇扱いにしてほしいということになるのです。 しかし、これを認めることはできません。 雇用保険の手続きは「本当の理由」でしなければ、不正受給となります。 悲しいことですよね。誰しも「解雇」されたくないと思うのです。 しかし、「解雇」でないと、すぐに給付金がもらえず、生活できないというのは・・・ 今日は、失業した場合の年金の手続きです。 …………………………………………………………………………………………… 第203号 失業と国民年金 ★★★ 免除制度を活用しよう ★★★ …………………………………………………………………………………………… 玲子さんは、大学を卒業してから、ずっと同会社で働いてきました。結婚し、出産しても、働き続けてきました。 子どもは春から小学生。ここまでなんとか仕事を続けてきました。 ところが、昨年末、会社の経営不振で、玲子さんの勤務していた支店が廃止されることになりました。 転勤していく社員もありましたが、全員は残れません。 玲子さんは県外へ転勤することは難しいので、退職しました。支店の廃止による事業主都合の退職です。 今年になって、ハローワークで仕事を探しています。しかし、このような情勢でなかなか仕事はみつかりません。 面接しても、採用されません。小さい子どもがいるということも、就職では不利になっていると感じます。 早く仕事をみつけたいと思っていますが、その間の健康保険料や国民年金保険料が負担です。 なんとか、ならないのでしょうか。 ●退職後の健康保険は? 退職後の健康保険は、任意継続するか、扶養家族になるか、国民健康保険に入るかです。 玲子さんが夫の扶養になれば健康保険料はかかりません。 しかし、雇用保険から失業給付(基本手当)を受給します。 基本手当日額が3612円以上あれば、扶養家族になれません。 玲子さんは扶養家族になれないので、健康保険は任意継続することにしました。 ●任意継続と国民健康保険料を比較すると 玲子さんはが保険料を比較してみると、任意継続が有利でした。 玲子さんには任意継続が有利でしたが、これは誰にでも当てはまることではありません。 国民健康保険料(税)は各市町村で異なりますので、直接、市区町村の窓口で確認してください。 ●国民年金は? 健康保険には任意継続というしくみがありますが、年金については、第1号被保険者として国民年金に加入しなければなりません。 つまり、14,410円の保険料を負担することになります。 ●第3号被保険者にはなれないの? 健康保険の扶養家族と同じです。雇用保険から基本手当を3612円以上受け取っている間は、第3号被保険者にはなれません。 ●免除制度 国民年金の場合、申請免除に該当すれば、免除を受けられます。 しかし、免除に該当するかどうは、本人と配偶者と世帯主の所得で審査を行います。 ●玲子さんの場合 玲子さんの場合は、世帯主であり配偶者である夫の所得と玲子さんの所得で審査されます。 所得とは、「前年の所得」です。 1月現在、玲子さんが免除の申請にいくと、2008年の所得はまだ確定していないので、2007年の所得で審査されることになります。 ●そのときはフルで働いていた! 当時、玲子さんはフルで働いていました。当然所得はあります。 悦子さん夫婦の所得を合算すると、免除になりません。 ●退職による特例 退職(失業)の場合、通常では審査の対象となる本人の所得を除外して審査を行うという特例があります。 ですから、玲子さんの所得は除外されます。夫の所得だけで審査されます。 ただし、夫の所得が基準を超えていると、免除にはなりません。 全額免除は無理だとしても、半額免除などありますので、あきらめないで、確認してみましょう。 ●手続きは? 失業していることが確認できる書類を持っていきましょう。雇用保険受給資格者証や離職票です。 …………………………………………………………………………………………… すぐに仕事がみつかるとよいのですが、なかなか就職できない場合は、保険料などが負担になってきます。 住民税も納付しなければなりません。 国民年金の保険料については、失業の場合は、本人の所得を除外して審査するという特例がありますので、知っておくとよいですね。 国民年金の保険料は納付するにこしたことはないのですが、どうしても大変なときは、手続きを取っておきましょう。 若い人ほど、大切ですよ。 万が一、事故に遭い、障害年金をもらえないことになってしまうと大変ですから。 …………………………………………………………………………………………… ■□■ お知らせ ■□■ ●ぐらんざ年金セミナー 「損をしない年金のもらい方と活用法」 講師:菅野美和子 1月31日(土)13:00〜15:00 (参加費無料) ぐらんざ編集部会議室 (福岡市中央区) お問い合わせは 092-711-3166 ●講演会開催のお知らせ エフコープ主催 「見落としていませんか? あなたの年金記録」 講師:菅野美和子 1月28日 10:00〜12:00 ウェル戸畑(北九州市戸畑区) 2月12日 10:00〜12:00 福岡県中小企業振興センター(博多区吉塚本町) 連絡先 092-947-9003 エフコープ組合員活動部 エフコープの組合員さん以外の方も参加できます。 |