★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第204号 2009年1月21日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ どんなことでもそうですが、勉強するときは、まず、テキストや資料を読みます。 しかし、実践となると、テキストや資料からの知識だけでは、わからないこともありますよね。 年金もそうです。 頭の中ではわかっていることでも、実例に出会うと、とまどうことがあります。 年金受給に関する第三者の証明もそうでしょう。 いろいろな事実を証明してもらえる人として、「民生委員」とは書いてありますが、いったい民生委員という人が、年金を受給するときに、証明書を書いてくれるのでしょうか。 今日は、そんなお話です。 …………………………………………………………………………………………… 第204号 年金をもらうための証明 ★★★ 民生委員ってどんな人? ★★★ …………………………………………………………………………………………… 須美子さんには一人暮らしの姉がいます。病気で入院していましたが、先日、入院先の病院で亡くなりました。75歳でした。長い間一人暮らしだったので、須美子さんが何かと世話をしてきました。葬儀も出しました。 死亡後のいろいろな手続きも須美子さんが行いました。 年金の手続きもありました。 1月に死亡した姉の老齢基礎年金12月と1月分は、須美子さんが受け取ることができると説明を受けました。 しかし、いっしょに住んでいなかったので、未支給年金の請求書では、「生計同一証明」として、誰かの証明が必要だと言われました。 相談窓口では「民生委員さんにお願いしたら」と言われましたが、誰に証明を書いてもらうとよいのでしょうか。 民生委員とはどんな人でしょうか。 顔も知らない民生委員が証明を書いてくれるのでしょうか。 ●誰に証明してもらう? 事業主、町内会長、隣組長などの他、入院していた病院の医師や看護師、利用していた介護事業所の管理者など、いろいろな人が考えられます。 ●具体的には? 須美子さんの場合は、お姉さんの入院先でお願いしてもいいでしょう。 毎日のように病院に来ていた須美子さんが、家族として面倒みていたということはわかります。 介護保険を利用していたなら、ケアマネージャーでもいいでしょう。ケアマネージャーは家族の事情もよく知っている人です。 ●事情を知っている人にお願いする 以前はある程度の肩書のある人にお願いしないといけませんでしたが、今では、隣の人、同じ町内の人、職場の同僚、友人などでも認められるようになっています。 ●民生委員もその対象者 証明をお願いできる人の中に「民生委員」があります。 ●民生委員とは? 民生委員とは、こんふうに説明書きがあります。 社会奉仕の精神を持って、常に住民の立場になって相談に応じ、及び必要な援助を行い、社会福祉の増進に努めることを任務として、市町村の区域に配置されている人。 「民間の奉仕者」と言われています。 ●地域の民生委員は誰? 民生委員に連絡したいと思っても、誰が民生委員なのか、わかりませんね。 私が子どものころ、町内で「民生委員」という表札を見た記憶がありますが、今ではそんな表札もありません。 ●市区町村役場へ連絡を 市町村役場へ連絡をすると、役所から担当の民生委員へ連絡が入り、民生委員から連絡が入ることになっているそうです。 個人情報保護の観点から、民生委員の連絡先は教えてくれません。 ●連絡を取ったら証明してくれるの? 証明してくれるとは限りません。 知らないことは証明できないですものね。 証明を拒否されることもあります。 ●頼りになるのは誰? こうなると、苦労して民政委員に連絡しても、意味がないということもあります。 いざというときに証人になってくれるような人を、日頃から意識したおいた方がよいのでしょうね。 …………………………………………………………………………………………… 須美子さんの場合は、そんなに深刻に考えるケースではありませんが、事実婚の証明では、誰に証明をしてもらうかで迷うこともあります。 年金の世界では、法律婚ばかりではなく、事実婚(戸籍上届出を出していない夫婦)であっても、夫婦として認められ、加給年金や遺族年金が支給されます。 法律婚は、戸籍謄本で証明できますが、事実婚の場合は婚姻関係を証明しなければなりません。 いろいろなケースがありますが、事実婚であるという「申立書」を出さなくてはならないケースもあります。 (申立書がいるかどうかについては、それぞれのケースで確認してください。) その申立書には第三者の証明が必要です。 こういうときに、誰が証明してくれるかです。 テキストや資料には「民生委員」と書いてありますが、民生委員に証明を求めるのも、実は難しいことかもしれません。 昔のように、地域の人がみな顔見知りということであればよいのですが、今は、隣の人もわからない時代です。 民生委員だからといって、担当地域全員のことはわかりません。 民生委員をされている方が言われていたのですが、民生委員はとても大変な仕事だそうです。(しかも無報酬です。) 地域では、ひとり暮らしなどで、誰からも注意を向けられない人が増えています。 そういう人に民生委員の力が必要になるのでしょうけれど、とても手がまわりません。 大変な委員の引き受け手も減っているとか。 このような状況で、知らないことであれば、証明など書けないでしょう。 知らないことを、うかつに知っているとも言えません。 …………………………………………………………………………………………… ■□■ お知らせ ■□■ ●講演会開催のお知らせ エフコープ主催 「見落としていませんか? あなたの年金記録」 講師:菅野美和子 1月28日 10:00〜12:00 ウェル戸畑(北九州市戸畑区) 2月12日 10:00〜12:00 福岡県中小企業振興センター(博多区吉塚本町) 連絡先 092-947-9003 エフコープ組合員活動部 エフコープの組合員さん以外の方も参加できます。 ●ぐらんざ年金セミナー 「損をしない年金のもらい方と活用法」 講師:菅野美和子 1月31日(土)13:00〜15:00 (参加費無料) ぐらんざ編集部会議室 (福岡市中央区) お問い合わせは 092-711-3166 |