☆ 最新号 ☆
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

知っておきたい年金のはなし    第213号 2009年4月12日発行

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

昨日、定額給付金申請書が届きました。
景気対策としては疑問がありますが、辞退することもないので、申請書を送りました。
しなしながら、多くの経費がかかっていることは、申請書をみてもわかります。

口座振り込みで給付金を受け取るためには、通帳のコピーの添付が必要でした。
間違いや悪用を防ぐためでしょうが、通帳のコピーを送るというのは、ちょっと心配なことでもありました。

さて、4月生まれの方には、ねんきん定期便も届いているのではないかと思います。
ねんきん特別便にはなかった情報がありますので、再度、チェックが必要です。
それでは、チェックポイントをお話しましょう。

……………………………………………………………………………………………
第213号 ねんきん定期便チェックポイント
★★★ 標準報酬月額の確認は? ★★★
……………………………………………………………………………………………

真理子さんは59歳。4月生まれです。
さっそく、ねんきん特別便が届きました。

厚生年金加入期間は30年。
加入記録にまちがいがないということは、特別便で確認していました。
しかし、びっしり書かれている厚生年金の標準報酬月額についてはよくわかりません。

真理子さんは、おかしいような気がしてなりません。
生命保険会社に勤めていた真理子さんは、かつては、かなりの収入を得ていました。

給料は、歩合制でした。
成績のよかった真理子さんは、収入も多かったのです。

100万円程度収入のあった月もありました。
しかし、そんな記録はどこにもありません。
記録が改ざんされているのではないかと心配になってきました。

●厚生年金の記録

定期便には、厚生年金に加入していた各月の標準報酬月額が記載されています。

●標準報酬月額とは?

厚生年金保険料を計算する基礎となる「年金上の給料額」といってもいいでしょう。
給料は残業代などで毎月変動しますが、実際の給与の額を基準にすると、手続き等が煩雑になってしまいます。

●年に一度の見直し

年に一度、標準報酬月額を見直し、大きな変動がない限り、1年間同じ額で保険料を計算することになっています。
この標準報酬月額で年金額も計算されます。

●4月から6月に支給された給与で決定

現在は、4月、5月、6月に支給された給与の平均で決定します。
9月分から改定です。
(以前は、5、6、7月の給与で、10月改定でした。)

●記録をよくみて

9月で標準報酬月額が変更になっているというのは、このためです。
通常、翌年の8月まで同じです。

●途中で2等級以上の変動があれば

基本給など固定的な給与が変動した場合、3ヵ月の平均をとって、標準報酬月額が2等級以上変更になれば、4ヵ月目から改定します。

●歩合給の場合

真理子さんは歩合給でした。
歩合給は固定的な賃金の変動ではありません。
ですから、多かった、少なかったといって、その都度、標準報酬月額を改定することにはなりません。

●対象月の給与が少なければ?

たまたま4月、5月、6月は少なく、その他の月は多いということもありますね。
少なければ、1年間の保険料も少ないということになります。
そして、年金額もその低い標準報酬月額で計算されるということになります。

●標準報酬月額には最高額がある

真理子さんの収入は確かに多いです。
しかし、どんなに多くても、標準報酬月額には上限(最高額)があるのです。

●100万円の給料でも

現在の上限は62万円です。
100万円の給料であっても、標準報酬月額は62万円。
ここをわかっておかないと、「年金記録の改ざんだ」なんて思ってしまうかもしれません。

●標準賞与額とは

これはボーナスの記録です。
ただし、ボーナスの記録があるは平成15年4月以降です。
これも知っておかないと、ボーナスの記録がないと思ってしまうかもしれません。

……………………………………………………………………………………………
厚生労働省にわかりやすい資料があります。
標準報酬月額の変遷です。
これは便利です。
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/teikibin/pdf/standard.pdf

昨年、標準報酬月額に関する相談を受けたとき、各年の上限を調べて、自分で表を作りまいした。
古い資料を探し出して、一覧表を作り、けっこう大変でした。
しかし、ねんきん特別便の開始にあたって、とても便利な資料ができていました。
これがないと、記録がおかしいという問い合わせが増えるに違いありません。

……………………………………………………………………………………………
■□■ お知らせ ■□■ 
●コラム掲載
インフォシーク マネーコラム 経済・時事コラム 「失業にどう対応する?」を掲載中
http://www.loanginza.com/infoseek/column/loan/past_loan.cgi?mid=19

●助成金活用セミナー
4月28日に福岡県生活協同組合連合会主催で、助成金活用について講演します。
新しい助成金や改定情報をお話します。
福岡県生活協同組合連合会の会員向けです。
会員生協に所属する方は無料で参加できます。
http://www.fukuoka-coop.net/