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知っておきたい年金のはなし    第216号 2009年6月1日発行

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私の住む福岡では、マスク姿もまばらです。
実際にマスクが必要であっても、売り切れで、手に入りませんが。

新型インフルエンザは、観光地などにも影響を与えています。
私の仕事も、いつ影響を受けるか、わからないです。
セミナー中止! なんてならないようにと思います。
早く、安心できるとよいですね。

4月、5月生まれの人には、すでにねんきん定期便が届いています。
今月は、6月生まれの人にも届きます。
しかし、この定期便、わかりにくいと思います。

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第216号 ねんきん定期便
★★★ これまで払った保険料 ★★★
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5月生まれの留美さんは30歳になりました。
そして、ねんきん定期便を受け取りました。

記録は間違っていないようです。
大学を卒業後、すっと会社勤めです。 標準報酬月額が間違っているかどうかはわかりません。
しかし、昇給にしたがって、標準報酬月額も上がっていますし、また、ボーナスの記録も夏冬あるし、間違いがないように思います。

これまで納付した保険料は合計で約200万円でした。
そして、もらえる年金は約30万円。20年間の受け取り総額は約600万円と書いてあります。
(実際には「約」ではなく、1の位まで書いてあります。)
「200万円の保険料で600万円もらえるのならいいじゃないか」と留美さんは思いますが、会社の同僚はそうは言いません。

「ほんとにもらえるの?」
「私たちの老後はわからないよ。」
「この記録もあやしいかも・・・」

留美さんも心配になってきました。
正しいのか、間違っているのか、これからどうなるのか、リーフレットをみても、ますますわからなくなるばかりでした。

●ねんきん定期便は3種類

ねんきん特別便には、50歳未満用、50歳以上用、そして年金受給者用の3種類があります。
留美さんが受け取った定期便は50歳未満用で、これまでの加入期間、加入実績に応じた年金額、保険料総額が書いています。

●保険料総額

保険料総額とは、これまで納めた保険料です。
納付した保険料の合計額が書いてあります。
留美さんの総額は約2,001,235と書いてありました。

●厚生年金保険料は?

留美さんは、学生時代は納付特例を利用してきましたので、国民年金保険料の納付額はゼロです。すべて厚生年金保険料です。
厚生年金保険料は、会社と本人が折半します。
定期便に書かれている保険料は、本人負担だけ。
実際には、倍の保険料が支払われていることになります。

●受取額は?

50歳未満の人は、現在の加入実績に基づいた金額です。
年金をもらうためには、25年の受給資格期間が必要です。
それを満たさない場合は、もらえません。
ですから、書かれている金額は保障されているものではありません。

●20年間の受取額

「仮に20年間受給した場合の合計額」が書いてあります。
留美さんのような若い人は、年金の受け取りは65歳からとなりますので、85歳まで生きた場合ですね。
なぜ、わざわざ、20年間として書いてあるのでしょうか。
お得であることを示すためでしょう。

●比べてみると

留美さんのケースでみると、200万円の保険料を負担して、年間30万円の年金をもらうとすれば、7年で元が取れるということになります。
しかし、会社負担分も入れると、元を取るのに、14年かかります。
65歳からスタートして、79歳です。
(保険料や年金額の変動などは考慮していません)

●国民年金保険料

保険料総額の中には、付加保険料を納付した人は、それも含まれています。
前納の場合は、割引額を控除して、追納の場合は、加算額を加算して計算されています。
追納していない期間については、含まれていません。
サラリーマンの妻など、第3号被保険者の人は、もともと保険料負担がありませんので、納付額には入っていません。

●厚生年金基金に加入している人

保険料総額には、免除保険料は除かれています。
免除保険料とは、厚生年金基金へ納付する保険料のことです。

●なんだか、複雑ですね!

そのとおり。疑問があれば、必ず、確認しましょう。

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ねんきん定期便が届けば、確かに、自分の年金について、実態がよくわかるでしょう。
そういう意味ではよいのですが、問題もあります。

ひとつはわかりにくいため、いろいろな誤解が生じるのではないかということです。
たとえば、夫の扶養になっている人で、国民年金の保険料は夫が納めていると勘違いしている場合があります。
なぜ、保険料納付額がゼロになっているのかなどの問い合わせもあるでしょう。

厚生年金基金に加入している方は、保険料が少ないとか、年金額が少ないとかという問い合わせもあります。
また、共済組合加入期間が長い方についても、年金額が少ないなど、心配の種になることもあるでしょう。

ねんきん特別便、ねんきん定期便には、莫大なお金がかかっています。
相談窓口での増設など、違ったところにお金をかけてもよいのではないでしょうか。

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