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知っておきたい年金のはなし    第224号 2009年9月19日発行

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定期便の読み方がわかります。
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詳しくはホームページをご覧ください。
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さて、今日のお話をはじめます。

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第224 遺族基礎年金と寡婦年金
★★★ 両方もらえるの?  ★★★
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麻子さんは50歳です。
結婚当初からずっと、夫と二人で喫茶店を続けてきました。
夫婦ふたりの小さな店でしたが、なんとか、ここまで生活を支えてくることができました。

ところが、先日、夫ががんで亡くなりました。
健康診断に行かないのがいけなかったのでしょうが、気がついたときは手遅れでした。
55歳でした。
麻子さんと17歳の息子が残されました。

これから、麻子さんはひとりで店をやっていかねればなりません。
しかし、ひとりで営業するのは無理なことで、営業時間を短くするか、従業員を雇うか、考えています。
どちらにしても、生活は大変になります。
麻子さんの遺族年金はどうなるのでしょうか。

●亡くなった人の条件

まず、亡くなった夫について確認します。
夫はずっと国民年金でした。一度も厚生年金に加入したことはありません。
国民年金の保険料は支払っていました。
苦しいときは免除を受けたこともありますが、亡くなるまでに保険料を納めた期間が30年ありました。

●遺族基礎年金

麻子さんの夫は、厚生年金に加入したことがありませんので、考えられるのは遺族基礎年金のみです。
遺族基礎年金をもらうことができるのは、子のある妻、子です。

●子どもの条件

子どもと言っても18歳の年度末までの子です。障害のある子どもの場合は、20歳未満の子です。

●17歳の子どもがひとり

現在、高校生である17歳の息子がいます。
すべて条件を満たしているので、麻子さんと息子に遺族基礎年金の権利が発生します。
しかし、ふたりとももらえるのではなく、妻である麻子さんが優先して受け取ることになります。

●でもあと少し

現在、息子は17歳。18歳の年度末、つまり高校を卒業するまで、あと1年ちょっとです。
大学進学を目指しているので、これからも息子の教育費が必要です。
高校を卒業するところで、遺族年金が終わるなんてあんまりだと、麻子さんは思います。
そのあとは、もう何もないのでしょうか。

●寡婦年金

麻子さんの夫のように、自営業で、国民年金に加入していた人が亡くなった場合には、寡婦年金があります。

●その要件は

亡くなった夫に25年以上の保険料納付期間(あるいは免除期間)がある、婚姻期間10年以上あるなどの一定の条件を満たしていれば寡婦年金の権利ができます。
ただし、実際に支給されるのは、60歳以降です。
寡婦年金が支給されるのは60歳から65歳未満の間です。

●麻子さんはどうなの?

寡婦年金の条件にはあてはまっています。
夫は30年間、国民年金の保険料を納めていますし、結婚して25年。
障害年金も受け取る暇なく、夫は亡くなってしまいました。

●60歳から

だから、麻子さんは60歳以降、寡婦年金を受けることができます。

●遺族基礎年金をもらったのに?

寡婦年金には、遺族基礎年金をもらった人はもらえないという条件はありません。
同じ時期に、遺族基礎年金と寡婦年金をもらえるのであれば、いずれか選択です。
しかし、麻子さんの場合は、受け取る期間は重なっていません。
だから、両方もらえることになるのです。

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麻子さんは、息子が高校を卒業するまで遺族基礎年金をもらい、60歳以降は寡婦年金をもらい、65歳からは自分自身の老齢基礎年金をもらうことになります。
これまで自分自身の国民年金保険料は納付してきましたが、今後もきちんと納めていきましょう。
そうしないと、65歳からの老齢基礎年金が少なくなってしまいます。

しかし、それにしても、年金だけでは足りません。
もともと、遺族基礎年金とは、子どもの養育を目的とした年金ですので、子どものいない妻の生活を保障するものではありません。

麻子さんは今後も働いていくことになりますね。
病気をしないように気をつけてほしいものです。
もし、今後、再婚したら、寡婦年金はもらえませんよ。

※遺族基礎年金や寡婦年金の要件は、話を簡単に進めるために、詳細を省いていますので、ご了承ください。

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■□■ お知らせ ■□■ 
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