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知っておきたい年金のはなし    第244号 2010年5月24日発行

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毎日、いろいろなことがあるもの。
仕事に慣れてくるにつれて、だんだんと見えてこなくなることがあります。

自分にとってはあたりまえのことであっても、人によってはあたりまえでないこともあります。
つい、そういった人の気持ちがわからなくなってしまうのです。

先日も、これではいけないと反省しました。
どんな人にでも、わかっていただけるように、丁寧な対応が必要です。

今回は、保険料控除についてです。
わかっている人にはなんでもないことでしょうが、意外にわかりにくいことのようです。

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第244号 社会保険料の仕組み
★★★  保険料控除とそのタイミング ★★★
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文江さんは再就職しました
すぐにでも来てほしいということだったので、3月28日から働きはじめました。
正社員です。

給料は20日締めの翌月10日払いです。
5月10日に給料を受け取りました。
月の中途から働いたので、給料は1ヵ月分ありません。
それはわかっていますが、引かれていた社会保険料の多さにびっくり。
2ヵ月分、引かれているのです。

それに3月は国民健康保険と国民年金の保険料も払っていました。
3重に取られているような気がして、文江さんは、納得できません。

●社会保険料控除の原則

社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は当月分を翌月の給与から控除することになります。
つまり、3月分の保険料は4月支給分の給与から控除します。

●支給月の前月分保険料

給与支給月の前月分の保険料を控除すると考えると、わかりやすいでしょう。
5月10日が給与支給日なら、5月10日の給与からは4月分の保険料を控除します。
これが正しい保険料控除の仕方です。

●保険料は?

標準報酬月額に保険料率をかけて、折半します。
社会保険料に日割という考え方はありませんので、1日に入社しても、月末に入社しても同じ金額です。

●月末入社はなんだか損をしているのでは?

4月30日に入社しても4月分の保険料は必要です。
しかし、年金の計算では、入社日(資格取得日)にかかわらず、1ヵ月とカウントします。
だから、損をしているわけではありません。

●なぜ2ヵ月分も払うの?

文江さんは3月28日に入社したので、4月10日支給日の給料はありませんでした 5月10日に、3月28日から4月20日までの給与を受け取ります。
社会保険には3月から加入したことになりますが、3月分を4月に控除できませんでした。
そこで、5月10日は3月分と4月分の保険料をまとめて控除することになります。
すなわち2ヵ月分です。
間違いではありません。

●介護保険料

文江さんは5月1日生まれです。今年の5月1日で40歳になりました。5月10日に支給された給与から介護保険料が引かれていました。
5月が誕生日なのに、4月分から負担するのはおかしないなあと思います。

●1日生まれの人

1日生まれの人は、法律上、前月末日に40歳に到達したことになります。
文江さんは、4月30日で40歳なので、4月分から介護保険料を負担しなければなりません。

●5月10日支給分の給与から

3月分の健康保険料と厚生年金保険料
4月分の健康保険料と介護保険料と厚生年金保険料
以上のように控除されました。

●支払った国民年金

3月分は国民健康保険料と国民年金保険料を払っていました。
3月分の国民年金保険料は還付されます。
期間が重複するので、還付請求しましょう。

●国民健康保険料

保険証が届いたら、国民健康保険課へ届を出してください。
払い過ぎた保険料は還付されます。
ただし、3月に支払った保険料と同額とは限りません。

●市区町村によって異なります

国民健康保険料は、市区町村によって異なりますが、1年分(4月から翌年3月まで)の保険料を6月から翌年3月まで10回に分割して納付します。
1回の支払い分が1ヵ月分ということにはなりません。

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会社の人事担当者の方もこのメルマガを読んでいただいているようです。
今回の内容を読んで、自社の処理と違うなという場合は、再度、見直してみてください。
年金記録問題が注目される中、いつからいつまで保険料を控除したかということは とても重要なことなのです。
どこまできちんとしておかないと、いつまでもおかしなことになってしまいます。

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さて、最近、メルマガを発行する日がまちまちになってきました。
すでに240回以上も年金のはなしを書いたことになります。
何を書くかということで、けっこう悩みます。
書き始めると、早いのですが。
いつもだいたい、1回分、2時間程度で仕上げています。
なるべく、定期発行をめざします。

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■□■ お知らせ ■□■
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5時間でわかる公的年金 年金達人FPになるために
5月29日(土)福岡にて(その他、全国の日程は下記HPを参照してください)
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内容としましては、事例をたくさん入れる予定です。
事例研究は年金の復習・理解への早道です。
http://www2.fplabo.co.jp/school/school922_nenkinseido3_apply.html
リピーター割引、早期申込割引などの割引制度がありますので、HPをご覧ください。
お席に限りがありますので、ご連絡はお早目に。満席の場合は、ご容赦ください。

●アサヒSR年金研究会からのお知らせ
5月30日(日)13:00〜16:30  次の日曜日です
福岡市中央区 中央市民センター
「ビジネスにつながる年金(年金業務で収入を得て食べていけるか)」
アサヒSR年金研究会は大阪の社会保険労務士小林賢介氏の主催です。
会員外のオープン参加も受け付けています。
お問い合わせは アサヒSR年金研究会 → info@asahi-sr.com