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知っておきたい年金のはなし    第251号 2010年9月1日発行

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行方不明になった高齢者問題に端を発して、戸籍上、生き続いてきた人たちがあきらかになってきました。
江戸時代から「生き続けて」きた人もいるわけですね。
これは行政の管理の問題であって、年金をもらっているわけではないので、年金問題には発展しません。

ところで、8月生まれの私にも2回目のねんきん定期便が届きました。
簡易版のねんきん定期便は、かえってわかりにくいような気がします。

直近の13ヵ月分についての記録が書いてあるのですが、
私の場合は、国民年金の保険料納付月数が24月となっています。
13月で24月? それは、1年分まとめて納付しているからです。
よくみると、前納付11月と書いてあります。

見ればわかるのですが、もう少していねいな説明があってもよいように思いました。

さて、2回目の定期便を1回目の定期便と比べてみると、気が付くことがありますよ。

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第251号 年金見込額
★★★ 定期便を比べてみると・・・ ★★★
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優子さんにねんきん定期便が届きました。
優子さんは53歳の主婦です。
3年前までお勤めをしていたのですが、思わぬ病気で退職しました。
現在は、夫の扶養家族となって、第3号被保険者です。

優子さんに2回目の定期便が届きました。
1回目が届いたとき、これだけの年金で暮らしていくのかと、がっかりしました。
意外に少なかったのです。
「夫婦ともに長生きしていくしかないね」とは夫と話し合っていたところです。

2回目の定期便が届きました。
優子さんは、昨年の定期便と比べてみました。
比べてみてびっくり!

年金額はまったく同じです。
1年間、第3号被保険者として年金に加入してきたはずでは?
よくみると、保険料総額もまったく同じです。

これは何かの間違いでしょうか?

●50歳以上の人の定期便

50歳以上の人の定期便は、60歳まで現在の年金制度に加入した場合の見込み額です。
50歳の人なら、今度10年間、ずっと同じ年金制度に加入した場合の見込み額が書いてあるのです。

●優子さんのばあい

優子さんは第3号被保険者です。
60歳までずっと第3号被保険者であればという前提で、見込額が出ています。

●昨年と今年

昨年の定期便でも60歳の見込み額
今年の定期便でも60歳の見込み額
だから、見込額は同じです。

●保険料総額

第3号被保険者の場合、保険料はゼロです。
だから、昨年と比べても保険料総額も同じです。

●月数だけが増える

第3号被保険者は保険料納付済期間となるので、保険料納付済月数だけが増えています。
「納付月数が増えるが、保険料は増えず、年金も増えず、さてこのわけは?」なんて、謎解きか、年金ミステリーという感じですね。


優子さんの夫はあと2年で定年です。
定年で仕事をやめれば、優子さんも第3号被保険者を続けられません。
そのあとは、第1号被保険者として保険料を納付しなければなりません。

●納付しないと

未納のままになったり、また、免除を受けたりすると、見込額より少なくなります。

●厚生年金に加入している人

厚生年金に加入している人は、今後、給料やボーナスが下がると、年金見込額も下がります。
つまり、この見込額は保障されている金額ではないのですね。

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50歳未満の人は実績に基づいた年金額が表示されるので、保険料を納付しているのであれば、毎年、年金額が増えていくことを実感します。

50歳以上の人も、毎年増えていくという実感が必要かもしれません。
毎年同じものが来る、これは無駄だとか、保険料を納める気が失せたとか、年金額が減るのはおかしいとか、かえって不信感を招くことになるかもしれません。

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■□■ お知らせ ■□■
●アサヒSR年金研究会からのお知らせ
9月26日(日)13:00〜16:30 
福岡市中央区 中央市民センター
今回のテーマは「年金事務所での相談窓口業務(老齢編)の手順」です。
4〜5回のシリーズで予定しています。
年金相談を仕事としたいと考えておられる方はぜひ、ご参加ください。
(仕事のあっせんではありません)
会員外のオープン参加も受け付けています。
お問い合わせは アサヒSR年金研究会 → info@asahi-sr.com

●エフピー研究所の継続教育講座
5時間でわかる公的年金 年金達人FPになるために
9月25日(土)福岡(担当講師:菅野美和子) 
年金を事例で学びます。
基礎から、重点ポイントまでをわかりやすく、お話します。
http://www2.fplabo.co.jp/school/school922_nenkinseido3_apply.html

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偶然みつけたのですが、全国健康保険協会大阪支部が発行しているメルマガがあります。
健康保険に関する情報が届くのですが、社労士や人事担当の方にとっては、情報源としてよいメルマガだと思います。(あくまでの私の感想です)
大阪支部のホームページから申し込むことができます。無料メルマガです。