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知っておきたい年金のはなし    第259号 2010年12月15日発行

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今年もあとわずか。早いものです。

今週は年金相談会が続きます。
相談会の現場に立つと、見えてくることがたくさんあります。

依頼が来る限り、どんなに忙しくても相談員の仕事は続けたいと思っています。
年金相談員は私の原点でもあります。

さて、今日は、ちょっとつらい相談内容です。

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第259号 加入期間の不足
★★★ 年金をもらうためには、あと何年? ★★★
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芳彦さんは、58歳です。
ねんきん定期便には、年金額が記入されていません。
なぜかというと、年金をもらうために必要な25年の受給資格期間がないからです。

現在、芳彦さんは会社に勤めています。厚生年金加入です。
あと、10年働かないと年金はもらえないと言われました。

10年後は68歳です。
幸い、会社は、仕事ができる限り、雇ってくれるようです。
しかし、体力が続くかどうか・・・病気もあります。

しかし、そこまでがんばらないと無年金になってしまうのです。
なぜ、そんなことになってしまったのでしょうか。

●国民年金の手続きをしないままに

芳彦さんは何度も転職しています。
転職の間に、空白期間があります。 そこは、国民年金に加入すべきところ、手続きもせず、保険料も払わず・・・
そのままにしていたのです。

●受給資格期間の不足

その結果、厚生年金の加入期間を合わせても11年とちょっと。
25年には程遠いです。

●特例あり!

芳彦さんの年代の人には、厚生年金受給資格期間の特例があり、厚生年金の加入期間が21年あれば受給権が発生します。
ただし、国民年金ではだめなのです。
厚生年金だけで21年です。
ですから、あと10年厚生年金に加入すれば、年金をもらう権利が発生します。

●それまで働ける?

芳彦さんの会社は、65歳で定年ということはありません。
仕事ができるなら、そのあとも働くことができます。
でも、病気などで、働けなくなったら・・・

●厚生年金からはずれたら

そのあとは国民年金に加入して25年を満たさなければなりません。
21年ではなく、25年です。

●25年になるの?

芳彦さんには過去に2年ちょっと国民年金の加入期間があります。
65歳時点でもし退職したら、国民年金2年、厚生年金18年なので、その後に5年、国民年金に加入しなければなりません。
ぎりぎり70歳になる前に、25年になる計算です。

●仕事を辞めてからの保険料はきつい!

そうですね。仕事をやめて、年金はなく、その年金をもらうために、毎月保険料を納付するのは大変です。
任意加入だから、免除もできません。

●年金をもらうため!

しかし、それをしないと年金はもらえません。
これまで払った保険料も無駄になるのです。

●なんとしても働き続ける

芳彦さんの場合は、とにかく68歳まで、年金の受給権ができるまで、働き続けること。
それしかありません。

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老後、年金がないと、不安になるもの。
これまで払った保険料を無駄にしないためにも、働き続けることですね。

退職して国民年金加入となれば、さらに加入期間も長くなります。

実は、芳彦さんは、会社に入ったとき、今から厚生年金に入っても年金はもらえないから、厚生年金には入らないでいいと言ったそうです。

でも、それは会社としてはできない相談です。
加入条件を満たした人は、加入させなくてもならないし、健康保険だけ入る、厚生年金だけ入らないとは言えません。
だから、芳彦さんは保険に加入しているのですが、先は長いです。

これまで保険料を払ってこなかった本人の責任とはいえ、なんとか、救済できないのでしょうか。

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■□■ お知らせ ■□■
●来年度のセミナー予定
1月22日(土)福岡県生活協同組合連合会 ライフプランセミナー
1月30日(日)エフピー研究所 継続教育セミナー(福岡)
2月7日(月)シルバー人材センター 就業支援セミナー

ご参加いただけるセミナーについては、ご案内いたします。