★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第312号 2013年7月24日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ わかるようでわからないのが、年金の支給開始年齢。 女性の中には、男性同様、支給開始が遅れると勘違いしている方もおられます。 60歳第前半で受け取れる年金をもらえないとの勘違いもけっこうあります。 毎年、定期便が届くようになり、50歳以上の人は、年金見込額や支給開始年齢を確認できるようになりました。 でも、わかりにくいようです。 また、まわりの人がもらっているとか、もらえないとか聞くと、ますますわからなくなってしまうということもあるようです。 今回は「年金はいつから?」がテーマです。 …………………………………………………………………………………………… 第312号 年金の支給開始年齢 ★★★ いつからもらえる? ★★★ …………………………………………………………………………………………… 加奈子さんは64歳になりました。 現在は年金制度に加入していませんので、ねんきん定期便は送られてきません。 ずっと前に「特別便」を受け取ったことはありますが。 加奈子さんは自分で国民年金に加入したことはありません。 結婚して、専業主婦となり、途中で手続きして、サラリーマンの妻(第3号被保険者)として国民年金に加入しました。 その後、夫が退職し、自営業をはじめ、2年後に事業を法人化したという経緯があります。法人化したときに、また加奈子さんは第3号被保険者となりました。 しかし、夫が自営業をしているその間、国民年金保険料は未納となっています。何の手続きもしていません。 第3号被保険者期間は全部で20年ほどです。 加奈子さんは、「加入期間が25年にならないと年金はもらえない」と友達に言われて、年金事務所で確認したことがあります。 昭和61年3月までのサラリーマンの妻の期間を「カラ期間」として加えることができるので、年金はもらえると言われました。 65歳から老齢基礎年金を受け取れると加奈子さんは理解してきました。 ところが、最近になって、独身時代に加入していた厚生年金の記録がみつかりました。13か月です。 若い頃だったし、小さな会社だったので、社会保険に加入していたのかどうか覚えていなかったのですが、思いがけないことから、加入記録がみつかったのです。 加奈子さんいつから年金をもらえるのでしょうか。 すでに64歳です。 ●50歳以上の人のねんきん定期便 50歳以上の人で、これまでの年金制度への加入期間(保険料納付済期間や免除期間)が25年(300月)以上ある人は、定期便に支給開始年齢と見込額が書いてあります。 その年齢が年金の支給開始年齢です。 ●何も書いていない定期便 50歳以上の人で、定期便に年齢や見込額が書いていないこともあります。 自分自身の加入記録で25年(300月)に満たない場合は、年金見込額が書かれていません。 ●加奈子さんの定期便は? 加奈子さんは60歳以上で、すでに年金制度に加入していないので、定期便は送られてきません。 仮に定期便を受け取ったとしても、300月未満なので、年齢や金額は書いてありません。 ●もらえないとは限らない サラリーマンの妻の期間などカラ期間があれば受け取れますので、定期便に何も書いていないから年金をもらえないということではありません。 ●老齢基礎年金 老齢基礎年金の支給は65歳からです。 65歳時点で25年(300月)の受給資格期間を満たしていれば、65歳からもらえます。 ●老齢厚生年金 老齢基礎年金を受け取れる人で、厚生年金加入期間が1ヵ月以上あれば65歳から老齢基礎年金に上乗せしてもられます。 ●特別支給の老齢厚生年金 老齢基礎年金をもらえるだけの年数を満たしていて、なおかつ厚生年金加入期間が1年以上あれば、65歳前でも老齢厚生年金を受け取れます。 これを特別支給の老齢厚生年金といいます。 ●生年月日で 特別支給の老齢厚生年金は60歳から65歳になるまでの間ですが、支給開始年齢は生年月日や性別によって異なります。 ●加奈子さんはいつから? 厚生年金加入期間がなければ、65歳から老齢基礎年金を受け取るということでした。 ところが厚生年金の記録がみつかったのです。 老齢基礎年金の受給資格があり、なおかつ1年以上の厚生年金加入期間があるので、60歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れるのです。 ●60歳にさかのぼって? そうです。加奈子さんの支給開始年齢は60歳です。60歳にさかのぼって受け取れます。 ●今64歳だけど・・・ 60歳から支給されるはずの年金をまとめて受け取れます。 13ヵ月分なので、期待できる額ではないと思いますが。 とにかく、すぐに手続きに行ってくださいね。 …………………………………………………………………………………………… 50歳以上の人は、年金の支給開始年齢を定期便で確認しましょう。 50歳以上の人で、定期便に年齢や金額が記載されているということは、年金をもらえる権利が確認されているということなのです。 もし、何も書いてないのであれば、一度調べてみましょう。 カラ期間は、今のところ、定期便には反映されていませんが、カラ期間を使ってもらえることがあります。 加奈子さんのように、国民年金だけと思っていた人に1年以上の厚生年金加入期間がみつかれば、支給開始年齢も異なってきます。 年金は原則として5年以上前の分はもらえませんので、手続きが65歳以降になれば、損をすることもあります。 本来の支給開始年齢で手続きをしても損をすることはありません。 本来の支給開始年齢を再度確認しておきましょう。 加奈子さんのように年金記録がみつかったという人は注意が必要です。 …………………………………………………………………………………………… ■□■ お知らせ ■□■ ●保険市場にて年金コラム担当中「女性と年金」 女性にとって役立つ情報をお届けします。 私の担当ではありませんが、自営業、会社員向けのコラムもあります。是非ごらんください。 http://www.hokende.com/static/pension/features/woman/ ●FP専門家ネットワーク「マイアドバイザー」にてコラム掲載中 「ライフプラン別コラム」女性と社会保険を担当しています。 http://www.my-adviser.jp/column/index_cat.php?cat=5 ●書斎りーぶる主催 「やさしくためになる すがのみわこの くらしとおかねカフェ」 8月19日(月) 19:00〜20:30 お仕事帰りにお立ち寄りください。 福岡市中央区天神 「書斎りーぶる」にて 参加費500円(コーヒーとクッキー付き) お申し込みは「書斎りーぶる」へ。 http://www.shosai-livre.com/main/welcome.html |