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知っておきたい年金のはなし    第316号 2013年10月1日発行

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高視聴率に終わったテレビドラマ「半沢直樹」の話題はつきません。

私も途中から見ました。

同じ時間帯に韓国ドラマがあったので、最初のうちは見ていませんでしたが、録画して見るようになりました。

とにかくおもしろくて、一生懸命見ました。

最後の終わり方はすっきりしませんでしたが、あれが現実でしょう。

今度は、頭取と半沢直樹が対決することになるかもしれませんね。

それはともかく、「倍返し」という言葉が流行語になりそうですね。

今日は、私も「年金は何倍返しか」をテーマにします。

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第316号 保険料と年金額
★★★ 年金は何倍返しか? ★★★
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奈々子さんは中学を卒業して働きはじめました。
10年後、25歳のとき、今の夫に出会って結婚しました。
結婚後は専業主婦となり、3人の子どもを育ててきました。

奈々子さんはもうすぐ60歳。年金をもらえる年齢になりました。

ねんきん定期便をみると、60歳からの年金は17万円です。
「17万円とは、年額ですよね?」と奈々子さん。

もちろんそうですよ。
月額であればいいのですが、残念ながら、「年金額」は1年で受け取る年金額です。

「10年働いて、これだけですか。」と奈々子さん。
はい、これだけです。

奈々子さんは、とても生活している金額ではないと思い、年金制度に対して不信感が出てきました。

●60歳から受け取る年金

奈々子さんが60歳から受け取る年金は、特別支給の老齢厚生年金です。
特別支給の老齢厚生年金には定額部分(1階部分)と報酬比例部分(2階部分)がありますが、奈々子さんの世代は60歳から報酬比例部分(2階部分)の年金を受け取ります。

●なんだか少ないね

報酬比例部分(2階部分)の年金は、厚生年金加入中の給料の平均と厚生年金加入期間(月数)によって決まります。
つまり、給料が多いほど、加入期間が長いほど年金額は増えます。
※給料とは、標準報酬月額(年金計算上の基準となる給料)のことです。

●奈々子さんの給料

中学を卒業して働き始めた奈々子さんの給料(標準報酬月額)は、ねんきん定期便をみればわかります。
2万円とか、3万円とか、数字が並んでいます。
昔のことですし、それも中学卒業後の給与で、この金額だったのです。

●再評価をする

だたし、当時の賃金水準と今の賃金水準は異なるので、現在の水準に評価をし直します。(再評価と言います)
ですから、2万円、3万円という数字がそのまま使用されるわけではありません。

●その結果

いろいろ複雑な計算をしますが、その結果、出てきた年金額が17万円だったのです。
記録が正しければ、年金額は間違ってはいません。

●なんだかがっかり

奈々子さんはがっかりしています。
当時は少ない給料から保険料を払っていたのに、これくらいしかもらえないなんて・・・と奈々子さんは思います。

●保険料は?

奈々子さんの定期便をよくみてみましょう。
これまでに払った保険料が書いてあります。
厚生年金保険料は約33万円でした。(本人負担分)

●年金は何倍返し?

確かに年金額は少ないですが、払った保険料と比べると、2年で元が取れることになります。
2年以降、長生きすると、年金はいったい何倍返しになるでしょう。

●第3号被保険者期間もある

奈々子さんには第3号被保険者期間もあります。
ですから65歳以降は年金額も増えます。
第3号被保険者は自分では保険料を払わないけれど、年金を受け取れる制度です。

●100倍返しは無理だとしても

100倍返しは無理でも、長生きすれば、何十倍返しにもなります。
奈々子さん、これでも年金制度は頼りにならないと思いますか。

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保険料を払うくらいなら払わずに貯蓄をしておくほうがよいといわれる方もあります。
実際には、年金制度へは強制加入ですので、自分で払わないという選択はできませんが。

貯蓄には多少の利息はつきますが、貯蓄した額しか使えません。

しかし、保険は必要になったときには、負担した保険料以上の給付が受けられることがあるのです。

何倍返しになるかは、いろいろです。
それが保険です。

ただし、何倍返しであっても、必要な生活費をまなかえる額が保障されるというわけではありません。各家庭で必要な生活費は異なります。

公的年金だけでは不足するお金に早く気が付いて備えるということが大切でしょう。

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■□■ お知らせ ■□■

●福岡県古賀市主催 男女共同参画セミナー

「これからのくらしと年金」 講師:菅野美和子
10月5日(土)10時〜12時 古賀市役所にて 参加費は無料
知っておくときっと役に立つお話をお届けします。
お申込みは 古賀市役所総務課男女共同参画係 092-942-1260
お近くにお住まいの方、ご参加ください。

●書斎りーぶる主催 「やさしくためになる すがのみわこの くらしとおかねカフェ」

10月21日(月) 19:00〜20:30 お仕事帰りにお立ち寄りください。
福岡市中央区天神 「書斎りーぶる」にて 参加費500円(コーヒーとクッキー付き)
「103万円の壁・130万円の壁」
年末に向けて収入調整をする方も多いのでは? その調整、必要ないかもしれませんよ。調整しても、扶養からはずれてしまうこともありますよ。
正確な情報で確認しましょう。
パートタイマーの多い会社の人事担当者へもおすすめです。
お申し込みは「書斎りーぶる」へ。
http://www.shosai-livre.com/main/welcome.html

●保険市場にて年金コラム担当中「女性と年金」

女性にとって役立つ情報をお届けします。

http://www.hokende.com/static/pension/features/woman/

●FP専門家ネットワーク「マイアドバイザー」にてコラム掲載中

「ライフプラン別コラム」女性と社会保険を担当しています。

http://www.my-adviser.jp/column/index_cat.php?cat=5