★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第325号 2014年5月1日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 引き続き、4月からの年金改正についてです。 数項目の年金改正が実施されましたが、これまで問題となっていた点について改善されたという項目が多いです。 あたりまえのことができていなくて、あたりまえに改善されたといってもいいかもしれません。 制度としておかしい、不合理だと声をあげていくことが法改正につながる証とも思えます。 そのひとつとして付加保険料の改正があります。 …………………………………………………………………………………………… 第325号 付加年金・付加保険料 ★★★ 実は煩雑な手続きだった ★★★ …………………………………………………………………………………………… 付加年金はお得な年金だと奈々子さんは理解していました。 40歳の奈々子さん、会社を退職し、自分でお店を始めたときに、国民年金の手続きをして、同時に付加年金の手続きもしました。 付加年金がどのような年金か、セミナーで話を聞いて知っていたからです。 これを利用しない手はないと思いました。 国民年金の保険料は毎月、納付書で納めていました。 前納制度を利用したこともありますが、やはりまとまったお金は負担になります。割引にならなくてもよいので毎月納付が便利でよいと、奈々子さんは思っています。 奈々子さんは、ひとりで雑貨のお店を経営しています。 しかし、お店の経営はきびしいです。 好きな仕事ですが、世の中がきびしい状態になると、生活必需品でないものの売れ行きに影響します。 奈々子さんは老後の生活を考えて国民年金の保険料をきちんと納めてきましたが、資金繰りが大変になって、保険料を期日までに納められなかったことがありました。 そのあと、少し遅れて全額納付したのですが、付加年金がおかしなことになってしまったのです。 ●国民年金保険料の納め方 現在は口座振替、クレジットカード支払いなどの方法があり、前納も2年分まで可能になっています。 ●付加年保険料 国民年金の第1号被保険者(免除者は対象外)は、付加保険料を納付することができます。将来付加年金が上乗せされます。 ●付加年金とは? 月額400円の保険料を払い、本来の老齢基礎年金に「200円×付加保険料納付月数」の年金額が上乗せされます。 ●40年加入すると 20歳から60歳まで40年間付加保険料を払ったとすれば、19.2万円の保険料を払い、年額9.6万円の付加年金を受け取れます。 ●2年で元を取る 物価の上昇などを考えなければ、2年で保険料分を取り戻せるという有利な制度です。 ただし、額は少ないですけれど・・・ ●加入期間に制限はない 付加年金は任意です。入りたいときに加入し、途中でやめることもできます。 加入した月数分で年金は計算されます。 ただし、老齢基礎年金の資格期間(現在は25年)を満たさないと、年金はまったくもらえません。 ●付加年金を希望するときは? 国民年金課に申し出てください。年金手帳を持っていきましょう。 その後、付加保険料を加えた納付書が届きます。 ●納付期限 国民年金保険料の納付期限は、翌月末日です。 5月分の保険料は6月末までに納付します。 ●期限を過ぎたら 期限をすぎても納付することはできます。 延滞金もつかないし、特に問題はありません。 ●付加保険料は違う ところが、本体の国民年金保険料は問題ないのですが、付加保険料は翌月末日までに納付しなかった場合は、加入を辞退したものとみなされていました。 ●保険料は返還 仮に5月分の保険料を7月以降に納付すれば、400円の付加保険料は返還されるという仕組みです。 ●還付を受ける手続きと再度加入する手続き 400円の還付手続きをしなければなりません。 そして、これからも付加年金に加入したいというときは、再度の申し出が必要となります。 奈々子さんはこの手続きをしたのです。 ●これは不合理 こんなめんどうなことをして何がプラスになるのでしょうね。 そこで今回の法改正です。 付加保険料についても、国民年金保険料を同じ取扱いで、過去2年分納めることができるようになりました。 …………………………………………………………………………………………… なぜ、こんなめんどうな制度を作ったのでしょうね。 付加年金は、お金を払う国としては、あまりおすすめしたくない制度であるからかもしれません。 これまで、付加年金に加入する人には、うっかりして保険料の支払いを忘れてしまうことがあると困るので、口座振替にしてくださいとお話していました。 今回の法改正はあたりまえのことでしょう。 あたりまえがすぐに改正できないところ、それが法律なのでしょうね。 国民年金の第1号被保険者で、国民年金の保険料を支払っている人には、付加年金への加入をおすすめします。 あと400円の保険料を検討してみてください。 ただし、国民年金基金に加入している人は入れません。 また、免除期間になった場合は、付加保険料だけ納付するということはできません。 私は国民年金の第1号被保険者です。もう長い間、付加保険料を払っていますよ。 …………………………………………………………………………………………… ■□■ お知らせ ■□■ ●FP専門家ネットワーク「マイアドバイザー」にてコラム掲載中 「年金ミステリー」 年金のミステリアスな世界をお届けします。 http://www.my-adviser.jp/column/index_cat.php?cat=5 ●書斎りーぶる主催 「やさしくためになる すがのみわこの くらしとおかねカフェ」 毎月、くらしとお金にかかわるテーマでお話しています。 次回は2014年5月15日(木) 19:00〜20:30 福岡市中央区天神 「書斎りーぶる」にて 参加費500円(コーヒーとクッキー付き) 今回のテーマは「配偶者控除廃止で女性の働き方はどうなる?」 配偶者控除廃止案が出されています。控除の廃止で受ける影響は? 女性の働き方は変わるのでしょうか? |