★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 知っておきたい年金のはなし 第326号 2014年5月19日発行 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 平成26年度は、いろいろな年金改正が行われました。身近なものもあります。 6月21日(土)に福岡で、エフピー研究所主催で「5時間でわかる公的年金」を開催します。 今回は、改正点を盛り込みます。理解していただけるように、事例でお話します。 興味のある方はホームページをご覧ください。 http://www.kyoukara.jp/school/detail.php?id=87 さて、厚生労働省に寄せられる「国民の声」。 4月公表分で年金に関する声が発表されていました。 第3号被保険者についてです。 「第3号は廃止するべき。主婦も保険料を支払うべき。」 「第3号を継続するべき。専業主婦は子育てなどの事情があってのこと。所得のない主婦に保険料を納めさせるのはとんでもない。」 第3号については意見が分かれます。 きっとまとまらないでしょうね。 …………………………………………………………………………………………… 第326号 第3号被保険者 ★★★ 年の差婚にはきびしい制度 ★★★ …………………………………………………………………………………………… 花子さんの夫は64歳で退職し、1年が経過しました。現在65歳です。 退職後の収入は夫の年金だけとなりました。 夫が終日家にいるようになったので、花子さんは息がつまってしまい、パートで働くようになりました。 花子さんの夫も、退職後しばらくはよかったものの、だんだんと家にいることに退屈してきました。 そんなとき、前の会社の取引先から声がかかり、夫は嘱託職員として働くようになりました。 さて、働き始めたので、夫は再び健康保険・厚生年金に加入し、57歳の花子さんは扶養の手続きをしました。 夫婦の健康保険料や花子さんの国民年金保険料の負担が重かったので、勤め先で社会保険に加入できてよかったと花子さんは思いました。 ところが、花子さんは扶養家族としての健康保険証は受け取ったものの、第3号被保険者にはなれませんでした。 どうして? 扶養家族なのに・・・と花子さんは思いました。 ●国民年金には3つのグループがある 国民年金では、加入する人々を、第1号、第2号、第3号の3つのグループ(種別)に分けています。 ●第1号被保険者 20歳以上、60歳未満の第2号や第3号ではない人で、日本国内に住んでいる人。 無職、自営業、学生などです。 ●第2号被保険者 勤め先で厚生年金や共済年金に加入している人。65歳未満の人です。 ●第3号被保険者 第2号の人に扶養されている配偶者で、20歳以上60歳未満の人です。 ●第2号被保険者には年齢の上限があるの? そうです。65歳までです。 ●厚生年金には70歳まで加入するのに? 厚生年金のある会社でお勤めしている人は65歳以降も厚生年金加入です。(70歳まで) 65歳までは厚生年金と国民年金に加入しています。 しかし、65歳以降は、厚生年金には加入するけれど、国民年金には加入しなくなるのです。 ●保険料は安くなるの? 保険料は同じです。(これは割り切れませんね。) ●扶養されている妻 第3号被保険者とは第2号被保険者に扶養されている妻です。 夫が65歳になって第2号からはずれてしまうと、60歳未満であっても、妻は第3号にはなれません。 ●花子さんは第1号に 夫が就職して、花子さんは健康保険の扶養家族となりましたが、年金は第1号のままです。 花子さん、60歳になるまで、保険料を払ってくださいね。 ●年の差婚にはきびしい制度 第3号被保険者は有利な制度ですが、年の差のある夫婦で、年下の配偶者が第3号被保険者の場合、第3号期間は短くなります。 …………………………………………………………………………………………… 気を付けておきたいことは、この話にも複雑な例外があることです。 65歳以降厚生年金に加入している人が、第2号になれる場合があります。 それは、65歳時点で年金の受給権がない人。 65歳で老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取るには、保険料を払った期間や免除を受けた期間などが25年(原則)あることが条件です。 受給権のない人が、65歳以降厚生年金に加入すれば、受給権ができるまで(25年を満たすまで)第2号被保険者となれます。 夫が第2号となれば、妻も第3号になれます。 年金の受給資格がない人が65歳以降に就職したときは、妻の第3号の手続きも忘れずにしてください。 夫が65歳を過ぎているからその妻は第3号ではないと考えて、手続き忘れをしないように気をつけたいですね。 第3号被保険者は60歳未満ですので、60歳を過ぎたら第3号にはなれません。 国民年金の加入期間が不足するときや、年金額を増やしたいときは、任意加入の手続きをしてください。 ほんとに年金は複雑です。 …………………………………………………………………………………………… ■□■ お知らせ ■□■ ●エフピー研究所主催 FP継続教育セミナー「5時間でわかる公的年金」 6月21日(土)10時〜16時 福岡市中央区天神 リピーター割引などありますので、お問い合わせください。 http://www.kyoukara.jp/school/detail.php?id=87 ●FP専門家ネットワーク「マイアドバイザー」にてコラム掲載中 「年金ミステリー」 年金のミステリアスな世界をお届けします。 http://www.my-adviser.jp/column/index_cat.php?cat=5 ●書斎りーぶる主催 「やさしくためになる すがのみわこの くらしとおかねカフェ」 毎月、くらしとお金にかかわるテーマでお話しています。 次回は2014年6月19日(木) 19:00〜20:30 福岡市中央区天神 「書斎りーぶる」にて 参加費500円(コーヒーとクッキー付き) |