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知っておきたい年金のはなし    第332号 2016年1月5日発行

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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今年最初のメルマガは、今年の年金について、最も注目すべき点をお知らせします。

みなさんが直接影響を受けるのは年金額ですね。

年金額は毎年4月に改定がありますが、4月からの年金額には、マクロ経済スライドが実施される予定です。

「マクロ経済スライド」なんて言われると、なんだか、むずかしそうです。

そもそも、年金額は、前年の物価の動きや賃金水準によって毎年4月に決定されます。
物価や賃金水準が上がれば年金額も上げる、下がれば下げるというものです。

平成16年の改正で、マクロ経済スライドの導入が決定されました。
これは物価や賃金以外の要因、平均余命の伸びや現役人口の減少を年金額に反映させるという仕組みです。

つまり、平均余命が伸びれば支給する年金額が増えるので、年金額を下げる、現役人口が減少すれば保険料収入も減るので年金額を下げるということです。

もちろん、平均余命が短くなれば年金を上げる、現役人口が増えれば、年金を上げるということになりますが、少子高齢社会において、年金額が増える要因は、当分考えられません。

このマクロ経済スライドは導入されたものの、これまで実施されていませんでした。

なぜ、実施されていなかったのでしょうか。
それは、物価スライド特例による年金額が解消されてからが実施するとなっていたからです。

現在支給されている年額は「物価スライド特例」による年金額です。
過去に物価が下がったときに年金額を下げなかったことがありました。政治的な配慮があったのでしょう。
現在は、本来の水準より高い水準の年金額が支給されています。
(計算上の話で、高いという実感はないですね)

そして、今年の4月で特例水準が解消される予定です。
だから、マクロ経済スライドを実施することになるのです。

本来は物価が上がれば年金額も上がります。
26年度の物価は上昇しました。
でも「年金額は上げない」と言うのです。

具体的な金額は1月末ごろ、発表されます。
まさに、年金額を下げる仕組みが実施されようとしています。

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メールマガジン「知っておきたい年金のはなし」では、新しい情報をお届けするとともに、よくある疑問など、みなさんの疑問に答え、ごいっしょに年金について考えていきたいと思います。

私の最初の著書「年金もっと知りたいな。」を出版するにあたって、出版社である株式会社BKCの北村さんがこんなふうに言われました。

「知っておきたい年金のはなし」を読んだときに、これを本にしたいと考えたのは、単なる年金の解説ではなく、年金制度を通じて、社会への問いかけがあったからだと。

2冊の著書を出版してくださって北村さんは、残念なことに事故でお亡くなりになられましたが、今一度、その言葉を心に刻んで、単なる年金の解説ではないメルマガを、今年も書いていきたいと思います。

よろしくお願いします。

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