第2回 マネープランはお早めに

◆我が家の資金計画づくりを

あなたの会社には、資金計画がありますね。売上の見込みや経費の見込み。資金繰り表が必要です。それと同じように、我が家の資金計画を作ってみましょう。

まずは現状の把握から。我が家の資産はどのくらい? 預貯金や金融商品など、資産を書き出してみましょう。住宅ローンなどの負債もチェックしておきます。

次に、入ってくるお金を考えてみましょう。定年までの給与と退職金、どのくらいを見込めますか。生命保険の満期金など、一時的に入ってくるお金はありますか。

そして、出て行くお金を見積もりましょう。毎月決まってかかる生活費、毎月ではないけれど、固定資産税など毎年必要なお金、車の買い替えなど数年に一度まとまって必要なお金、子どもの教育費などがありますね。入ってくるお金、出て行くお金、差引すると、60歳時に資産はいくら残っていますか。この時点でマイナスになっていると、大変です。

◆公的年金だけでは不足する

60歳時の資産と60歳以降に必要な生活費をくらべてみると、どのくらいのお金が不足しているかわかります。ただし、不足分すべてを自分で用意する必要はありません。

ここで登場するのが、公的年金です。公的年金は、セカンドライフの土台となります。では、いつからいくらぐらいもらえるのでしょう。

公的年金制度は全国民共通の老齢基礎年金(1階)とサラリーマンに対する上乗せである老齢厚生年金(2階)という2階建てのしくみです。厚生年金基金に加入している人は、2階の上にさらに上乗せ(3階)があります。

わかりにくいのは、生年月日によって、年金をもらいはじめるスタートラインが違うこと。60歳で定年になっても、すぐに全部の年金をもらえません。今年60歳になる人は、まず2階の年金をもらい、1階(定額部分)をもらうのは、65歳になってから。つまり、60歳からは本来もらう年金の半分ぐらいしか、もらえないことになります。スタートラインを確認しましょう。昭和36年4月2日よりあとに生まれた男性は、65歳まで年金をもらえません。60歳が定年だとすると、5年間は収入のない空白期間となってしまいます。気になる年金額については、55歳以上の方は、社会保険事務所等で教えてもらいましょう。厚生年金基金に加入している場合は、支給開始年齢と金額を、基金でも確かめておきましょう。

◆働くこともひとつの方法! 自分にあった対策を

定年後の「収入もない、年金もない」期間のお金をどうするか、また、その後の不足額をどうするか、60歳になってあわてなくていいように、早めに対策をたてましょう。

年金を早くもらうこともできますが、年金額が減額されて、一生少ない金額になってしまいますので、要注意! 対策としては、空白期間を補う個人年金など保険を活用する、投資で資産を増やす、地道に貯蓄をしておくなど考えられます。それから、60歳以降「働く」という方法も! 妻が専業主婦の家庭では、妻も働くことによって、キャッシュフローが大きく改善される場合があります。生きがいづくりもかねて、働いて収入を得ることも選択肢のひとつです。思い切って自分へ投資をして、資格や技術を身につけ、定年後に起業することも、ひとつの方法として考えられますね。

準備は早いうちに! 保険に入ろうと思っても、いつでも入れるものではありません。金融商品の運用も、時間をかけて成果がでる場合もあります。まず、マネープランをたてて、自分にあった対策を検討しましょう。