第9回 パートナーと向き合う


◆誰と暮らしたいですか?

セカンドライフを考えるとき、仕事はどうするのか、どこに住むのかと同時に、誰と暮らすのかということも大切です。「高齢者の家族との同居状況」についての調査(2001年)をみると、日本人は7割以上がパートナーと暮らしています。アメリカはぐっと少なくなって半分もありません。ドイツやスウェーデンでは半分強。

2007年4月から実施される離婚の年金分割で、熟年離婚の増加も心配されていますが、年金が分割できるから別れる、分割できないから別れないというのではなく、いっしょに暮らすのなら、ふたりで暮らすことがプラスになるように、よりよい関係で暮らしたいものですね。

◆夫婦ふたりの生活を想定して

定年退職の時期は、子どもも独立していく時期です。仕事も子どもも離れていくと、そのあとには、10万時間の余暇とともに、夫婦で向き合う長い時間が待っています。

これまで充分向き合ってくることができなかった夫婦にとっては、パートナーと向き合うことは、お金の準備より、大変かもしれません。

すなおに夫の定年退職を喜べない妻もいます。自由がなくなるなど、夫との生活を妻が「制約」としてとらえるケースもありますが、夫婦で向き合う時間をプラスに考えたいものです。もちろん、家事を分け合うなど、お互いが快適に暮らしていける心配りが必要です。

また、向き合うということは、いっしょにいる時間を大切にすることだけではありません。お互いの自由な時間を認め合うこと、お互いの人格を認め合うことが基本となります。セカンドライフだけには限りませんが、いっしょすごす時間が多くなるので、なおさら、お互いの時間や個性を認め合うことが大切ですね。

◆元気でなくなったときのことも考えて!

ずっと元気で暮らせるのならいいですが、介護が必要になったときのことも考えておきましょう。夫婦どちらかが病気になると、お互いに負担がかかります。介護が必要になったらどうするか、日常の世話だけではなく、財産の管理なども含めて、充分、話し合っておくことが大切です。

介護保険を利用することも視野に入れておきましょう。要支援と認められたら、ヘルパーさんに日常の生活を援助してもらえます。パートナーに負担をかけないためにも、利用できるしくみは知っておきたいものです。それがパートナーへの思いやりです。

元気なときもそうでないときも、パートナーとはいい関係で暮らしていきたいものですね。
ずっといい関係を築くためにも、現役時代から、もう少し、お互いのことを思いやって考えてみませんか。