年金トピックス 2007
ここでは報道された年金関連記事などの情報を提供します。


基礎年金国庫負担、1356億円引き上げ・来年度、自公幹事長合意  (07/12/14)
 自民党の伊吹文明幹事長と公明党の北側一雄幹事長らは13日、国会内で会談し、2009年度までに基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げるのに伴う国庫負担額の積み増しについて、08年度は今年度の1170億円を上回る1356億円とすることで合意した。08年度の国庫負担の割合は37.3%になる。所得税・住民税の定率減税廃止分を充てる方針だ。
 基礎年金の国庫負担引き上げを巡っては、05年度から毎年一定額を積み増している。
 与党合意を受け、厚生労働省は来年の通常国会に年金制度改革法改正案を提出する。基礎年金の給付費のうち、1000分の8にあたる1356億円を引き上げる。

厚生年金特例法が成立、未納企業の従業員救済  (07/12/12)
 給与から天引きされた厚生年金保険料を企業が納めなかったために年金を受け取れない従業員を救済する厚生年金給付特例法が12日午前の参院本会議で可決、成立した。保険料の2年の納付期限が過ぎても企業に未納分の納付を認めるほか、企業が応じない場合は国が未払い分を税金で補てんする。
 救済対象は従業員に落ち度がないのに企業のミスや着服で保険料が未納扱いになっているケース。特例法の成立により、総務省の第三者委員会で記録訂正が留保中の申し立ての一部が認められる見通しだ。

年金流用禁止法案 野党の賛成多数で可決 参院本会議  (07/11/2)(毎日新聞)
民主党が提出した年金保険料流用禁止法案は2日午前、参院本会議で野党の賛成多数で可決された。自民、公明両党は反対した。参院で与野党が逆転したねじれ国会で、民主党は独自の法案を相次いで提出しているが、法案が参院を通過したのは初めて。同法案は衆院に送付されたが、与党が過半数を占める衆院では否決される見通し。
 一方、自民党は2日の厚生労働部会で、この法案への対案を了承した。6日に総務会にかけ、来週中の衆院提出を目指す。
 参院を通過した民主党提出の年金保険料流用禁止法案は、保険料を年金給付のみに充て、年金事務費や年金給付以外の事業は国庫負担とする内容。ただ、年間約2000億円の一般財源が必要になる見通しで、与党は「財源を、保険料から税金へ付け替えたに過ぎない」などと批判してきた。
 自民党の対案は、年金事務費や年金教育・広報費にも保険料を充てることを認める。グリーンピアなどの施設はつくらないことを明記。政府は毎年度、年金事業の運営費について、国庫負担、保険料それぞれの財源ごとの使途を報告し、公表することで透明性の確保を図る。

年金記録、3年以内に照合…舛添厚労相が参院予算委で表明  (07/10/16)

舛添厚生労働相は15日の参院予算委員会で年金記録漏れ問題に関し、「2010年に(日本)年金機構ができると同時に(年金記録の)データの完璧(かんぺき)性を期したい」と述べ、3年以内にコンピューター上の年金記録を原簿である紙台帳と照合する考えを表明した。
 年金記録ミスに関しては、紙台帳から社保庁のコンピューターへの入力の際、納付期間や氏名などを間違えたケースが多いと見られている。政府が紙台帳との照合の期限を明示したのは初めて。
 社保庁のコンピューターの年金記録は3億件弱で、紙台帳などの手書き記録は8億5000万件あるとされる。既に死亡したり、受給資格がない記録も含まれていると見られる。一部の紙台帳は廃棄され、照合できないケースもある。

社保庁年金システム入札に「不備」…専門家が見直し要請  (07/9/28)

 社会保険庁が2010年度中に運用開始を目指す新しい年金オンラインシステムの調達方式に関し、厚生労働省が委託する民間の専門家が、特定企業による独占の弊害を排除できないとして、異例の見直しを求めていることが27日、わかった。 社保庁は年内にも新システムの入札を行う予定だが、調達方式が、政府の「情報システムに係る政府調達の基本指針」に抵触する可能性もある。
 新システムは、整備費が1150億円、完成後の運用費は年550億円を見込んでおり、10年に発足する「日本年金機構」で利用される。システム全体をまとめる「基盤ソフト」に加え、業務内容ごとに〈1〉年金適用〈2〉保険料徴収〈3〉記録照会〈4〉報告支援――の計5種類のソフトを入札する。 (読売新聞)

年金記録「氏名なし」が524万件も  (07/9/11)

社会保険庁は10日、約5000万件の該当者不明の年金記録のうち、1割強に相当する約524万件について、氏名が登録されていなかったと公表した。
 氏名は、生年月日と性別とともに、記録の持ち主を特定するのに必要な3条件の一つ。氏名が欠けた記録が大量に見つかったことについて、社保庁は「記録が統合できない要因になったことは否定できない」としている。政府が来春までに完了するとしている年金記録の登録作業にも影響が出かねず、改めて社保庁のずさんな記録管理が浮き彫りとなった。
 社保庁が10日開かれた総務省の「年金業務・社会保険庁監視等委員会」(委員長・葛西敬之JR東海会長)に関連資料を提出して、明らかにした。

年金記録の回復、申し込み1万件も…2カ月でやっと100件  (07/9/10)

領収書など保険料納付の証拠がない場合の年金給付を判断する総務省の「年金記録確認中央第三者委員会」は10日、新たに9件の記録を訂正し給付を認定、1件を却下した。16の地方第三者委員会も、8月31日から9月7日までに計24件認定しており、累計で104件の年金記録が回復されることになった。
 「明らかに不合理ではなく、一応確からしい」という給付の判断基準を7月9日に策定後、認定や却下の審査結果が100件を超えるのに約2カ月かかった。一方で、7月16日から受け付けている審査の申し込み件数は1万件近くに上っており、総務省は審査の迅速化を図るため、第三者委の委員や事務局スタッフを増員する方針。
 申し立てを却下したのは、3年6カ月分の記録訂正を求めた国民年金のケース。家計簿や確定申告書などの関係資料がない上、申し立て期間の一部に時効で保険料を納付できない期間があったことなどが却下の理由で、これにより却下件数は計4件となった。

<年金着服>社保庁職員が1億円…市町村で2億円 (07/9/3)

 社会保険庁は3日、社保庁職員と市町村職員による年金保険料の着服や不正受給が計99件あり、総額3億4274万円に上ると発表した。公的記録が一切ないのに、加入者保管の領収証などで年金記録が新たに180件訂正されたことを公表。こうした「消えた年金記録」の背景に、保険料の着服などがあると指摘されているが、同庁は「関連性は分からない」と述べるにとどまった。(毎日新聞)

年金給付、新たに14件認定 中央、地方の第三者委  (07/8/10)

 領収書など保険料納付の証拠がない場合の年金給付を判断する「年金記録確認中央第三者委員会」(梶谷剛委員長)は10日、新たに9件の給付を認定したと発表した。また、7日から10日までに全国50カ所の地方第三者委員会のうち、北海道、秋田、東京、神奈川の4都道県の第三者委が計5件の給付を認定した。
 これを受け、菅義偉総務相は中央と地方の第三者委が認定した計14件の年金記録の訂正を求める「あっせん書」を、13日に村瀬清司社会保険庁長官に提出する。今回の14件はいずれも国民年金だった。
 これにより、年金記録が回復されるのは、中央委がこれまで認定した23件と合わせ、計37件となる。
 中央委が給付を認めた中には、保険料の未納期間が1年間とされ、領収書を廃棄してしまった女性の「自分の性格上、未納を放置するはずがない」との主張を、中央委も「申立人の納付意識は高く、申し立て内容に不自然さはない」として認めたケースもあった。

特別法人税の凍結、継続を示唆=401k制度見直しで−自民税調会長  (07/8/8)

 自民党税制調査会の津島雄二会長は7日、時事通信社主催の401kセミナーで確定拠出年金(日本版401k)の制度改正に関して講演し、企業年金の積立金に課される特別法人税について、免除期限が切れる2008年3月以降も引き続き凍結するのが望ましいとの考えを示した。
 特別法人税は、401kや厚生年金基金などの年金資産残高に対し1.173%が課税されるが、企業年金財政の悪化を理由に現在、特例措置として課税が凍結されている。財界などからは撤廃の要望も強い。
 津島会長は「企業年金が社会保障制度の大事な部分であるなら、単純な公平論では割り切れない」と強調。撤廃には慎重な姿勢を示しながらも、課税免除の打ち切りは強く否定した

年金滞納の罰則実施見送り 短期保険証への切り替え  (07/8/4)

 国民年金保険料を滞納すると、市町村は来年4月から罰則として、国民健康保険証を交付せず短期保険証に切り替えることができるようになるが、全国17の政令指定都市のうち、2市が実施を見送る方針であることが4日、共同通信の調べで分かった。15市は未定だが、うち2市は「実施は難しい」としている。
 有効期間が数カ月の短期保険証の交付は、6月末に成立した社会保険庁改革関連法で、年金保険料の未納対策として盛り込まれた。更新に市町村窓口を訪れる回数を増やし、年金保険料納付を促す機会も増やすためだが、住民の理解が得られず、受診しにくくなるなどの懸念が、実施に踏み切れない要因とみられる。
 聞き取りは7月末から8月初めにかけて政令市の国民健康保険担当者に対し実施。札幌、北九州が「実施しない予定」と回答した。川崎、静岡は「未定だが、実施は難しい」と消極的な姿勢を示した。「実施を予定している」との回答は1市もなかった。(共同通信)

年金運用の黒字06年度3兆円、為替ユーロ高などで  (07/7/31)(読売新聞)

公的年金の積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」は31日、2006年度の運用実績が3兆7608億円の黒字だったと発表した。
 これにより4年連続で単年度の運用実績が黒字となった。外国資産の堅調な運用や、為替のユーロ高などが主な理由だ。
 年金資金の運用は、厚生労働相が所管する年金特別会計の積立金の預託を受けた同法人が、国債(財投債)や国内外の株式、債券などに投資している。運用資産は06年度末で114兆5278億円あり、累積の黒字額は初めて10兆円を超えた。このうち年金給付に回る国庫納付金は運用益などをもとに算定され、06年度は1兆3000億円程度を見込んでいる。

<年金問題>厚生年金未加入、対策進まず 社保庁 (07/7/29)(毎日新聞)

厚生年金の空洞化対策が進んでいない。
社会保険庁は05年度、約12万5000の未加入企業を対象に、文書、巡回、呼び出し、戸別訪問と段階的に加入指導を強めたが、最も効果があった戸別訪問でも加入率は5.9%にとどまった。空洞化対策の切り札として同年度から始まった立ち入り検査も11件だけ。未加入対策はさらに、記録漏れ問題に多数の人手が取られる影響で行き届かなくなる恐れが出ており、昨年度の指導結果も公表に至っていない。
 社保庁は05年度、12万5757事業所に文書で加入を指導した。しかし、加入は2505事業所(加入率2%)にとどまった。このほかの指導も加入率は振るわず、巡回2.6%、呼び出し3.9%、戸別訪問5.9%――などだった。
 社保庁の指導強化は04年度から。05年度の対応については、総務省から「取り組みが不十分」と改善勧告も受けた。 これに対し、社保庁は「立ち入り検査は05年度に始めたこともあり少なかったが、今年度は大幅に上回るのを目標としている」と説明する。一方で「記録漏れ対応に通常業務の職員も充てている」実態もある。05年度の指導結果は昨年6月にまとまっていたが、06年度分はまだ出ていない。 厚生年金はすべての法人と従業員5人以上の個人事業所に加入が義務付けられている。しかし、保険料負担を嫌って加入しなかったり、違法に脱退するケースが後を絶たない。景気低迷の影響もあるが、加入事業所は97年度の170万社から05年度に164万社に落ち込み、保険料収入も6248億円減った。

内縁の妻遺族年金訴訟 国、請求棄却求める 仙台地裁 (07/7/28)

2004年に死亡した旧国鉄職員の男性=当時(87)=と内縁関係にあった宮城県気仙沼市の70代の女性が遺族年金などを不支給とした社会保険庁の処分を不服として、国に処分取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が27日、仙台地裁であった。国は「男性と正妻の婚姻は形骸(けいがい)化の状態になかった」として請求棄却を求めた。
 訴えによると、女性は1975年から男性が死亡するまで気仙沼市で夫婦のように同居し、生計を共にしていた。女性は04年9月、遺族厚生年金の裁定と老齢年金、退職年金の支給を社会保険庁に請求したが、同庁は「婚姻関係と同様だったとは認められない」として不支給を決めた。
 年金は男性の法律上の妻が受給している。女性は「男性と妻の婚姻関係は形骸化していた」と主張している。

年金第三者委 国民7件、厚生1件の給付認める判断 (07/7/25)(毎日新聞)

 公的な納付記録も領収書もない人に年金を給付するかどうかを審査する年金記録確認中央第三者委員会(委員長=梶谷剛・前日本弁護士連合会会長)は25日、国民年金部会と厚生年金部会を東京都内で開き、社会保険庁に記録訂正の再審査を請求していた292件の事例のうち、新たに国民年金7件、厚生年金1件の計8件の給付を認める判断を示した。
同委は13日に15件の給付あっせんを決定、すでに支給手続きが取られており、今回分を含め給付のあっせんは23件となる。
 給付が認められたのは、国民年金の保険料の有無に関する6件と特例納付の1件。6件のうち5件は、納付期間の一部が認められなかったケースで、申し立て人が準備してきた年金手帳の保険料徴収カードや家計簿などから納付があったと推定した。ただ、残る1件については家計簿の記載から、申し立て人が主張した1年1カ月分のうち9カ月分だけを認め、残る4カ月分は再検討するとした。
 厚生年金については、10月1日に会社を辞めたのに厚生年金被保険者記録で前月9月30日に資格喪失とされたケースで、ほかの退職者などの記録などを参照し、申し立て人の主張を認め、9月1カ月分の厚生年金保険料の支払いを認定した。

社保庁監視委スタート「進駐軍のよう」と厚労、社保庁職員  (07/7/23)(読売新聞)

 社会保険庁の業務を監視する総務省の「年金業務・社会保険庁監視等委員会」が23日午前、厚生労働省と社保庁が入る東京・霞が関の中央合同庁舎5号館の7階に新事務室を開き、業務を開始した。
 総務省職員十数人が常駐する。事務室をあえて厚労省内に置くのは、「国民をはじめ、政府内でも多くの人が社保庁の姿勢を疑問視している」(菅総務相)ためだ。省庁が別の省庁の庁舎内に乗り込んで業務を監視するのは「おそらく初めて」(総務省幹部)で、厚労省、社保庁内には「進駐軍のよう。屈辱的だ」とのため息も漏れる。

時効停止特別措置、まず145人に支給決定  (07/7/19)(毎日新聞)

社会保険庁は19日、6日に施行された年金時効停止特別措置法に基づき、まず145人(男性83人、女性62人)に総額7423万円を支給することを決めた。最高額となるのは90歳の女性で、時効を迎えていた23年9カ月分、541万円が一括支給される。社保庁は20日に正式決定して対象者に郵送で通知し、年金定例支給日の8月15日に口座へ振り込む。
 同法は、社保庁が記録ミスをしながら5年の時効で受け取れない年金がある人に、時効を適用せず全額支給する内容。6日以降、3147件の申請があり、社保庁はこのうち支給額の確定が容易だった145人を最初の支給対象とした。
 145人は66〜90歳(平均74歳)で、支給額は1192円〜541万円(同51万円)、時効停止期間は1カ月〜23年9カ月(同5年6カ月)。全員、過去に記録漏れが確認され既に記録訂正済みながら、時効分の年金を受け取れていなかった人である。

年金確認地方委の全国会合、「ばらつき無い審査」を確認  (07/7/18)
 年金保険料を払った証拠がない人への年金給付を審査する全国50カ所の「年金記録確認地方第三者委員会」の委員長が18日、東京都内に集まり、初会合を開いた。地方に先駆けて発足した中央委員会が策定した基本方針に沿って、審査にばらつきが出ないようにすることを確認した。
 菅義偉総務相は冒頭のあいさつで「審査にばらつきがないよう、中央と地方が連携して統一的な運用をしてほしい」と要請。年金記録確認中央第三者委員会の梶谷剛委員長は「心をひとつにすればばらつきは出ない」と強調した。
 中央委員会は「不合理でなく一応確からしい」とする審査の基本方針に続き、給付を認める典型事例15件を公表済み。中央委は「地方が個別案件を審査しやすいようにあっせん事例(典型例)を積み上げる」(梶谷委員長)方針。中央委員会が判断した事例が地方委にとって事実上の「判例」となる見通しだ。

15件の年金給付認める=直接証拠ないケースで初判断−総務省の中央第三者委  (07/7/13)

 年金記録漏れ問題で、保険料納付の直接的な証拠がないケースの支給の可否を判断する総務省の中央第三者委員会(委員長・梶谷剛前日本弁護士連合会会長)は13日、保険料を支払ったとして社会保険庁に記録訂正の再審査が請求された案件などのうち国民年金14件、厚生年金1件の計15件について年金支給を認めるべきだとする初判断を示した。これを受け菅義偉総務相は17日、同庁の村瀬清司長官に対し、記録訂正をあっせんする。

死亡者への支給漏れ年金、兄弟姉妹も受給可能・社保庁方針  (07/7/12)(日経新聞)

 社会保険庁は死亡者が生前受け取るはずだった支給漏れ年金について、遺族年金の受給資格者がいない場合には死亡者の兄弟姉妹に支払う方針を決めた。社保庁からは通知はせず、該当者が自分から照会するのが条件。
 死亡者にかかわる年金には遺族が受け取る遺族年金とともに、死亡者が生前に受け取るべきだった「未支給金」がある。遺族年金の受給権は配偶者や子どもなどに優先権があるが、未支給金は遺族年金の受給権者がいない場合に限り、「死亡者と同居していた兄弟姉妹」も受け取れる仕組みになっている。

厚生年金未納企業の従業員救済、特例法案提出へ  (07/7/11)

 政府は11日、企業が従業員から集めた厚生年金保険料を国へ納めていなかったケースでも、従業員への年金支給を可能にするための特例法案を秋の臨時国会に提出する方針を固めた。
現行法では時効制度により過去2年分までしか保険料を追加徴収できないが、特例法案でこの時効を撤廃し、過去の保険料全額を徴収して年金支給の原資に充てられるようにする。
政府の「年金記録確認中央第三者委員会」は9日にまとめた基本方針で、事業主による保険料の着服などの可能性もあるケースについて、「解決には新たな立法措置が必要」(梶谷剛委員長)と指摘した。従来は、企業と従業員との間で処理する問題とされていたが、政府内でも「社会保険庁は、企業が保険料を納付するかどうかを監視・監督する義務があり、国が救済すべきだ」との意見が強まった。特例法案は、第三者委員会が存続する期間に限定した時限立法とする方向だ。

総務省、年金確認第三者委を30人に増員  (07/7/9)(日経新聞)
 総務省は9日付で、領収書が無い人の年金給付の可否を判断する「年金記録確認中央第三者委員会」(梶谷剛委員長)の委員を10人から30人に増やす。任期は2年。新委員は次の通り。
 相原佳子(弁護士)▽内野覚(神奈川県社会保険労務士会副会長)▽柏木弘文(東京都社会保険労務士会副会長)▽片岡正光(行政相談委員)▽久礼和彦(東京都社会保険労務士会副会長)▽神津信一(東京都税理士会副会長)▽児島信弘(元春日部市総務部長)▽庄子稔(東京都社会保険委員)▽鈴木孝(税理士)▽鈴木暢(東京都社会保険委員)▽辻本京朔(東京都社会保険委員)▽戸内洋二(元川崎市健康福祉局地域福祉部長)▽内藤信子(日本税理士会連合会理事)▽能田宗建(税理士)▽橋本副孝(弁護士)▽松倉佳紀(元日本弁護士連合会副会長)▽丸山冨美江(東京都社会保険労務士会副会長)▽本木巌(元大宮市役所福祉部副参事)▽山岸憲司(前日本弁護士連合会事務総長)▽山本万造(東京都社会保険委員会連合会副会長)

中国残留孤児訴訟 原告側が終結方針決定 支援策受け入れ  (07/7/8)

中国残留孤児訴訟の原告側弁護団は8日、東京都内で全国連絡会を開き、与党プロジェクトチーム(PT、座長・野田毅元自治相)が9日に正式決定する新たな支援策を受け入れることを決めた。原告側は今後、賠償は求めずに和解か訴えの取り下げによって訴訟を終結させる方針。帰国した孤児の約9割が「尊厳の回復」を求めて起こした訴訟は全面解決に向かう。
 PTの支援策は(1)基礎年金を満額の6万6000円支給(2)生活保護に代わる特別給付金制度を創設し最高8万円を支給(3)住宅・医療費などの扶助――が主な柱。ただ、生活保護と同様に、その他の収入の有無を調べる「収入認定」が前提で、孤児側は「生活を監視され尊厳を持てない」と認定の撤廃を主張。PT側は認定から外す金額を増やし増収を図ることで対応、孤児の約6割に上る生活保護世帯の月収は8万円から14万6000円に増える計算だ。
 また、弁護団によると、PT側から6日に新たな支援策案が示された。この中で(1)収入認定に関して厚生年金などの取り扱いで、さらに一定の配慮をする(2)訴訟終結の際、係争中は猶予されていた収入印紙代約2億5000万円を孤児側は負担せずに済む(3)国の従来の施策が不十分だったことや、支援策を実行する際に孤児の尊厳を傷つけないよう配慮するなどとした「見解」を示す――としている。
 これを受けて各地の原告・弁護団の意見を集約したところ、孤児側が撤廃を求め焦点になっていた収入認定制度は残るものの「孤児の尊厳回復や老後の生活保障など訴訟の目的は達成される」と判断し、最終的に受け入れを決めた。

中国残留孤児訴訟
帰国した孤児約2200人が「早期帰国の実現や、帰国後に自立支援する義務を怠った」として国に1人3300万円の賠償を求めた訴訟。02年12月の東京地裁を皮切りに15地裁に提訴した。これまで8地裁で判決があり、神戸地裁は06年12月に国に賠償を命じた。残り7地裁はいずれも孤児側敗訴だが、多くの判決は国の法的義務や政治的責務は認めた。現在は10地裁(仙台、山形、東京、長野、名古屋、京都、大阪、岡山、福岡、鹿児島)と6高裁(札幌、東京、名古屋、大阪、広島、高松)で係争中。

中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律


「消えた年金」家計簿も証拠に、判断基準の第三者委案  (07/7/5)

保険料の納付記録が消えた可能性がある人に、年金を支給するかどうかの判断基準を定める「年金記録確認中央第三者委員会」(梶谷剛委員長)の基本方針案が4日、明らかになった。
 年金記録漏れ問題を「国民の側でなく、社会保険庁の管理システムに問題がある」と断定。記録の確認を求める申し立てが「明らかに不合理でない」「一応確からしい」という二つの原則に合致すれば、記録を訂正し、年金を支給する。事実の証明は民事裁判より緩やかなものとなる。
基本方針案では、委員会の「基本的考え方」として〈1〉国民の立場に立って対応〈2〉申し立てを十分くみ取り、直接的な証拠がなくても、資料の収集に努める――などを掲げた。

苦情相談10年間で2439件  (07/6/21)

内閣府は21日、1997年度から2006年度までの10年間で、国民生活センターに寄せられた年金に関する苦情相談が2439件あったことを明らかにした。
 民主党の長妻昭衆院議員に説明した。このうち、「支払った保険料が未納になっている」など記録漏れを指摘する事例が50件程度あり、長妻議員は「政府は10年前から年金問題(の存在)を把握しながら対策を講じず、反応が鈍かった」などと批判している。
 苦情相談は、02年度までは100件前後で推移していたが、03年度は327件に急増し、06年度は過去最多の577件に上った。相談の中には、「会社に5年勤続したのに、社会保険事務所に登録がなく、年金額が少ない」(97年)「国民年金が1か月分未納だと言われたが、領収証を持っている」(02年)など、記録漏れを指摘するケースがあった。

年金記録、企業と社保庁で相違が5%も 代行返上で判明  (07/6/15)(朝日新聞)

社会保険庁が年金記録をずさんに管理していた問題で、企業が厚生年金基金の運用分を国に返上する「代行返上」が行われた際、社保庁が保有していた年金記録と企業側のデータで、多くの食い違いが発生していたことが分かった。大手企業2社ではデータ全体の5%で食い違いがあり、別の企業では、影響する支給額が年間で十数万円にのぼる社員もいた。食い違いの多くは、社会保険事務所と社保庁で企業の記録を入力する際に生じたとみられる。
 国民年金の台帳から3090件を抽出した社保庁のサンプル調査では、記録ミスは1%に満たない20件余りしかなく、厚生年金を含めるとミスがさらに拡大する可能性が出てきた。

 朝日新聞が代行返上をした主な大手企業に取材した。大手飲料メーカーでは、約3万件のデータのうち、年金の支給額に影響が出るような食い違いが3%を超えた。影響額は、年間1人あたり数千円から十数万円にのぼるという。金額が多い事例では、加入期間が大幅にずれていた。

 一方、支給への影響が少額だった場合は、原因を検証するよりも、会社がその差額を補う方が速く作業が進むため、社保庁のデータを尊重したという。名前の読み方など、支給額に影響しないミスを含めると5%近くになった。担当者は「当時の社保庁は、ミスがあっても『ウチの責任ではない』という感じだった」と話す。

 こうした食い違いが生じた理由について社保庁関係者は、データ処理が85年以降にオンライン化される前は、地方の社会保険事務所が集めた企業の記録が、手作業で一覧表にまとめられ、それが本庁に送られてコンピューターに手入力されていたことを指摘する。2度間違える可能性があったという。

 10万人を超える従業員を抱える大手企業は、名前や生年月日など年金額に影響しないデータを含めて全体の5%のデータを修正した。転勤で管轄する社会保険事務所が変わった時に、次の転勤までの記録がすっぽり抜けるような食い違いもあったという。

 大手建設会社は、食い違いの割合は明らかにしていないが、データの照合作業をしたところ、段ボール箱1個分ぐらいの食い違いが見つかった。同じ会社に勤めていながら、記録上は別の会社に移り、戻っているような例もあったという。男女の間違いも珍しくなかった。担当者は「85年より前の間違いが多かった。99%は社保庁のミスだった」。社保庁側に指摘をすると回答があるまでに3〜4カ月かかったという。

 東京の大手電機メーカーは、約6万件のうち、支給額に影響しないデータを含め約300件で食い違いが見つかった。基金の元担当者は「加入者の財産を扱うのだからミスは許されないが、我々よりさらに膨大な件数を扱う社保庁も大変だと思う」と同情する。最終的に、会社と社保庁のどちらに原因があるのか判明しなかったものも数件見つかったが、「官庁ともめることはできない」として、加入者の不利益にならないよう社保庁側のデータに合わせ、会社側が訂正したという。

「年金時効停止特別措置法案」  (07/6/4)

社会保険庁は昨年8月以降、32万件の年金支払い記録を訂正しているが、この中で、同庁にも自治体にも納付記録がない場合に、領収書などの納付証明なしで未納扱いから納付扱いに訂正されたケースはゼロだった。5日参議院で実質審議入りした「年金時効停止特別措置法案」は、領収書がなくても支払ったかどうか第三者機関が判断するとしているが、実際に証明資料がない場合、どのような基準で確認するかは明確でない。  同庁は昨年8月、受給開始年齢前の人も対象にした年金記録相談窓口を設置した。今年3月までに215万件の相談が寄せられ、32万2543件の支払い記録が訂正された。しかし、領収書類なしで未納扱いを納付済みと認められた例や、領収書以外の家計簿の記録などで認められた例は1件もなかった。同庁企画課は「客観的な証明なく訂正することは考えられない」と話している。
 また、同庁によると、01年4月〜今年2月、受給権者の訴えなどで年金記録が訂正され、支給額が変更されたのは21万8474件。横浜市に住む60代の女性の場合、未納扱いとされてきた2年間の領収書はなかったが、前後の領収書や収納記録があったため訂正された。しかし、この1件以外は、領収書などなしに訂正されたケースは「確認できない」(社保庁)という。大部分は、自治体や社会保険事務所が発行した領収書を持参したり、自治体の記録などから納付が認められたケースだった。
 政府は、同庁に記録がなく本人も納付の証拠を持っていない人について、弁護士らによる第三者機関をつくって本人や雇い主から事情を聴くことにしている。預金通帳や出勤簿なども物証として扱い、「合理的」であれば給付するという。しかし、「合理的」の基準がまだはっきりしていない。
 同庁もこれまで「領収書がなくても直ちに門前払いにせず、加入者の立場で調査する」と説明しているが、証明書類がない場合の救済をどうするのか、課題になりそうだ

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案

<年金支給漏れ>不明記録を全件調査 時効撤廃し、全額補償  (07/5/26 毎日新聞)

 政府・与党は25日、社会保険庁の公的年金の保険料納付記録5095万件が、払い主不明となるなどして年金支給漏れが発生している問題について、被害者救済案を固めた。不明記録の全件調査に着手し、特に標準的な支給開始年齢である60歳以上の記録2880万件については、優先実施する。また、支給漏れが見つかった場合、現在は5年間しかさかのぼって受給できない時効を撤廃し、全額を補償する。時効撤廃には立法措置が必要となるため、与党は議員立法による特別措置法を次期国会に提出する。
 安倍晋三首相は同日夜、記者団に「(納付の明確な証拠がなくても)しゃくし定規でなく、丁寧に対応したい」と説明。同日の衆院厚生労働委員会でも「いたずらに不安をあおってはいけないが、全力を尽くすことを約束したい。今まではこちら側から親切に説明するという姿勢に欠けていた」と答弁、同庁の対応の不備を認めた。
 政府はこれまで加入者本人の申し出で調査する原則を強調してきたが、夏の参院選を控え野党の追及が強まり、方針転換した。60歳以上の記録2880万件については、すでに年金を受け取っている3000万人全員の記録と照合、同一人物と思われる人に結果を送付し、確認を求める。このほか同庁は58歳になった人を対象に、これまでの年金納付記録を通知する際、統合漏れへの注意や、同庁への照会を呼びかける。
 年金を受給するために必要な納付期間(25年間)を満たしていない人でも、記録漏れで年金の支給対象となるケースも考えられる。このため、市町村に依頼し、介護保険納付通知書などに同様の呼びかけを行う。
 また、同庁や、申し出た本人の双方に記録や証拠がない場合についても、対応策を検討することにした。社会保険庁による入力ミスなどでオンラインシステムに登録されていない納付記録がある恐れがあるため、手書きの年金記録をマイクロフィルムで保存した台帳についても庁内と市町村すべての記録を調べ、定期的に報告する。

厚生年金、 領収書なくても確認手続き、首相が年金支給漏れ対策表明 (07/5/26 読売新聞)

 安倍首相は25日の衆院厚生労働委員会で、保険料の納付記録が年金額に反映されない「公的年金の支給漏れ問題」に関する政府・与党の対策を明らかにした。
 時効となる過去5年を超える支給漏れも、全額補償する救済法案(議員立法)を秋の臨時国会に提出することに加え、受給者が領収書をなくしていても、保険料納付の事実を確認する新たな手続きを策定する方針を打ち出した。
 さらに、該当者不明の納付記録約5000万件の全件調査を今後2年程度をめどに実施し、問題の全容解明を目指す。

厚生年金、6万3000事業所が未加入 (07/5/24)

厚生年金への加入義務がある正社員を雇用しているにもかかわらず、全く制度に加入せず保険料も払っていない事業所が全国で6万3539に達することが社会保険庁の調査で分かった。このうち一部では社員の給与から「保険料」として天引きしながら、それを厚生年金に納めずに横取りする悪質事業所が含まれているもようだ。
厚生年金保険法は正社員を雇用するすべての法人に加入義務を課しており、現在160万以上の事業所が加入する。未加入の事業所は全体の4%程度で、社保庁は責任者を呼び出したり、戸別訪問するなどして加入を促す方針だ。

不明年金「丁寧に対応」=支給漏れには救済策検討も−安倍首相 (07/5/23)

 安倍晋三首相は23日午前の衆院予算委員会で、基礎年金番号が付与されていない厚生・国民年金の加入記録が約5000万件に上る問題に関し「社会保険庁は年金記録の確認を幅広く国民に呼び掛けており、懸念のある方の申し出に対して1つ1つ丁寧に対応することが大切だ。国民の懸念を払しょくし、将来の給付に結び付くように対応しなければいけない」と述べた。民主党の長妻昭氏への答弁。
 これに関連して塩崎恭久官房長官は記者会見で、社保庁の年金納付記録の管理不備で支給漏れが生じていることについて「与党でもいろいろ検討しているので、政府としても与党とよく連絡を取りながら、年金記録の問題も話し合っていく」と述べ、何らかの救済策を検討していく考えを示した。

年金支給漏れ救済に時効適用せず、補償法案作成へ (07/5/23)

 政府・与党は23日、社会保険庁が年金納付記録を紛失するなどして、受け取る年金額が少なくなる「支給漏れ」について、現行法では「時効」となる5年超の過去分の支給漏れ年金も、国が補償できるようにする時効年金救済法案(仮称)を作成する方針を固めた。
早ければ、今国会に議員立法で法案を提出する方向で調整している。
安倍首相は23日の衆院予算委員会で、支給漏れ年金について「国民の不安を解消させるための工夫を行いながら、厚生労働省に努力させたい」と述べた。
 救済法案は、〈1〉社保庁による納付記録の紛失など国の責任が明確な支給漏れについては、時効を適用せず全額補償する〈2〉受給者の申し立てがあれば、支給漏れの調査期間中は時効を停止する――などが骨格となる見通しだ。

日仏社会保障協定 (07/5/21)

日仏社会保障協定については、平成19年6月1日に発効することになっています
http://www.sia.go.jp/topics/2007/n0522.htm

年金辞退、現在18人…最高年170万円、厚労相も返上組 (07/5/11)

 4月から始まった公的年金支給停止制度を利用し、自主的に厚生年金などの受け取りの辞退を届け出た人が、4月だけで18人いたことが、社会保険庁のまとめで10日、明らかになった。
 返上者の内訳は、男9人、女9人。地域別だと、北海道2人、本州11人、四国3人、九州2人となっている。返上者の年金総額は年額約1500万円で、個別額では同約170万円が最高。いずれも5月分から支給が止まる。柳沢厚生労働相もこの制度を利用している。
 返上はいつでも撤回して再び受給することもできるが、返上分を将来上乗せして受け取ることはできない。返上による特典はない。

離婚時年金分割:半年で相談3万件 訪問相談の8割は女性 (07/4/30)

 4月に始まった離婚時の厚生年金の分割制度について、社会保険庁に寄せられた相談件数は、昨年10月から3月までの半年間で3万1696件に達した。このうち、全国の社会保険事務所などを訪れたのは男性3408人、女性1万3421人と女性が全体の8割を占め、女性側の関心の高さを裏付けた。

厚生年金:給付水準が85歳で4割に低下 厚労省試算 (07/4/26)

 厚生労働省は26日、2055年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数に相当)を最も実現性が高いとみる中位推計で1.26とした新人口推計に基づく厚生年金受給額の試算(専業主婦の基礎年金を含む世帯額)を公表した。41年度生まれの人は、受給を始めた06年度には給付水準(現役の平均手取り額に対する年金額の割合)が59.7%で年金月額は22.7万円だったが、次第に低下。85歳となる26年には41.3%、20.7万円まで下がる。
 政府は04年の年金改革で「給付水準50%」を約束した。ただ、あくまで受給開始時の話。従来、物価に応じてアップしてきた年金額の伸びを、04年改革では物価上昇率を下回るようにした。この「マクロ経済スライド」が給付水準の低下に拍車をかける。
 51年度生まれの人でみると、受給開始時の16年度には給付水準が54.4%で年金額は23.6万円あるものの、85歳となる36年度には41.3%で23.9万円。20年で3000円増に過ぎず、現役の平均手取りが43.3万円から58万円にアップする点を勘案すると、実質価値は相当下がるというのが実態だ。
 試算は中位推計を前提としたものだが、55年の合計特殊出生率が1.06まで下がるとみる低位推計では、さらに厳しい。66年度以降生まれは受給開始時点で既に給付水準が49.4%で50%を割り込み、66年度生まれの受給開始時の給付額は中位推計より1.2万円減の26.6万円となる。


年金保険料、赴任先で免除・厚労省、オランダと協定合意  (07/4/22(日経新聞)

 厚生労働省はオランダ政府と社会保障協定の締結で大筋合意した。今秋までにオランダで署名式をし、正式に締結する予定。協定の締結相手国としては9カ国目となる。発効後は本国で公的年金保険料を払えば基本的に滞在国での支払いを免除され、二重払いしなくて済むようになる。厚労省は今後、日本企業の駐在員らが多い欧州などで締結国をさらに増やしていく方針だ。
 日本は現在、ドイツや米国など8カ国と社会保障協定を締結しており、うち5カ国は発効済み。これまでは協定ごとに法律をつくっていたが、今国会に提出した社会保障協定に関する包括実施特例法が成立すれば、同法ですべての協定に対応できるようになる。厚労省は「法律をつくる作業がなくなるため、より多くの国と締結交渉を進めやすくなる」(年金局)と指摘している。

地方議員:年金等の減額避ける前倒し辞職、九州で続々判明 (07/4/15)

地方議員が年金・退職金の減額を避けるため任期満了前に前倒しして辞職する問題で、任期満了前に市議を退職した56人(県議選出馬のための失職など含む)のうち、新たに福岡や熊本など4県の7市議会で少なくとも計14人が同様に辞職したことが毎日新聞の調べで分かった。既に判明している福岡県筑後市の4人、同県中間市の1人を加えると計19人になり、地方議員のあり方、姿勢が問われている。 地方議員が退職した場合、全国市議会議員共済会から、3期以上の議員には議員年金、2期以下の議員には退職金が支払われる。今月1日施行された改正地方公務員等共済組合法で、同日以降に退職した議員の年金や退職金の給付水準が原則12・5%引き下げられた。このため、法施行前の3月までに“駆け込み辞職”したらしい。


年金保険料免除 文書でお知らせ (07/4/4)

 社会保険庁は、国民年金の保険料が免除になる低所得者に対し今年12月から、免除の申請を促す文書を送ることに決めた。
免除対象者に、本人の氏名、生年月日、基礎年金番号をあらかじめ記した申請書を送付。家族の所得や電話番号を記入して返送すれば、手続きできるようになる。
一方で、保険料の長期未納者に対しては、財産差押えなどの強制徴収を強化する。06年度の強制長徴収は35万件だったが、07年度の目標は60万件に。

日仏社会保障協定6月発効 年金など2重払い解消  (07/3/29)

 厚生労働省は28日、「日仏社会保障協定」発効のための手続きが終わり、6月1日から発効すると発表した。日本とフランス両国の企業駐在員らが相手国で生活する際、年金など社会保険料が2重払いになるのを解消する狙い。

国民年金、カード払いOK・厚労省、08年初めメド  (07/2/18)

 厚生労働省は2008年初めをめどにクレジットカードで国民年金の保険料を払えるようにする方針だ。カードで払えばポイントもためられ、若者を中心に低迷する納付率の向上に役立つとみている。今通常国会に提出する国民年金法改正案に盛り込む。政府の公金決済では初めての試み。地方税や水道料金など公金決済のカード払いが今後広がる可能性がある。
 05年度の国民年金保険料の納付率は67.1%。対象の3分の1が払っていない。06年度は74.5%を目標に掲げるが、06年12月末時点で前年より0.3ポイント低い64.2%にとどまり、「目標達成は難しい」(社会保険庁)。

無年金者が増加 04年加入状況調査 (07/2/20)

社会保険庁は20日、04年公的年金加入状況調査の結果を公表した。65歳以上の2490万8000人中、公的年金の受給権がない無年金者は62万6000人で、01年の前回調査より2万4000人増えた。男女合わせた無年金者の割合(2.5%)は0.1ポイント減ったが、男性の増加が総数を押し上げた。

厚生16万7000円、国民5万3000円=05年度の年金平均受給額−社保庁  (07/2/20)

社会保険庁は20日、2005年度の社会保険事業の概況をまとめ、社会保険事業運営評議会に提出した。それによると、老齢厚生年金の平均受給月額は前年度比0.2%減の16万7172円、国民年金は同0.9%増の5万3012円だった。
 また同庁は、国民年金保険料の納付率に関し、07年度に「80%に達するよう最大限努力する」とした数値目標も提示。納付率については、低収入者ら保険料免除の適用者分を反映させないなど、目指すべき目標の在り方を検討する考えも示した。 

新法人名称は「日本年金機構」に=社保庁改革法案固まる−政府  (07/2/20)

政府は20日、今国会に提出する社会保険庁改革関連法案の大枠を固めた。社保庁を解体した後に新設する非公務員型の公法人の名称は、「日本年金機構」に決定。同日朝、安倍晋三首相が柳沢伯夫厚生労働相と国会内で会談し、用意した3、4候補の中から選んだ。2010年1月設立される。
法案は、年金業務を引き継ぐ新法人の設立や、民間への業務委託推進による法人のスリム化が柱。また同法人から年金保険料徴収や年金相談など業務の一部を分離し、担当職員とともに引き受ける民間会社の設立を可能にする「分割会社」規定のほか、悪質な保険料の滞納について、国税庁に強制徴収を委任できる規定も盛り込まれる。 

国保滞納での差し押さえ、4年で1.7倍 朝日新聞調査  (07/2/4 朝日新聞)

国民健康保険の保険料を支払っていない人から滞納額を回収するため、市町村が個人の預金口座や不動産を差し押さえるケースが増えている。朝日新聞社が政令指定都市15市と東京23区について調べたところ、05年度までの4年間で平均約1.7倍に増えていた。保険料収納率が全国平均でも90%ぎりぎりまで落ち込み、強硬策をとらざるを得なくなったためだが、国保には低所得者が多く加入しているだけに「強制的手段には疑問」として慎重な自治体もある。
 地方自治法などでは、自治体は国保料の滞納者に対し、預金口座や保険、不動産などの差し押さえができると定める。
 朝日新聞社の38自治体調査では、差し押さえ総数は01年度は1495件だったが、05年度は3057件。総額では6億6000万円が、18億3000万円となった。1自治体平均では4年間で48件から80件と、1.7倍になっている。指定市では2.6倍だ。

 厚生労働省に情報公開請求して得た資料でも、国保料滞納による差し押さえは全国で01年度の4万4112件、156億円が、04年度は6万8488件、245億円と約1.5倍に増加。実施自治体は、39%から55%へと増えている。ただし、厚労省データは、差し押さえの定義や数え方が自治体によって違うため、本社調査では新規分に限定するなど統一した。

年金給付、現役世代の51.6%に/出生率1.26、「基本ケース」で  (07/2/6)

厚生労働省は6日、「人口の変化等を踏まえた年金財政への影響(暫定試算)」を公表した。2055年の合計特殊出生率が1.26で、最近の好転した経済動向に基づく「基本ケース」の場合、厚生年金の給付水準は現役世代の51.6%になると推計。これを01〜02年頃の経済動向をあてはめて計算すると、46.9%と50%を割り込む。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/02/h0206-1.html

厚生年金パート適用、当初は20―30万人に限定も  (07/1/28)

 厚生労働省は27日、パート労働者への厚生年金の適用拡大を当初は20万―30万人程度に限る方向で検討に入った。流通業界などが猛反発しているうえ、与党の間にも慎重論が多いため。労働時間は現行の「週30時間以上」から「週20時間以上」に広げるが、勤続期間や月収などで別に基準を設け、対象を絞り込む。基準は与党に複数案を示して調整する考えだ。
 安倍晋三政権はパートへの年金適用拡大を、再チャレンジ政策の目玉にする考え。今通常国会に厚生年金法の改正案を提出する方針だ。ただ、保険料負担が増える経済界などが反対しており、与党には参院選を控えて拡大を急ぐべきではないとの声が強まっている。


国民年金加入、22―61歳に…厚労省が引き上げ検討  (06/12/27 読売新聞)

厚生労働省は26日、自営業者や学生らの国民年金の加入年齢について、現行の20歳から段階的に引き上げる方向で検討に入った。現在20〜59歳の加入期間を22〜61歳に移行する方針だ。
 加入年齢の引き上げで、学生や保険料を肩代わりしている保護者の負担感を軽減することを目指すものだ。20歳代前半は未納率が高いことから、国民年金の納付率を上げる狙いもある。
 厚労省は、27日に開く社会保障審議会年金部会(厚労相の諮問機関)の初会合で、加入年齢の引き上げを検討課題として提示する。政府・与党の合意を得た上で、早ければ来年の通常国会に国民年金法改正案を提出したい考えだ。
 国民年金(基礎年金)には、国内に住む20〜59歳の国民が加入を義務づけられている。サラリーマンや公務員の保険料は、給料から天引きされる年金保険料に含まれているが、自営業者や学生らは自ら国民年金保険料(2006年度は月1万3860円)を納付する。40年間保険料を納めると、65歳から受給する基礎年金は満額(06年度は月6万6000円)となる。
 厚労省が検討している案は、少子高齢化や高学歴化などへ対応するのが狙いだ。具体的には、加入期間を40年としたまま、加入年齢を引き上げる。22歳で大学を卒業し、就職する人が多いことから、加入期間は当面22〜61歳とする。将来は25〜64歳に引き上げる一方で、希望者は前倒しで加入できる「加入年齢選択制」を導入する考えだ。
 引き上げの対象は、新制度の導入後、20歳になる人に限定する。すでに20歳以上の人は、現行通りに59歳までが加入期間となる。20歳未満で障害を負った人は障害基礎年金の支給対象となるが、この基準も同じように引き上げる方向だ。
 学生は1991年度から国民年金に強制加入となった。00年度、在学中は保険料を猶予する「学生納付特例」が設けられたが、20歳代前半の納付率は低いままとなっている。


首長の年金優遇廃止、一元化法案で政府・与党が方針  (06/12/4)

 政府・与党は、来年の通常国会に提出する予定の厚生年金と共済年金の一元化法案に、任期が12年以上の自治体首長の年金を増額する「特例加算」制度廃止を盛り込む方針を固めた。
 年金一元化では、2010年をめどに共済年金を廃止、公務員に民間サラリーマンと同じ厚生年金を適用し、「官民格差」を解消することを目指している。共済年金に加入する首長の特例もなくすことで、官優遇の是正を徹底する狙いがある。
 特例加算は、「知事、市町村長などの首長は選挙で選ばれ、4年ごとに任期が切れる」などの理由で、1985年に制度化された。
 首長を12年(3期)以上務めると、20年間勤務した一般の公務員とほぼ同額の年金が支給される。具体的には、平均月収の約44%分が特例加算として共済年金に上乗せして支給される。総務省の試算では、月収87万円ならば、特例加算分は年38万1460円となる。任期が12年未満の首長には任期分相当の年金しか支給されない。

厚生年金の離婚時分割制度、1カ月で問い合わせ6000件  (06/11/11)

 社会保険庁が離婚時に厚生年金の分割制度によって相手からいくら分けてもらえるかを通知するサービスを10月から始めたところ、1カ月で来訪や電話など6000件を超える相談があったことが分かった。窓口を訪れた人のうち約8割が女性だったという。
 受け付けを始めた10月2日から31日までの相談件数は6283件。全国の社会保険事務所などを訪れた人が3285人、電話が2982件、文書が16件だった。
 実際に通知サービスを申し込んだのは1355人。うち89%が女性で、これまで年金分割で不利な立場に置かれていた専業主婦の関心の高さをうかがわせる結果になった。
 分割制度は2007年4月以降の離婚から適用される。同制度は婚姻期間中の保険料を夫婦が共同で納めたとみなし、夫婦が別れた後に厚生年金を分け合う仕組み。お互いの口座に直接振り込まれるため、元夫が別れた妻に年金を分けないといったトラブルがなくなる。

ねんきん定期便:全員に確保済み年金額通知  (06/11/9)

 社会保険庁は9日の社会保険事業運営評議会で、07年3月から一部スタートする年金見込み額の通知制度「ねんきん定期便」の概要を説明した。公的年金の加入者全員に、過去の保険料納付額と納付実績に基づく確保済みの年金額を毎年誕生月に郵送し、50歳以上の人には受給年齢に達した際の見込み額も伝える。35歳と45歳の人には、年金加入履歴を同封する。
 49歳以下の人には将来の見込み額は伝えないものの、月収と加入期間から大づかみに試算できる「年金額早見表」を添付する。通知制度は08年4月に開始するが、55歳以上の人については07年12月から先行実施する。詳細な職歴などを記した加入履歴の通知は、35歳を対象とするものを07年3月から、45歳は07年12月からそれぞれ始める。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061110k0000m010004000c.html


50歳以上に年金見込み額通知 来年度から導入へ  (06/10/14)

社会保険庁は14日、08年4月から始める予定の年金保険料納付実績を通知するシステム「ポイント制」を一部改め、50歳以上の人には将来の年金給付見込みを実額で示す方針を固めた。見込み額を知らせる「ねんきん定期便」の早期導入を主張する安倍晋三首相の意向を取り入れた。開始時期も早め、07年度の早期にスタートさせる考えだ。
 同庁は04年の年金制度改正で、厚生、国民年金の全加入者に保険料納付実績を点数化して通知するポイント制の導入を決めていた。郵送されてくるポイントに単価をかければ、過去の納付状況に応じた給付額が分かる仕組みだ。
 ただ明快に分かるのは、あくまで「現時点で獲得した年金額」。将来の見込み額を知りたければ、今後も同様にポイントを稼ぐことを前提に、自分で試算する必要がある。社保庁は首相の意向とともに国民年金保険料の不正免除問題で失墜したイメージの回復も狙い、分かりやすい実額通知とすることにした。
 対象を50歳以上とするのは、退職時期が近く、予想給付額が大きく外れるケースは少ないと判断したため。50歳未満の人にはポイントで通知する。社保庁は05年度から、50歳以上の申し込んだ人にだけ見込み額を回答するサービスを始めているが、新制度では加入者全員に年に一度、郵送で通知する。


厚生年金 適用拡大 パート主婦、受給8600円増  (8/21)

政府が検討しているパート労働者への厚生年金の適用拡大に関する厚生労働省の試算が19日、明らかになった。標準的なモデルタイプでは、サラリーマンの妻は保険料負担が新たに加わるが年金受給額も増加、自営業者の妻と独身者は共に保険料負担は減少し、年金受給額は増加する。一方、パートを雇う事業主側は新たに保険料負担が発生することから、経済界の反発も予想される。
パート労働者は2005年で約1266万人に上り、うち882万人は女性だ。現行制度では、パートへの厚生年金適用は労働時間が正社員に近い「週30時間以上」の場合のみ義務付けられている。政府は「週20時間以上」程度まで対象を拡大し、大半のパートを厚生年金に加入させる方向で検討している。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20060821mh16.htm


共済年金:公務員OB計215万人の給付減額 政府方針  (4/9)

 政府は8日、会社員の厚生年金と公務員らの共済年金の一元化に合わせ、計215万人の公務員OBの年金給付額を減額する方針を固めた。共済制度が創設される前に働き出した人が対象で、1958年度以前に中央省庁に入った国家公務員OB約65万人、61年度以前に採用となった地方公務員OB約150万人。カット幅は最大で10%程度となる見通しだ。

公的年金の市場運用、8兆7000億円増に・06年度、大半は債券に  (4/1)

 厚生労働省の外郭団体の年金資金運用基金は31日、公的年金の2006年度の運用計画を公表した。給付を除いた余裕資金のうち、市場で運用する新規資金を05年度の四倍にあたる8兆7000億円に増やす。大半は債券に振り向ける。日銀の量的金融緩和政策解除を受けて金利が上昇し、より確実な利回りが期待できると判断した。
 年資基金は厚生年金と国民年金の資金を運用する。特殊法人改革で4月1日に年金積立金管理運用独立行政法人に改組する。新独法の準備室はこの運用計画に合わせて06年度末の余資運用の配分目標を、国内債で40.2%、国内株で11.1%などとすることを確認した。昨年末時点での運用比率は国内債が33.8%、国内株17.9%、外債7.2%、外国株10.0%だった。

共済年金の上乗せ給付、10年新規加入者から廃止へ  (3/28)

 会社員の厚生年金と公務員らの共済年金の一元化問題で、政府は27日、 共済独自の上乗せ給付(職域加算)の仕組みを、2010年以降の新規加入 者から廃止する方針を固めた。ただし、すでに年金を受給している退職公務 員については給付を続ける方針。職域加算の代わりに企業年金に相当する独 自の上乗せ年金を新設するかどうかも、今後検討するとしている。

年金記録:パソコンで確認 社会保険庁がサービス開始へ  (3/24)

 社会保険庁は31日から、年金加入記録をパソコンで確認できるサービス を始める。
利用したい人はまず社保庁HPで氏名や基礎年金番号などを登録する。後日郵送されてくるIDとパスワードを入力すれば、過去の国民年金、厚生年金への加入期間が瞬時に分かる。転職、退職時に年金加入手続きを誤ったのでは、と不安を抱く人は多く、新サービスへの需要は高そ うだ。

● 共済年金、10年度から保険料率引き上げ…年金一元化 (2/27)
政府は27日、厚生・共済両年金の一元化に向け、厚生年金よりも低い共済年金加入者の保険料率を2010年度から毎年度定率で引き上げる方式により料率をそろえる方針を固めた。
引き上げ幅は、少なくとも毎年度0・354%として、さらに上積みする方向で調整している。
 05年度の年金の保険料率は、厚生年金が報酬額の14・288%、国家公務員共済は13・5%、地方公務員共済が12・7%となっている。
 引き上げ時期を2010年度からとするのは、国家公務員共済と地方公務員共済の保険料率を同一にするため04年度から始めた、国家公務員共済を0・129%、地方公務員共済を0・354%ずつ引き上げる作業が09年度に完了するためだ。

● 来年度の年金給付、0.3%減額 引き下げは2年ぶり (1/27)
厚生年金や国民年金など公的年金の06年度の給付額が0.3%減額されることが27日確定した。総務省が同日発表した05年の全国消費者物価指数が対前年比で0.3%下落したためで、給付額の引き下げは2年ぶり。年度内に政令を改正し、4月から実施する方針。
 モデル世帯の給付額は、会社員が加入する厚生年金(40年加入の夫と専業主婦の妻)で月708円減って23万2592円、自営業者らが加入する国民年金(40年加入の満額支給)で月200円減って6万6008円。6月に支給される4月分から適用される。公務員らが加入する共済年金、児童扶養手当などの各種福祉手当も同率で引き下げられる。

● 国保料、年金から天引きに 徴収コスト減、未納防止も (1/25)
厚生労働省は25日、公的年金の受給者が払う国民健康保険(国保)の保険料について、年金から天引きして徴収する仕組みを導入する方針を固めた。同日の自民党厚生労働部会で示した。国保を運営する市町村の徴収事務のコスト軽減や未納を防ぐ狙いもある。今国会に提出予定の医療制度改革関連法案に盛り込み、08年度からの導入を目指す。
政府は医療制度改革の一環として、08年度に75歳以上を対象とした新たな高齢者医療保険を創設し、保険料を加入者の年金から天引きする方針をすでに示している。これに合わせて65〜74歳の国保加入者についても、年金から天引きすることにした。
低所得の高齢者については、天引きによる生活への影響が大きいため、対象から外すことも含めて検討する。老齢年金だけでなく、障害年金・遺族年金の受給者も対象に含めるかどうかも、今後、検討する。

● 厚生・共済年金の一元化、公務員退職者の受給額削減へ  (1/21)
政府は、厚生・共済両年金の一元化にあたって、年金受給がすでに始まっている公務員退職者の年金額の削減に踏み切る方針を固めた。
 一元化で年金財政が悪化するおそれがあるため、退職者にも一定の負担を求める必要があると判断した。2月上旬にまとめる一元化の骨子案に盛り込む。削減幅や実施時期は今後検討する。
 削減は、共済年金独自に月約2万円(モデル世帯)上乗せ加算している「職域加算」(「3階部分」)と呼ばれる部分を対象にしたい考えだ。「1階部分」の基礎年金と、収入に応じて払われる「2階部分」については、現在の水準の維持を目指している。

● 社保庁改革、新機関は「ねんきん事業機構」  (1/6)
 政府は6日、解体される社会保険庁の年金業務を引き継ぐ新機関の名称を「ねんきん事業機構」、トップの名称は現在の長官から「代表執行責任者」とすることを決めた。

● 国保保険料、年金から天引き・未納防止へ2008年度から  (1/7)
 厚生労働省・社会保険庁は2008年度から、公的年金の受給者が国民健康保険に加入している場合、国保の保険料を年金から天引きして徴収する仕組みに変える。年金を受け取った後、国保の保険料を改めて納める仕組みでは加入者の手続き忘れなどで未納が起こりやすいためだ。