年金トピックス 2011   
ここでは報道された年金関連記事などの情報を提供します。

 専業主婦年金問題 国民年金法を改正へ 2011/10/14

厚生労働省は、専業主婦の国民年金切り替え忘れ問題に関して、対応策を盛り込んだ国民年金法の改正骨子案を民主党に提示した。
本来受給すべき年金額よりも多く受け取っていた人は、支給額が減額され、過去5年分の差額については返還が求められる内容。対象者は、受給者が約5万3,000人、現役世代は約42万2,000人と見込まれている。

 厚生年金の被保険者台帳に5,713名が掲載 韓国政府機関 2011/10/12

韓国政府の機関は、日本政府から受け取った厚生年金の被保険者台帳に、戦時中に日本企業で働かされていたとされる朝鮮半島の出身者5,713人の名前が掲載されていることを確認したことを明らかにした。そのうち、これまでに厚生年金に関する手当を受け取った人は673人に過ぎない。

 企業年金の積立不足穴埋め猶予措置を1年間延長へ 2011/10/10

厚生労働省は、積立不足に陥っている企業年金(確定給付企業年金、厚生年金基金)が不足分を穴埋めするのを猶予する特別措置(2011年度で終了予定)について、2012年度まで1年間延長する方針を明らかにした。株式市場の低迷や急激な円高を考慮したもの。

 厚生年金、専業主婦が半分受給…支払者とみなす 2011/9/29

厚生労働省は29日、サラリーマンや公務員世帯の専業主婦が、夫が支払う厚生年金などの保険料の半分を払ったとみなし、夫が受け取る厚生年金などの受給額の半分を妻の基礎年金に上乗せする仕組みに改める方向で検討に入った。
 同省は改革案を29日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会に示し、2012年の通常国会に関連法案を提出する考えだ。
 サラリーマンや公務員世帯の専業主婦は、保険料を支払わないのに基礎年金を受け取ることができる。この第3号被保険者制度には「専業主婦優遇だ」という批判がある。3号の保険料は年金加入者全体で負担しており、3号の夫の保険料だけでなく、共働きや単身者の分も主婦への年金の原資になっているからだ。政府・与党が6月に決めた社会保障・税一体改革成案でも見直しを求めている。
 厚労省は見直しに向け、夫の保険料を増額したり、妻に保険料を求めたりする案や、妻の基礎年金を減額する案を検討していた。しかし、理解を得るのは困難だとみてこうした案は見送る一方、保険料支払いと年金受給とを対応させる形をとるため、今回の改革を実施することにした。

 第3号被保険者年収基準引き下げ方針 2011/9/1

政府は、専業主婦らが国民年金保険料の支払いを免除される年収基準について、現行の「130万円未満」からの引き下げを検討する方針を決めた。
 厚生労働省が1日の社会保障審議会特別部会の初会合で、論点として示す。「週30時間未満」という労働時間の基準も、対象を減らす方向で見直す方針だ。パートなどで働く主婦の厚生年金への加入を増やして老後の保障を手厚くするのに加え、「専業主婦を優遇しすぎだ」という現行制度での不公平感を和らげる狙いがある。
 保険料が免除されている専業主婦らは「国民年金第3号被保険者」とされ、約1021万人いる。現行制度では、年収が130万円未満で労働時間が週30時間未満であることが要件になっている。「年収130万円未満」という基準は、夫の収入で所得税などの配偶者控除を利用できる「年収103万円以下」という基準とともに、主婦の働き方に影響を及ぼしている。

 年金記録「全件照合」を断念へ 2011/5/26

厚生労働省は、年金記録の紙台帳とコンピュータ上の記録とを突合させる「全件照合」を断念する方針を明らかにした。今後は、照合の 対象者を65歳以上の高齢受給者に絞る考え。

 年金記録の不一致が266万人に上る可能 2011/5/11

日本年金機構は、国民年金と厚生年金の加入者・受給者(約8,100万人)のうち、コンピュータ上の年金記録と原簿の紙台帳の内容が一致 しない人が約266万人いるとする推計結果を明らかにした。このうち約213万人については年金額が増加する見込み。

 第3号被保険者の追納を「直近10年」可能に 2011/5/11

民主党は、第3号被保険者の不整合記録問題に関して、遡って保険料を支払うことのできる期間を「直近10年」とし、本来より多く年金を受 け取った人に対して返還を求める期間については「5年前まで」とする方針を示した。

 厚年基金で給付金が保険料を初めて上回る 2011/5/4

厚生労働省は、2009年度において、厚生年金基金の給付金総額(1兆3,886億円)が保険料収入(1兆3,167億円)を初めて上回ったと発表した。なお、608基金のうち364基金が積立金不足に陥っている。

 10年度の国民年金納付率 初の60%割れの公算 2011/4/28

厚生労働省は28日、2010年4月〜11年1月分の国民年金の保険料納付率が、前年同期比0.8ポイント減の58.2%だったと発表した。10年度の納付率はこれまで全ての月で前年度を下回っており、最終的には、過去最低を記録した09年度の60.0%を下回る公算が大きい。6割を割り込めば、現行の年金制度が始まった1986年度以来初めてとなる。
納付率の低下は、不況で企業を解雇され、国民年金に加入したものの保険料が払えないケースが増えていることや、年金制度への不信感による拒否などが原因とみられる。都道府県別では、納付率が最も高いのは新潟県で69.7%、最低は沖縄県で36.2%。 

 第3号被保険者への過払い年金を返還請求 政府方針 2011/4/27

政府は、第3号被保険者の不整合記録問題に関して、本来の額より多く年金をもらっている受給者などに対し、過払い分の返還を求める 方針を示した。なお、28日に「第3号被保険者不整合記録問題対策特別部会(第4回)」を開催し、5月中に一連の問題についての改善策 を正式決定する考え。

 高所得者の年金減額、主婦から保険料徴収も検討 厚労省年金改革案  2011/4/19

政府・与党が策定を目指す税と社会保障一体改革に向けた年金制度改革について、厚生労働省が高所得者が受け取る年金を減額する方向で検討していることが19日、分かった。専業主婦を対象にした「第3号被保険者」制度を見直し、保険料納付を求める案も検討。民主党が政権公約(マニフェスト)で掲げた月額7万円の最低保障年金と所得比例年金の創設は、「第2段階の中長期的な課題」と位置付けて先送りする。
第1段階では高所得者の年金抑制や専業主婦からの保険料徴収のほか、会社員が加入する厚生年金と公務員の共済年金の一元化も盛り込む。パート労働者の厚生年金加入の要件緩和や、年金を受け取るために保険料を払わなければいけない受給資格期間(現行25年)の短縮も検討する。
 厚労省は5月中旬に年金制度を含む社会保障改革案を政府の集中検討会議(議長・菅直人首相)に提示する。
 専業主婦の年金に関しては、民主党も夫の収入の半分を妻の収入とみなして保険料を徴収する案を軸に調整。最低保障年金などは民主党案でも第2段階の課題とする方向だ

 「専業主婦年金」救済策を了承 年金回復委 2011/3/31

厚生労働省の年金記録回復委員会は、「専業主婦年金」の問題に関して、「運用3号」に代わる国民年金法改正による新たな救済策につい て、大筋で了承したことがわかった。未納期間をカラ期間として扱うこととし、特例納付を実施して過去の保険料を2年以上遡って支払えるようにする内容。
第3号被保険者不整合記録問題対策特別部会の設置・開催について

 平成23年度の年金額、国民年金保険料額  2011/3/28

23年度の国民年金額、在職老齢年金の支給停止の基準額等について 厚生労働省から
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=162231

 年金請求書の受取先金融機関証明 通帳のコピーでも添付でも可能に 2011/3/23

国民年金と厚生年金の「年金請求書」を提出する際は、年金を受け取る金融機関と口座番号を記載した上で、金融機関の証明印を受けるか、年金事務所の窓口に預金通帳を持参して確認を受けるという取扱いとなっている。
厚生労働省は2月21日、通帳のコピーを添付することによって、金融機関の証明書に代えられるという方向で日本年金機構と調整を進める考えを示した。
厚生労働省の方針は、総務省のあっせん「年金請求書に係る金融機関の証明の簡素化」を踏まえたもの。今年9月末までに省令を改正して取扱いを変更する。
公務員の共済年金には、金融機関の証明を添付するという規定は設けられていない。
省令が改正となれば、公務員共済年金同様に、手続きが簡略化する。


 非正社員の健保加入要件緩和を検討 政府 2011/3/11

政府は、正社員との待遇格差を改善するため、非正社員(パート社員、派遣社員など)が健康保険に加入できる要件を緩和することを検討していることがわかった。菅総理大臣は、すでに非正社員の厚生年金適用基準の見直しについても言及している。


 「運用3号」適用による年金受給者に返納を要求へ 2011/3/10

厚生労働省は、「運用3号」の取扱い(3月8日に廃止)による救済策に基づいて一旦は3月15日に年金支給を行わざるを得ない493人に対して、支給後に過払い分の全額返納を求める方針を示した。また、日本年金機構は、第3号被保険者ではなかったものの記録が確定してすでに年金を受給している人が10万人規模に上る可能性があるとする推計結果を明らかにした。
「運用3号」の取扱いを撤回し、3年間の時限立法(国民年金法の改正)で保険料未納の専業主婦を救済する策に関して、厚生労働省が、低所 得者に対する特例措置を検討していることが明らかになった。低所得で未納だった期間については国庫負担分を年金額に算入し、減額幅を小さくする考え。


 「運用3号」は3月8日付で廃止 2011/3/8

政府は3月8日、法改正に向けた「抜本改善策案の方向性と論点」を決定した。まず、「3号のまま」の期間を1号に訂正、1号未納となすべての期間を「カラ期間」とし「特例追納」できるようにする。


 厚年基金積立不足は242基金で約7,700億円 2011/3/7

厚生労働省は、全国約600の厚生年金基金のうち51基金で生じた積立不足が総額で約3,660億円(昨年3月末時点)に上ると発表していたが、242基金で約7,700億円の積立不足があることが明らかになった。


 運用3号手続き停止 2011/2/25

細川厚生労働相は24日午前の衆院予算委員会で、専業主婦の国民年金への切り替え忘れに対する救済策に関して、「28日の(救済策の見直しを求めている)総務省の年金業務監視委員会の結論を踏まえて、(方針を)早急に決定したい。それまで手続きはすべて留保する」との方針を表明した。
 片山総務相も「28日の監視委員会を前倒しできないか、調整したい。その結論を受けて、厚労相と相談して、厚労省の取り扱いを決めてもらう」と語った。切り替え忘れについては、厚生労働省のサンプル調査で、100万人以上いる可能性が指摘されている。同省は今年1月以降の切り替え忘れの判明分から、保険料を払う必要のない「第3号被保険者」と見なす運用を始め、すでに2000人以上が「救済」されている。
厚労省は長妻昭前厚労相時代に支払いの時効が来ていない過去2年分の保険料に関しては、支払うよう請求する方針を決定。今年1月から救済措置を実施し、1月30日現在ですでに2331人が適用を受けた。


 国民年金「運用3号は是正を」 年金業務監視委員会 2011/2/17

総務省の年金業務監視委員会は、厚生労働省が今年1月から実施している国民年金のいわゆる「運用3号」について問題があるとして、是正を求めたことがわかった。厚生労働省は、必要な措置であるとして反論している。
「3号期間として管理されている不整合期間」の取り扱いについて
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000yq06-att/2r9852000000yqcj.pdf


 基礎年金の国庫負担割合は2分の1維持 2011/2/10

政府は、通常国会に提出する国民年金法の改正案を決定し、2011年度における基礎年金の国庫負担割合について、現行の「2分の1」を 維持することがわかった。


 不明・死亡高齢者の年金支給を差止めへ 2011/2/5

厚生労働省は、多数の高齢者の所在が不明となっている問題に関して、連絡がとれなかったり死亡が確認されたりした人572名について、2月の支払い分から年金支給を差し止めると発表した。今回差し止められる年金の総額は約1億2,700万円。
所在不明高齢者に係る2月定期支払いでの年金の差止めについて
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=160403


 平成23年度の年金額 2011/1/28

厚生労働省は1月28日、2011年度の公的年金支給額を今年度より0.4%引き下げると発表した。年金支給額の引き下げは2006年度以来5年ぶり。国民年金は保険料を40年間払い続けた満額で月額6万5742円(266円減)、平均的な収入のサラリーマンだった夫と専業主婦の世帯で同23万1650円(942円減)となる。4月分が支給される6月から引き下げられる。
老齢基礎年金満額は 788,900円となる。

 年金の支給額は物価の変動に応じて算定される。今回の支給額引き下げは、総務省が同日公表した10年平均の全国消費者物価指数(生鮮食品含む)が、基準年の05年と比較して0.4%下がったことに伴う。厚労省は当初、引き下げ幅を0.3%と見込んでいたが、昨年12月の物価が想定より低くなったため、引き下げ幅が大きくなった。
 一人親世帯に支給される児童扶養手当(所得制限あり)も減額される。子ども1人で全額支給の場合、月額4万1550円(170円減)となる。

★参考
加給年金額 227,900円 → 227,000円
中高齢寡婦加算額 594,200円 → 591,700円

 国民年金保険料を初の引下げ 月額1万5,020円に 2011/1/13

厚生労働省は、2011年度における国民年金保険料を今年度より80円引き下げ、月額1万5,020円とする方針を明らかにした。賃金・物価の下 落を受けたもので、1961年の国民年金制度発足以来、引下げは初めて。

  「診断書なくても障害基礎年金支給」神戸地裁判決) 2011/1/13

医師の診断書がないことを理由に障害基礎年金を不支給としたのは不当であるとして、聴覚障害を有する女性がこの決定の取消しを求めていた訴訟で、神戸地裁は、「合理的な資料があれば障害の認定はいにもかかわらず不支給決定を覆す判断は異例。
難聴で身体障害者手帳3級を持つ女性(63)が、20歳の時には障害基礎年金を受給できる程度の障害があったのに、当時の診断書がないことを理由に国が07年の申請以前にさかのぼっての支給はしないとした処分は誤りだとして取り消しを求めた訴訟で、神戸地裁は12日、原告の主張を認め、処分を取り消す判決を言い渡した。栂村明剛(つがむらあきよし)裁判長は「診断書がなくても、他に障害の程度を判断する合理的資料を得られる場合は認定できる」との判断を示した。
 原告側によると、親族らの陳述書や医師の意見書などを踏まえて、聴覚障害者の年金受給権を過去にさかのぼって認めた司法判断は極めて異例という。  判決によると、女性は3歳のころ両耳の聴力が著しく低下。補聴器なしで生活できず、20歳のころ「一生治らない」と診断された。6歳で身障者手帳の交付を受けたが、聴力レベルに関する診断書は残っていなかった。
07年に国民年金受給手続きをした際に障害基礎年金を初めて知り、20歳で受給権が発生したとする裁定を請求したが、却下された。
 国民年金法では、障害基礎年金は20歳未満で初診を受け、20歳に達した時点で障害がある場合に支給され、日本年金機構(旧社会保険庁)は診断書の提出を必要としている。栂村裁判長は、原告の知人らの証言などから認定した。
 女性は障害基礎年金制度上の2級に該当し、09年度の年金額は年79万2100円。

  訂正作業ミスで5,000万円以上過払い 年金機構 2011/1/7

日本年金機構は、年金記録の訂正により支給した年金に関して、新たに58人に払い過ぎがあり合計で5,452万円に上ることを明らかにした。1人あたりの過払い額は最大で954万円。対象者には今後、返納を求める考え。昨年9月にも同様の過払いミスが発覚した。
 時効特例給付金の支払い誤りについて
 http://www.nenkin.go.jp/new/press_release/h23_01/0107_01.pdf

  公的年金支給額を0.3%程度引下げへ 2010/12/21

政府は、2011年度における公的年金の支給額を0.3%程度引き下げる方針を明らかにした。引下げは5年ぶりで、国民年金受給者1人当たりの受給額は月額平均で約160円の減額となる見通し。満額(10年度で月6万6008円)を受給している人は月約200円、年約2400円減る。夫が厚生年金に加入した標準的な夫婦2人の世帯では月約700円、年約8400円下がる。