年金トピックス 2013   
ここでは報道された年金関連記事などの情報を提供します。

 国民年金保険料滞納者に対する督促を拡大へ 2013/12/25

厚生労働省は、国民年金保険料の納付率アップを図るため、現在は悪質な滞納者の一部にしか送っていない督促状を、2014年度からは「年収400万円以上で13カ月以上滞納している人」に送付することを発表した。これにより対象者は現在の約3万人から14万人程度に増加する見通し。


 地方公務員の遺族補償年金受給、男女差は違憲 大阪地裁 2013/11/25

 夫を亡くした妻に手厚い地方公務員災害補償法(地公災法)の規定は、法の下の平等を定めた憲法14条に反するとして、自殺した女性教諭の夫(66)が、この規定に基づき遺族補償年金を不支給とした地方公務員災害補償基金の決定取り消しを求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁であった。中垣内(なかがいと)健治裁判長は「男女で受給資格を分けることは合理的な根拠がない」として、規定を違憲と判断。同基金の決定を取り消した。
仕事上や通勤中の業務災害で亡くなった労働者の遺族に支給される「遺族補償年金」。夫を亡くした妻は年齢に関係なく年金をもらえるのに、妻を亡くした夫は原則55歳以上でないと受給できないという「男女格差」のある受給要件が官民共通して法制化されている。このうち、地方公務員災害補償法(地公災法)の受給要件をめぐり、「法の下の平等を定めた憲法14条に違反して無効」との判決が11月、大阪地裁で言い渡された。

原告側によると、遺族補償年金の受給資格をめぐり、男女格差を違憲とした司法判断は初めて。同様の男女格差は、国家公務員災害補償法や民間を対象とした労働者災害補償保険法にも規定されており、今後議論となりそうだ。

 判決は、地公災法が遺族補償年金の支給条件を男女で区別していることについて、「正社員の夫と専業主婦が一般的な家庭モデルであった制定当時は、合理性があった」と指摘。だが一方で、女性の社会進出による共働き世帯の一般化や男性の非正規雇用の増加という社会情勢の変化を踏まえ、「配偶者の性別により、受給権の有無が異なるような取り扱いは、差別的で違憲」と結論付けた。

 訴状などによると、女性教諭は勤務先の中学校での校内暴力などで1997年にうつ病を発症し、夫が51歳だった98年に自殺。2010年に労災にあたる「公務災害」と認められ、夫は遺族補償年金の支給を求めた。しかし基金は11年、支給対象は夫を亡くした妻か、妻の死亡時に55歳以上の夫とする地公災法の規定を理由に不支給とした。

被告側の控訴で2審以降に決着は持ち越された。


 診断書なくても障害基礎年金 東京地裁 2013/11

精神的な障害がある東京都内の女性に障害基礎年金をさかのぼって支給できるかどうかが争われた裁判で、東京地方裁判所は、当時の診断書がなくても、医師や学校の証言などで以前から障害があったことを認め、国に支給を命じる判決を言い渡した。

裁判を起こしたのは、精神的な障害がある東京都内の32歳の女性で、4年前から障害基礎年金の支給を受けていたが、20歳前後の医師の診断書がないことなどから、国はさかのぼって支給できないと申請を退けていた。

判決で東京地方裁判所の谷口豊裁判長は、「女性の場合は、学校の証言や子どものときの医師の記録などから、20歳前後のときも支給の対象となるような障害があった」と判断し、女性が20歳のときにさかのぼって障害基礎年金を支給するよう命じた。

判決は、当時の診断書がなくても、周囲の客観的な証言や記録から柔軟に判断して、救済の幅を広げたもので、弁護士は「今後、同じようなケースに影響を与える」と話している。
厚生労働省は「国の主張が認められず大変厳しい判決だ」というコメントを出した。


 「高額療養費制度」70歳未満の低所得者の負担軽減を検討 2013/10/08

厚生労働省は、高額療養費制度を大幅に見直す案を社会保険審議会の部会に示した。70歳未満で所得が多い層(約1,300万人)に対して自己負担を増やす一方、所得の少ない層(約4,000万人)については負担を減らす案が有力で、2015年1月の実施を目指すとしている。


 政府が成長企業への公的年金投資を検討 2013/10/05

政府は公的年金の運用改革の一環として、成長企業の株式に重点的に投資する考えを示した。成長企業を後押しすることによって企業の収益アップも見込む。約120兆円を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による来年度からの運用開始を予定している。


 財政悪化の厚年基金が特例解散へ 2013/9/27

大気社やトーソーなど5社は、加入する厚生年金基金から「特例解散」の決議の通知を受けたことを発表した。財政悪化に伴うもので、今後は、国の代行部分における積立不足分の費用負担が発生する見込み。解散は厚生労働省の認可後となるため、2014年度以降となる。


 年金事務処理違反が1,151件 2013/9/27

日本年金機構は、保険料免除の申請書を放置するなどの事務処理違反が計1,151件あり、約2,700万円の支給漏れや過払いがあったことを発表した。同機構は受給者に対して謝罪するとともに、金額の訂正を進めている。


 4人に1人が高齢者/総務省、敬老の日に統計公表  2013/9/15

総務省は15日、敬老の日(9月16日)にちなみ、労働力調査等の結果から高齢者(65歳以上)の人口・就業・家計などについてとりまとめた。
高齢者の総人口に占める割合は25.0%で過去最高を記録、4人に1人が高齢者となっている。 http://www.stat.go.jp/data/topics/topi720.htm


 企業年金部会を設置/社保審 2013/8/25

厚生労働省の社会保障審議会は25日、第26回会合を開き、企業年金制度  を議論する専門部会を今秋に設置することを決めた。来年4月施行予定の厚生年金基金制度改革法に基づいて、企業年金制度全般の詳細な制度設計を検討する。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000022044.html


 ハンガリーと協定、社会保険料の二重払い問題解決 2013/8/2

日本政府は8/23日、ハンガリーとの社会保障協定に署名した。相手国に一時的に派遣される企業駐在員など被用者に課される社会保険料の「二重払い」問題の解決等が目的。同協定は、独、英、韓、米、ベルギー、仏などに続く17番目の社会保障協定。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000015997.html


 公的年金の黒字額が2.2兆円 4〜6月期 2013/8/31

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、今年4〜6月期の運用実績が約2兆2,100億円の黒字であったと発表した。国内外における株式の上昇により評価益が増加したことによるもので、黒字は4四半期連続となった。


 本人死後の年金不正受給が新たに37件 2013/8/30

厚生労働省は、年金受給者の死亡後も家族らが公的年金を受け取り続ける不正受給問題で、2010年9月から今年7月までの間に全国で37件(累計約7,100万円)の被害届を警察に提出していたことを明らかにした。同省によると、悪質なケースについては被害届を出しているという。


 「高額療養費制度」負担増見送りへ 2013/7/17

財務省と厚生労働省は「高額療養費制度」をめぐり、現役世代並みの所得がない70〜74歳の医療費窓口負担の2割への引上げを優先するため、現役世代並みの所得がある70〜74歳を対象にした外来受診の費用の自己負担額を増やす見直し案を先送りすることで調整に入った。両省が負担増による高齢者からの反発が広がることを懸念したことによる。


 公的年金積立金の運用益が過去最高に 2013/7/2

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2012年度における運用成績を発表し、公的年金積立金の運用収益が11兆2,222億円、利回りが10.23%となり、いずれも過去最高となったことがわかった。昨年末からの円安・株高により運用益が押し上げられた。


 失業手当の上限引下げへ 8月から 2013/7/1

厚生労働省は、雇用保険の基本手当の上限額を8月から最大で0.56%引き下げることを発表した。給与の平均額が2011年度より約0.5%下がった ためで、引下げは2年連続となる。

 雇用保険の基本手当日額の変更〜8月1日(木)から実施〜
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000035j9j.html
 雇用保険の基本手当日額の変更
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken/h250801.html


 公的年金制度の健全性・信頼性確保の厚年法一部改正法成立 2013/6/28

政府は6月26日、「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」(昭和25年法律第63号)を公布、同28日には「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」等の関係政令を公布した。
施行期日を定める政令では、改正厚年法が規定する第3号被保険者の記録不整合の対応について、その施行日を「平成25年7月1日」と定める。同改正法では、第3号被保険者不整合記録が訂正された者は、一定の範囲で、国民年金保険料の追納を可能とする等の措置を講じるとしている。
改正法の概要 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/183-21.pdf


 国年保険料前納割引 来春から2年分に拡大へ 2013/6/12

厚生労働省は、国民年金の保険料を口座振替で前払いした場合に割引が適用される前納制度について、前払いが可能期間を、現行の最大1年分から2年分に拡充することを発表した。割引率は2年分で4%(1万4,360円)となる。来年2月から申込み開始となる。(口座振替に限定)

 国民年金保険料の2年前納制度(口座振替)の導入
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034ax9.html<


 年金の支給開始年齢「引上げを検討」で一致 国民会議 2013/6/4

政府の社会保障国民会議が、公的年金の支給開始年齢について「引上げを検討すべき」との認識で一致したことがわかった。8月末にもま とめる報告書に中長期の検討課題として盛り込む予定。また、少子高齢化の状況に応じて年金を減額調整する「マクロ経済スライド」の実施 の必要性についても認識が一致した。


 事務処理ミスで1,300件の年金支給漏れ 年金機構 2013/4/17

厚生労働省・日本年金機構は、公的年金の記録を訂正する事務処理に関して約1,300件の誤りがあり、約10億円の支給漏れがあったことを 発表した。機構が記録訂正時の事務処理手続を統一できていなかったことが原因で、支給漏れの件数は今後も増える見込み。対象者には7月 から追加支払いを行う方針。


 年金関連法案を閣議決定 2013/4/12

安倍内閣は、今国会での成立を目指している「年金関連法案」について閣議決定した。主な内容は、
(1)会社員である夫の退職時に手続きを忘れたことにより未納期間が生じた専業主婦の救済
(2)財政難が深刻となっている厚生年金基金制度の見直し。
(1)は今年7月、(2)は来年4月に施行の予定。


 公的年金積立金を5年連続で取崩しへ 2013/4/2

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、団塊世代の年金受給開始に伴い、2013年度において4兆6,000億円の積立金を取り崩すと 発表した。取崩しの実施は2009年度以来5年連続で、保険料や年金で不足する部分の穴埋めを図るという異例の事態が続いている。


 厚生労働省資料 2013/4/2

平成25年度 年金制度のポイント
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/seido-h25-point.html


 協会けんぽ保険料 2013年度も10%に据え置き 2013/1/31

全国健康保険協会(協会けんぽ)は、2013年度における全国平均保険料率(労使折半)について、2012年度と同じ10%に据え置く方針を決めた。都道府県別の保険料率についても変更は行わない。収支均衡のためには平均で10.07%に引き上げる必要があったが、準備金を取り崩して現行 の保険料率を維持する考え。


 平成25年4月から9月までの年金額は24年度と同額 2013/1/26

総務省から平成24年平均の全国消費者物価指数の対前年比変動率が0.0%となったことから、平成25年4月からの9月までの年金額については改定は行われないことになった。

平成25年度老齢基礎年金額(満額) 786,500円(24年度と同額)

平成25年度 国民年金保険料 15,040円(60円アップ)  15,820円×0.951(保険料改定率)=15,040円

実質賃金変動率 0.989
可処分所得割合変化率 ▲0.2
名目手取賃金変動率 ▲1.6
在職老齢年金の計算式 変更なし


 年金記録回復委員会が解散 新組織立ち上げへ 2013/1/23

田村憲久厚生労働大臣は、「消えた年金記録」問題に対応するため、17日付で廃止された年金記録回復委員会に代わる新組織を立ち上げ、 今後も解明作業を継続していく考えを示した。新組織の設立時期や名称等の詳細は未定。