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バツイチFPのおしゃべりライフプラン 第9号 2005年9月18日発行

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こんにちは。
しのぎやすい季節になってきましたね。
暑さを感じなくなったら、事務所&自宅の移転に向けて、あふれているものを整理したいと思います。
もう少しシンプルに暮らしたいと思っています。

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「バツ」はやがて「マル」になる!
慎重に! もっと大胆に!

起業して成功している人、現在事業を伸ばしている人をみると、どの方にも共通点があります。それは、休みなく働いていること、動きが速いことです。
事業を伸ばしている会社の社長さんのお話をきくと、創業当初は1日も休めなかった、休むことなく働いたと言われます。

私もよく人に言われます。「自営業は自由がきくからいいね」と。
とんでもありません。会社にいるときのように、9時から18時などという拘束時間はありませんが、自営業ほど不自由なものはないと思っています。
また、自由に暮らしたいから自営業を選択するという気持ちであれば、ライフワークとしてはいいかもしれませんが、事業としては成り立たないでしょう。

私は現在月に1日休むか休まないかで、完全休業日はありません。
そうしないと仕事はまわりません。
「仕事が多くていいね」と言われますが、多いから休めないというのではなく、今後より発展させるために、やることはいくらでもあるので、休めないのです。
今回は、私の起業体験です。数ある事例の、たったひとつの小さな事例として読んでくださいね。これからどうなるかわからない途中経過ですけれど。

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シングルマザーが起業をめざす!

サラリーマンだって、いつ会社がなくなるかわからない時代、サラリーマンだから安定しているとはいえなくなりました。
しかし、毎月、決まった給料があるということは、当面、安心して生活できるということです。

配偶者も働いている、他に収入のあてがある、年金があるというのであれば別でしょうけれど、何のあてもないシングルマザーにとって、会社からの給料はそう簡単に捨てられるものではありませんでした。
今から教育費がかかるというときは、特にそうですね。

ボーナスもありがたいもの。
一時期、私のボーナスはそっくりそのまま子どもの大学の授業料にまわっていたので、ボーナスがなければ、生活はもっと苦しくなっていたでしょう。

社会保険労務士の資格を取ったからといって、すぐに仕事があるものではありません。
よく「食える」まで3年はかかると言われますし、実際に生活できなくて3〜4年で廃業する人もいるようです。
私は資格をとってから開業まで10年以上の期間がありました。
毎月安定したお金の入る生活を手放すことができなかったからです。

しかし、その10年の間に、会社にいながら起業を準備することができたと思います。
もちろん勉強もしましたけれど、勉強だけでは力をのばせません。実務経験がなにより力となります。

私は、会社に勤めながら、金融機関の年金相談員の仕事をしました。当時は日曜年金相談会全盛のころで、会社が休みの日曜日に年金相談員の仕事をしました。

また、セミナー講師もしました。もちろん、会社員ですので、そんなに数多くはできません。
セミナー講師の仕事も土曜日に多かったので、休日である土曜日に講師業をしました。

そのようにふたつの仕事をしながら、ファイナンシャルプランナーの資格(AFP、そして上級のCFP)を取得しましたし、パソコンの勉強もし、ホームページも作りました。私のホームページは、会社員である時代にオープンしたものです。

ふたりの子どもを育てるシングルマザーの生活は、決して豊かな暮らしではありませんでした。

なんといっても生活費の確保が第1条件だったのですが、それでも、大きな費用をかけずに起業を準備することは工夫次第でできたのです。

会社員と年金相談員やセミナー講師の兼業で、冷や汗をかくこともありましたが、私にとってそれらの経験が起業に結びついていったのだと思っています。当時はそれほど意識していなかったのですが、起業準備となっていたのでしょうね。

会社が忙しいから何もできないというのは、言い訳にしかならないでしょう。

会社をやめて自営業となるのには、決意が必要でした。

いくつか理由があって開業できたのですが、そのひとつは、収入の見込みが少しあったということです。会社員時代からやってきたセミナー講師の仕事などがあり、最初から収入の予定がありました。収入の見込みがあったからこそ、会社をやめ、自営業を始められたのです。

私は、どちらかというと、冒険ができず、慎重派です。

さらに、ありがたかったことは、開業しましたと連絡したところ、すぐに、新しい仕事の話を持ってきてくださった方がありました。単発の講師の仕事だったのですが、うれしかったですね。

資金も経験も人脈もなくいきなり開業し、立派にやっている人もいて、そういうやり方で成功する人もあるのだなと思いますが、私は慎重派でした。

収入ゼロからの出発でないということが、自分のお金で生活していかねばならない私には必要な条件だったと思います。もちろん、ゼロから出発しやっていける人もいますので、人それぞれなのですが。

そして、私は、開業当初から社労士で食べています。1年目は会社員時代よりも所得ははるかに落ちましたが、なんとか生活していけました。借金はゼロですし、貯金を減らすこともありませんでした。

再婚によりシングルではなくなったので、いく分負担が軽くなったのは事実ですが、収入の見込めない開業当時は、「サラリーマンの妻にはお得!」という社会保険のしくみも利用しました。
健康保険の扶養家族になりましたし、第3号被保険者になりました。

その後収入が増えた時点で扶養からはずれたのですが、最初は保険料を払う必要のないこのしくみにはたすかりました。

誤解のないように言っておきますが、自営業を開始したので、雇用保険からの失業給付は一切受けていませんよ。

その他、利用できる有利なしくみは活用しようと、当初から青色申告の届出もしましたし、小規模企業共済にも加入しています。

起業にあたっては慎重にすすめてきましたが、これからは、大胆な展開も必要だと思います。
仕事を始めたあとは、社労士の仕事でもなんでもそうですが、いかに営業するかですね。
丸3年しか経過していないので、ほんとはこれからです。

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サラリーマンには自営業がよくみえて、自営業にはサラリーマンがよくみえたりするものです。どちらがいいなんて、言えません。自分が何をどうしたいかですね。

「資格を取ったけれどどうしたらいいのでしょうか」という相談を受けることもありますが、できることをみつけて実行していけば、道は開けていくのではないでしょうか。

ホームページを作ったほうがいいかどうかという質問もありますが、ホームページで何をしたいのかをまず考えましょう。「目的」のはっきりしないページなら、意味がないかもしれません。



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